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2022年03月03日

「相棒 season20」第17話レビュー:米沢守が大活躍!鉄オタな鑑識は健在だった(※ストーリーネタバレあり)

「相棒 season20」第17話レビュー:米沢守が大活躍!鉄オタな鑑識は健在だった(※ストーリーネタバレあり)


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シーズン20作目となる「相棒」が、2021年10月13日(水)にスタートした。

水谷豊演じる杉下右京と、反町隆史演じる冠城亘の二人からなる警視庁・特命係が事件の謎を解いていく人気長寿シリーズの本作。今シーズンの最終話をもって7年相棒役をつとめた反町隆史が卒業することが決定しており、右京と冠城の“最終章”がどのように描かれるのかも見どころの一つだ。

本記事では、その第17話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

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「相棒 season20」第17話レビュー

「相棒」シリーズの人気者の一人・米沢守(六角精児)が久々に登場。鉄道愛好家の彼は休日に線路脇で遺体を発見し、右京(水谷豊)に連絡する。



 現場を訪れた右京と冠城(反町隆史)に死亡推定時刻などを伝える米沢。彼らに文句たらたらで絡んでくる伊丹(川原和久)たち。昔と変わらない彼らのやりとりが心を躍らせる。かつて米沢が伊丹を嫌いとこぼしていたのをつい思い出してしまった筆者である。

ローカル線「星川鉄道」が絡む今回の事件。同線の廃線をめぐって地元の星川町では廃線反対派と支持派の対立が起きていて、殺された吾妻元彦(藤本浩二)は廃線支持派の中心人物だった。
 
鉄道の運営会社に反対派らしき者から脅迫メールが届いたと、社員の松原(中原果南)から聞き出した右京たち。鉄道復活を願う、あるいは廃線で不利益を被る人物が犯人ではと睨む。
 
そんな中、容疑者として浮かび上がってきたのは二人の人物だ。
 
一人は、遺体遺棄現場近くで線路に侵入しようとして捕まった鉄道愛好家の今泉(松浦祐也)。廃線反対に署名していた彼は、凶器が見つかった場所周辺の防犯カメラに映っていた。
 
もう一人は、旅館を経営する白川(野中隆光)。「星川鉄道を復活させる会」のメンバーで、右京たちが訪れたとき、他の者たちと激しく争っていた彼。鉄道運休のために旅館は閑古鳥で、支持派の吾妻に暴言を浴びせたこともあった。
 
遺体発見者の米沢は引き続き右京の捜査に同行。落語好きなど共通点があるせいか、昔から妙にウマの合っていたこの二人。軽妙なやりとりで冠城とのそれとはまた違うツーカーさを感じさせる。


 そして、特命係と米沢が調べていくうちに、今泉と白川の別の顔が明らかになっていった。
 
まず、今泉。当初、鉄道の撮影を好む“撮り鉄”だと思われていた彼だが、彼の自宅には写真も機材もない一方、電車の時刻表がびっしり。米沢は、今泉は時刻表でダイヤを分析したりダイヤグラム(列車運行図表)を書いたりして楽しむ「“スジ鉄”ですなあ」と推測。鉄道好きは、乗り鉄、撮り鉄をはじめさまざまな趣向があり、ただし、迷惑行為を行う鉄道好きは“クズ鉄”と呼ばれるのだという。
 
右京が「撮り鉄もどきのクズ鉄を装ったスジ鉄」と称した今泉。脅迫メールの主であるのもばれて犯行を認めるが、取り調べ中に突如倒れてしまう。実は今泉は悪性腫瘍に犯されていた。病気のために職場で雇い止めとなり、星川鉄道に自分を重ねて蘇らせたかった……と冠城に明かす。しかし、右京たちは彼が他の誰かを庇っていると考える。
 
そして、白川。彼の旅館を訪れた右京は不動産売却の本を見つける。つまり、白川は既に旅館を手放す気。鉄道復活への思いなどなかったのだ。実は彼は運営会社のスパイ。お金で雇われて過激な反対派を演じ、地元民たちの分断及び復活させる会の解散を狙っていたのだ。
 
今泉が庇っていたのはこの白川。それを知って「たかが鉄道のために」という白川に、「たかが鉄道に救われる人もいるんです」と米沢は怒りをぶつける。
 
白川の正体を知った今泉は、真実を打ち明ける。あの晩、吾妻と会うために都内のホテルを訪れたとき駐車場で遺体を発見。白川が犯人だと思い、罪をかぶるべく鉄道マニアの犯人を自ら演じていたのだ。

駐車場で証拠を探す特命係と鑑識の制服を着た米沢。現場での鑑識の結果、足跡からついに犯人が特定された。


 吾妻を殺したのは、運営会社の社員・松原だった。彼女が白川を雇っていると知って怒り、世間に公表しようと言ったために吾妻は殺されてしまったのだ。

上に怒られるのも恐れず、一鉄道ファンとしての筋を通して事件を解決に導いた米沢。鉄オタかつ優秀な鑑識である彼の活躍、健在ぶりをたっぷり見られて非常に楽しい回だった。

事件解決後、冠城は今泉の心に思いを馳せる。仮に彼が運営会社の工作に気づいていたとしたら? 庇う演技をして白川の心を路線変更させ、鉄道復活のために人々がつながるダイヤグラムを描いていたのでは……と。

冠城の見立てを聞いて「同じようなことを考えていました」と話す右京。長年コンビを組んできた二人は、考え方もどこか似てきたのかもしれない。

しかし、そんな彼らに危機が訪れるよう。次回予告で冠城が刺される場面が映し出され、彼の名を呼ぶ右京の声が響いた。この先何が起こるのか。冠城が特命係を去る日は刻々と近づいている。


(文:田下愛)


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