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2022年06月03日

「花嫁未満エスケープ」第9話:加速する深見(浅香航大)の重すぎる愛と深まる溝に「切ない」「しんどい」

「花嫁未満エスケープ」第9話:加速する深見(浅香航大)の重すぎる愛と深まる溝に「切ない」「しんどい」


©︎「花嫁未満エスケープ」製作委員会

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岡崎紗絵主演の木ドラ「花嫁未満エスケープ」が2022年4月7日より放送スタート。

彼氏の尚紀(中川大輔)とマンネリ気味の日々を過ごすゆう(岡崎紗絵)。付き合って7年、同棲して5年経つにも関わらず、ハッキリしない態度の尚紀に嫌気が差し始めていた。そんなある日、誕生日を忘れられてしまったショックで、ゆうは家を飛び出す。たまたま元カレ・深見(浅香航大)と再会し……。

本記事では、第9話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「花嫁未満エスケープ」第9話レビュー


©︎「花嫁未満エスケープ」製作委員会

「俺の幸せは、ゆうが幸せであること」
ーーそう主張する深見(浅香航大)に対し、自分にとっての幸せは何なのか、考えれば考えるほどわからなくなり苦悩するゆう(岡崎紗絵)。

幸せの在り方は人それぞれ。だが、ここの価値観が異なると、人生を共に歩んでいくことは難しい。
自分のために幸せになってほしいし、そうであるべきだと気付いたゆうは、深見にも”深見が深見のままでいられる”ように、新しい関係を作っていくことを決意する。


©︎「花嫁未満エスケープ」製作委員会

お互いがお互いに丁度いいバランスを、模索していく日々。

だが、人の考え方はそう簡単には変わらない。
趣味だったはずの釣りの道具を友だちにあげたことに対してゆうが言及すると、「今は、ゆうと過ごす時間の方が大切だから」と深見はあっさり答える。

……趣味を捨ててまで、恋人に時間を割くの……?

深見のゆうへの気持ちはわかる。それに、これほどまでの好意を向けられたら、それはもうとてつもなく嬉しい。
……でも、深見の行動の節々に「なぜここまでするの?」と思わずにはいられない。


そんな中、地元にいるゆうの母親の乳がんが再発してしまい、急遽入院するという事態が起こる。
母親は意外と元気そうで、病院にかけつけたゆうの左手薬指の指輪を見るなり「尚紀(中川大輔)くんから?」と嬉しそうだ。

「ただのプレゼントだから」と結婚を否定するゆう。
その上、尚紀と別れたことも別の人と付き合っていることも打ち明けない様子。

今が幸せであれば、意気揚々と話すはず。結婚のことも考えると、お母さんから見ても深見の方が安心感は増すはずだ。

それでも話さないということは、やはりゆうの中でどこか腑に落ちていないことがあるのだろう。

今夜は地元に残ることにしたゆうは、実家に戻り、母のことで思い悩む。
こういうときに一人ぼっちというのは、より気持ちが沈んでしまうものだ。

そんなときに、インターホンが鳴る。なんと、実家まで深見がやってきた。

明るく振る舞おうとするゆうを見て「無理しなくていいよ」と優しく包み込む深見。本当に、絵に書いたようないい彼氏だ。


©︎「花嫁未満エスケープ」製作委員会

相手のことを考えると、なかなか素直にSOSを求められない。
そういうときに相手からすり寄ってくれることほど、ありがたいことはない。


母親からのゆうの結婚を心配する声を聞き、仕事を辞めて深見の家を出て地元に帰りたいと深見に打ち明けるゆう。

そんなゆうの話を聞いて深見から出た言葉は、「ゆう、結婚しよう」

結婚して向こうで一緒に暮らそう、お母さんを支えるゆうを俺が支えたい、さらには今の仕事は辞めて実家の農園を継ぐとまで言う深見。


©︎「花嫁未満エスケープ」製作委員会

「俺にとって今一番大切なのは、ゆうだから」
「ゆうだってそうでしょ?お母さんのために大好きな仕事辞めるって決めたでしょ。それと同じだよ」

ゆうはあくまでも、お母さんのためじゃなくて自分のためにそうしたいのだと主張する。
それでも、深見の「俺の幸せは、ゆうが幸せであることだから」という意思は変わらない。

「私を幸せにするのは、私だから」

強い眼差しでそう言い放ち、ゆうは指輪を外した。


控えめに言って、深見の愛は重いーーそう感じる著者だが、ここも人それぞれ受け取り方は異なって当然。このくらいがちょうどいい、むしろ嬉しいという方もいるだろう。

しかしながら、著者はゆうに共感する。
一度きりの自分の人生、自分のために生きてほしい。他人のために人生における重要な意思決定をするなんて、私にとっては少し荷が重すぎる。

でも、深見は深見で、「ゆうが幸せならそれでいい」と、本気でそう思っているのだ。

結ばれた当時から感じていた溝が、どんどん深まっていく二人。
やっぱりゆうみたいに自立したタイプは、尚紀のような甘えたな彼氏があっているのかもしれない。
しかしながら、今回尚紀が一瞬たりとも出てこなかったのは、少しさみしかったじゃん。

尚紀と付き合っていた頃の”プリンス・深見像”が、どんどん崩れ落ちていく。


(文:桐本絵梨花)

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