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2022年05月08日

「クロステイル」第5話:「調査報告書」が教える大切なこと!「勝ちはしないけど、そこそこでも負けていない」でいいんじゃない?

「クロステイル」第5話:「調査報告書」が教える大切なこと!「勝ちはしないけど、そこそこでも負けていない」でいいんじゃない?


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鈴鹿央士主演のドラマ「クロステイル 〜探偵教室〜」が、2022年4月9日放映スタートした。

「半沢直樹」「おちょやん」などで知られる八津弘幸のオリジナル脚本で贈る本作は、突然失踪した父親を捜すため探偵学校に入学した主人公の成長を描く物語。主役の飛田匡を初の連ドラ単独主演となる鈴鹿央士、匡のクラスメートで他人の秘密が大好物な少女・芹沢朋香を堀田真由が演じる。

本記事では、その第5話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

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「クロステイル~探偵教室~」第5話レビュー

早くもシリーズ後半に入った「クロステイル」。今回の課題は「調査報告書」だ。

講師はおネエ言葉が混ざる城ヶ崎輝(宮本大誠)。匡(鈴鹿央士)たちが作った報告書を見た彼は、「違和感を感じた→違和感を覚えた」など日本語の間違いを細かく指摘する(ライターの仕事をしている筆者は個人的になんとも耳が痛かった……)。

中でも「最下位」と酷評されたのは野木(福山翔大)。おかげでプライドが傷ついたのか、彼は突如スタンドプレーを始めてしまう。探偵社の前で迷っていた白浜紀子(未来)の浮気調査を勝手に引き受けてしまったのだ。成り行きで一緒に話を聞いた匡も手伝うことに。

そして、ここからの野木のやり方は正直いただけなかった。紀子の夫・佳孝(山口翔悟)を尾行して、ホテルから女性と出てくるのを抑えるのはマニュアル通りとしても、それを紀子に報告する際、「あなたの結婚は失敗だった」と断言。さすがに言い過ぎだろう。さらに「離婚調停でできるだけ慰謝料をとること。ご主人に勝つにはそれしかない」と助言したのも適切とは思えなかった。報告を聞いて悲しい顔になっていくばかりだった紀子。たぶん、何のフォローにもなってない。

その後、佳孝が探偵社に怒鳴りこんできて、校長の理子(檀れい)も匡と野木の調査を知ることになる。報告書を見てその適当さに思わず「訴えましょう」と怒りだす理子。実際、匡たちが捉えた証拠写真はいくらでも言い逃れできるレベルのもの。未熟以外の何物でもなかった。

この一件で退学勧告を受ける野木と匡だったが、「依頼者から調査費用を貰うことができたら不問にする」と理子はラストチャンスを与える。

一連の流れで、非常に強情で勝ち負けにこだわる性格であるのがわかった野木。原因は彼の過去にあった。かつてオリンピックの陸上競技の有力候補だったという野木。しかし、怪我で選手生命を断たれてしまった。大きすぎる挫折があったからこそ、過度な負けず嫌いになってしまったようだ。

再調査に乗り出す匡と野木。捜査は難航し、野木は途中で匙を投げかけるが、匡や藤巻(草川拓弥)の働きかけのおかげでやる気を取り戻す。そして、自転車で移動する佳孝をアスリートらしい走りで追いかけ、浮気相手とラブホテルに入る現場をしっかりと抑えた。

佳孝の浮気を改めて紀子に報告する野木と匡。ただし、今度は匡がフォローした。確かに佳孝は浮気をしていたが、一方で紀子への愛情が感じられる瞬間がいくつもあった……と。

続けて匡は「自分は22年間一度も勝ったことがない」と明かす。告白も受験も就活も全敗、挙句に父は借金を作り失踪。でも案外終わらずに生きて来られたと語った。

ここでの「勝ちはしないけど、そこそこでも負けていない」と言う匡の言葉は非常に心に響いた。実際、人生は勝ち負けだけのものでは決してない。「そこそこ負けない」くらいで全然いいんじゃないだろうか。

その後、紀子は佳孝と話し合う。そのうえで別れを決意。とはいえ、それは結婚が失敗だということじゃない。匡たちの調査報告書のおかげで、きちんと夫と向き合って、そして新たな人生を選ぶことができたのだ。

今回、調査報告書の大切さを学んだ匡たち。おかげで野木も「負けだと思ったら走ってる途中だった」と、ちょっとだけ柔軟になったようだ。

なお、最後になるが、匡の父親・迅平(板尾創路)についても触れておこう。今回彼が元は探偵だったことが判明。これを知ってショックを受ける匡だったが、そんな彼の前に迅平本人が姿を現す(もはやこの父親、行方不明じゃないと思う……)。探偵学校の屋上で二人が話していると、朋香(堀田真由)と藤巻がやってくるが、迅平が匡の父だと知った藤巻の顔色が変わった。

そして、この5話のラストで藤巻が匡にとある記事を見せる。そこには「極悪探偵T」として迅平が映っていた。

 匡の父親捜しに思わぬ暗雲。ひとまず彼が傷つかないことを祈りたい。

(文:田下愛)


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