映画コラム
ベネディクト・カンバーバッチの魅力&『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』<最速レビュー>
ベネディクト・カンバーバッチの魅力&『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』<最速レビュー>
最速レビュー!『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
ドクター・ストレンジは2016年の単独主演作の後アベンジャーズに合流し、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にゲスト出演と、立て続けにMCUに登場していますが、単独主演は何と6年ぶりです。
前作からの続投組に加えてスカーレット・ウィッチが参加と、相変わらず賑やかなキャスト陣に加えて、ファンの注目を浴びたのが監督がサム・ライミということでしょう。
トビー・マグワイアの『スパイダーマン』3部作を手掛け、アメコミ映画=ドル箱企画という図式を作り上げた男が、15年ぶりにアメコミ映画に帰ってきました。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が素晴らしい映画だったこともあって、『ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス』には多くの期待が寄せられていましたが、本作はその期待を軽く上回ってくれました。
「サム・ライミお見事」の一言です。
本作については、私も『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』やMCUドラマ「ワンダビジョン」など見返してあれこれ考え、ネット上に多くの考察が上がっていました。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』以上にネタバレ厳禁な内容ですが、私の予想やネット上の多く考察は根本的な部分で外れています。
MCUのフェーズ4からの方向性はまだ読めない部分がありましたが、『ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス』は大きなマイルストーンになってくれる1作になるのではないでしょうか?
映画ファン、シリーズファン、コミックスファン、ベネディクト・カンバーバッチファン各方面を満足させるサービス演出もたっぷりあり、しかもストレートなものからブラックなものまで笑いをふんだんに盛り込み、さらに深いドラマをしっかりと描き……と映画監督サム・ライミの真骨頂を見た気がします。
盛りだくさんな内容にもかかわらず、上映時間126分と近年の大作の中ではとてもタイトにまとめ上げれています。あれこれ考えて向かうもよし、素直に劇場で驚くもよし、まさに娯楽大作というべき1本でした。
また本作は久しぶりに“3D推し”の映画なので、1回目は2Dでストーリーを楽しみ2回目以降に3Dでアクションに熱中するという楽しみ方もおすすめです。
マーベル大作の狭間で、俳優デビュー20周年のふり幅
2016年の『ドクター・ストレンジ』以降、カメオ出演・スピンオフアニメを含めると6年で6本のマーベル大作に出演しているベネディクト・カンバーバッチは、その一方で2019年には『1917 命をかけた伝令』に決して大きな役ではないところで出演しています。
さらに、2020~21年には『クーリエ:最高機密の運び屋』『モーリタニアン 黒塗りの記録』などの賞レースに絡むような作品に出演して、巧い具合に出演作品にバランスを取ろうとしているのがわかります。
2017年の『エジソンンズ・ゲーム』そして、『クーリエ』『モーリタニアン』にはプロデューサーとしても作品に関わるなど、自身の持つスターバリューを巧く活かしています。
そして2021年のジェーン・カンピオン監督のNetflixオリジナル映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』に主演し、2度目のアカデミー賞ノミネートを果たすなど、高い評価を得ました。
「SHERLOCK」で一躍世界的なスターとなったベネディクト・カンバーバッチは、アイドル的ともいえる人気の中でも、自分を忘れずに手堅い作品に出演していた印象です。
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』を経て『ドクター・ストレンジ』に辿り着き、その後も大作から文芸作品まで幅広く出演しています。
ベネディクト・カンバーバッチは2022年で俳優デビュー20年となり、この先の可能性を感じる活躍を見せてくれているので、まだまだ楽しみは続きます。
(文:村松健太郎)
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