「ちむどんどん」第28回:借金コントのような展開にちょっとだけ苦言を言わせて〜
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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。
沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。
本記事では、その第28回をライター・木俣冬が紐解いていく。
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「ちむどんどん」第28回レビュー
暢子(黒島結菜)はアッラ・フォンターナで料理のテストを受けることになりました。結果は合格。
すごいぞ暢子。
でも、味覚は合格で、まだ次のテストがありました。
第2テストでは残念ながら落ちてしまいますが、もう一度チャンスをもらいます。
料理が大好きな暢子はちむどんどんしている一方で、沖縄の比嘉家は借金問題が洒落にならない状況になっています。
賢秀(竜星涼)の借金をボクシングジムに返済するためまた借金したいので賢吉(石丸謙二郎)に保証人を頼む比嘉家。ええ〜 叔父さんじゃなくても呆れますよ。
賢吉は良子(川口春奈)にお金持ちと結婚しろと言いだし、そこへタイミングよく金吾(渡辺大知)が親・銀蔵(不破万作)を連れてやってきて……。
「火の車から抜け出す最後のチャンス」と賢吉は大喜びです。
賢吉はいつも比嘉家に厳しいけれど、こんだけ借金しても怒りながらもつきあっているから根は悪くないのではないかという気がしてきます。というか実はお人好し?
比嘉一族、根本的に経済の仕組みというものを理解していないのではないかと思えてきます。もちろんちゃんと理解してない人が少なくないとはいえ(筆者もわかっていませんが)、お金に限りがあると思っていないのではないでしょうか。
この手の、真っ直ぐで貧しい主人公、悪人、お金持ち……等々の類型的キャラクターによるドタバタは、コントのようです。劇伴もコントふうで、お料理のときの楽しい曲、ちむどんどんするときのぐいぐいくる曲、哀しいときのものすごく悲しげな曲……と曲がすごく立っています。
たとえば「LIFE!」のようなコント番組であればそれでいいのでしょうけれど、”連続テレビ小説”と名乗っている以上はそのコンセプトに則って作ってほしいなあと思うのですが、どうでしょうか。
”朝ドラ”は愛称であって、正式なシリーズ名は連続テレビ小説なのです。NHKの広報さんに原稿を見せると必ず「連続テレビ小説」と付け加えられるのです。
筆者は60年を超える歴史ある番組へのリスペクトの意味をこめて自主的に原稿の最初には ”朝ドラ”こと連続テレビ小説”と書くようにしています。
原田美枝子さんや高嶋政伸さんは、その物腰から、役の人生がただよってくるような重厚な演技を見せてくださっていますのでもったいない。
いっそのこと、たまにコントもやる幅広い”朝ドラ”にリニューアルしまうのも良いのではないかと思います。そして、今回の朝ドラはコントです。とあらかじめ宣言してほしい。そうすれば、リアリティーを求めて頭を悩ますこともなくなります。
朝のそれなりに大事な15分、まちがい探しみたいなことばかりに時間を使うのは残念なので、誰もが楽しめて、ほっとできて、ちょっぴり勉強にもなる部分もあるような時間を作ってほしいなあと願います。例えば、今回の「ちむどんどん」だったら、沖縄のことをもっと知りたいなあと大人も子供も思うようなそんな気持ちにすっとなれるようなものを。
それでも黒島結菜さんの一生懸命さや笑顔はすてきです。
(文:木俣冬)
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