2022年06月12日

BiSH短編オムニバス映画インタビュー:リンリン「ぎこちなさが、この映画の世界観」

BiSH短編オムニバス映画インタビュー:リンリン「ぎこちなさが、この映画の世界観」


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“楽器を持たないパンクバンド”BiSH。2023年をもって解散を発表している彼女たちの映画が、6月10日(金)に全国公開される。映画『BiSH presents PCR is PAiPAi CHiNCHiN ROCK'N'ROLL』は、BiSHのメンバー6人をそれぞれ主演に迎えた短編オムニバス映画だ。

今回は、タイトル『VOMiT』で主演を務めたリンリンにインタビューを実施。この作品で、彼女は人生初の演技にとどまらず、コンテンポラリーダンスにも挑戦している。

まさに新感覚の映画作りに携わった経験を、リンリン自身はどのように捉えているのだろうか。詳しく話を聞いた。

山田健人監督と映画作り「それしか考えられなかった」


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――BiSHの楽曲「SMACK baby SMACK」「リズム」などのMVも担当されている、山田健人監督とのタッグが決定したときの気持ちを聞かせてください。


リンリン:山田監督と一緒にカッコいい映像を作る、それしか考えられなかったので、決まったときは「良かった!」と思いました。

どのメンバーがどの監督と組むかは、あみだくじで決めたらしいんですけど……最初、山田さんに騙されかけたんです。もう組み合わせが決まったあとなのに「これからあみだくじするらしいよ〜」って(笑)。

山田監督はBiSHのMVも撮ってくださってますし、大きな箱でのライブも演出してくださってるんです。山田監督なら、私がやりやすいような表現を考えてくれるって信じてたので、ホッとしました。


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――映画『VOMiT』は、クルクルとリズム良く場面が展開していって、世界観に没頭できる感覚が新鮮でした。まさにリンリンさんを体現している映画ですよね。リンリンさんから「こういうことをしたい」と希望したシーンなどはありますか?

リンリン:動物が大好きなので、動物と一緒に撮るシーンがあったら嬉しいと伝えました。山田監督が作るようなカッコいい映像に、動物が映る組み合わせがすごく好きなんです。なので今回の映画では、犬や牛と共演してます。

犬や牛たちと一緒に、揉まれて押されて、すごく心地よい体験ができました。


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――リンリンさんにとって、貴重な体験だったんですね。山田監督と一緒に映画作りができた喜びが伝わってきます。

リンリン:カッコいい映像が作れたので、本当に良かったです。ただ、終わったいま振り返ってみると、もっといろいろなことに挑戦してみたいなって……。演技に対しての興味が、ちょっとだけ芽生えました。

ぎこちなさが映画の世界観に繋がった


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――今回の映画では、リンリンさんにとって人生初のコンテンポラリーダンスに挑戦されていますね。


リンリン:ダンスに苦手意識があったので、自信がなかったんですけど……。でも、教えてくださったSeishiro先生が、とても優しい方だったので、安心して挑戦できました。

「コンテンポラリーダンスには間違いはない。どんな動きをしたっていいし、たとえ変だと思っても全部正解だから」って言ってくれたんです。それを聞いて心が救われて、躊躇せずなんでもやってみようと思えました。


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――練習中や撮影中に、一番気をつけたことは何ですか?

リンリン:先生が「ここに光る球があって、そこに手を伸ばしてるようなイメージで」など、動きを想像するヒントをたくさんくれたので、想像力をフル活用しながら、頑張りました。あとは、指先の一本一本まで、力の入れ方に気を遣いましたね。

たとえばBiSHのダンスだったら、歌詞に合わせた動きがあったりして覚えやすいところもあるんですけど……。コンテンポラリーダンスには歌詞がないので、リズムも取りにくくて大変でした。

――WACKの合宿オーディションに参加していた当時のインタビューでは「自分に甘いところがあった」と仰っていましたが。

リンリン:監督同士で「絶対カッコいい作品を完成させるぞ!」ってメラメラする気持ちもあったと思うし、山田監督からも「やってやるぞ!」って強い熱が伝わってきたので、頑張ってついていこうって思ってました。自分のできることを精一杯やろうって。

こんなに長い映像に、自分一人だけで映り続けることがなかったので、自分で見たときは新鮮でした。いま見ると「もう少し踊れたかな?」とも思うんですけど、あのぎこちなさが映画の世界観に繋がったとも感じてます。 

五感が圧倒される映画に



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――リンリンさんにとっての、お気に入りのシーンはありますか?


リンリン:雪に降られているシーンですね。雪を掴んで口に入れる表現があるんですけど、生きてきて一番って思うくらいに、手が冷たくなって。撮影のあと、スマホを触るだけでも熱く感じて、すごく怖かったです。自分が壊れちゃうかもしれない、って。

怖さもあったけど、嘘がない表現ができたので、とても好きなシーンになりました。


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――最初から最後まで体当たりの映画ですよね。これからご覧になる方に対して、あらためてアピールポイントを教えてください。

リンリン:山田健人監督による綺麗でカッコいい映像と、素晴らしい音楽。目で見て、耳で聴いて、五感が圧倒される作品ができたと思います。

私も、人生で初めてのコンテンポラリーダンスに挑戦しました。ぎこちないかもしれないですけど……その奇妙さが、気に入ってます。ぜひ楽しみにしてほしいです。
 
(撮影=Marco Perboni/取材・文=北村有)


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