<初恋の悪魔>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
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林遣都と仲野太賀がW主演を務める「初恋の悪魔」が2022年7月16日スタート。
本作は脚本家・坂元裕二が送るミステリアスコメディ。停職処分中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、総務課・馬淵悠日(仲野太賀)、生活安全課・摘木星砂(松岡茉優)、会計課・小鳥琉夏(柄本佑)ら曲者4人がそれぞれの事情を抱えつつ難事件に挑む姿を描いていく。警察モノ、ラブストーリー、謎解き、青春群像劇……全ての要素をはらんだ物語の結末はどこへ……?
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
・第1話ストーリー&レビュー・第2話ストーリー&レビュー
・第3話ストーリー&レビュー
・第4話ストーリー&レビュー
・第5話ストーリー&レビュー
・第6話ストーリー&レビュー
・第7話ストーリー&レビュー
・第8話ストーリー&レビュー
・第9話ストーリー&レビュー
・第10話ストーリー&レビュー
・「初恋の悪魔」作品情報
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
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とある病院に長期入院中の少年・新(柴崎楓雅)が、病院の中庭で遺体となって発見された。飛び降り自殺かと思われたが、新と同室だった入院患者の少年・大希(髙橋來)が事情聴取で、新は担当医師の堂島に殺されたと証言。その後、大希は病状が悪化して危篤状態に陥った。新の死は、医師による殺人の可能性も出てきた。
境川警察署・総務課職員の悠日(仲野太賀)は署長の雪松(伊藤英明)から、ある失敗をして停職処分中の刑事・鈴之介(林遣都)の監視を命じられる。刑事だった悠日の兄は、捜査中の事故で殉職したのだが、雪松は鈴之介がその死に関わっているかもしれないと告げる。思いがけない命令に、戸惑う悠日。
悠日は、鈴之介の家を訪ねることに。鈴之介は大きな洋館に一人で住んでいた。悠日は、署内で行っているアンケート調査と称して鈴之介から話を聞く。過去に起こった世界の猟奇的犯罪について、熱っぽく語る鈴之介。彼は、凶悪犯罪愛好家の推理マニアだった。
そんな折、悠日は会計課の琉夏(柄本佑)から、頼みごとをされる。現在所轄で捜査中の病院での転落死事件の真相を突き止めてほしいというのだ。
細かい性格で刑事たちの精算にも厳しい琉夏は、署内では敬遠されがち。そんな中、刑事課の新人刑事・渚(佐久間由衣)は、いつも琉夏の話を真剣に聞いてくれる。そんな渚に密かに心を寄せる琉夏は、刑事課内でポンコツ扱いされる渚に手柄を立てさせたいと考えたのだった。突拍子もない申し出に、またしても戸惑う悠日。彼は断ろうとするものの、鈴之介のことを思い出す。
悠日は、琉夏を連れて鈴之介の屋敷を訪ねる。事件の概要を聞いた鈴之介は、医師がシリアルキラーである可能性が高いと興味津々。3人は、捜査会議を始めるが…。
悠日と琉夏は独自で捜査するため、捜査資料管理室に侵入。すると、なぜか生活安全課の刑事・星砂(松岡茉優)がいた。悠日と琉夏は、星砂も病院の転落死事件を調べていると思い込み、彼女に協力してほしいと頼む。
かくして、捜査権のない4人が事件解決に乗り出した。少年の転落死は自殺なのか、それとも殺人なのか?事件の裏に隠されていた秘密とは!?そしてこの妙な4人の組み合わせが、思いがけない事態を巻き起こしていく———。
第1話のレビュー
事前情報から、クセがありそうだなと感じていた登場人物たち。実際に観たら、思っていた10倍くらい全員変人だった。情報量が多すぎて、正直1回観ただけでは消化しきれなさそうな物語にワクワクしている。事前に番組が、4人それぞれのキャラクターPVを用意したのも納得だ。
坂元裕二脚本作品ということで、このあと私たちはどんなふうにこの曲者の変人たちを好きになるんだろう、と早くも次回以降の展開に期待が募る。
今回は4人のキャラクターを振り返っていきたい。
総務課・馬淵悠日(まぶちはるひ・仲野太賀)
悠日が冒頭に放つ、「負けっぱなしの人生って、誰かを勝たしてあげてる人生じゃないですか」というセリフが心に残った。「僕たちが隅にいるから真ん中に立てる人がいるんです」とも言っており、脇役である自分を受け入れているように見える。だが小鳥琉夏(柄本佑)の話によると、悠日と小鳥の共通点は「自分の仕事が嫌いなこと」らしい。やはり満足しているわけではないということだろうか。4人の中ではいちばんまともそうではあるが、だいたいの状況で笑顔を崩さない彼は、逆に不気味にも感じる。
彼の亡くなった兄・朝陽(毎熊克哉)とはどのような関係だったのか、彼の友だちだったという署長・雪松(伊藤英明)は悠日を疑っているようだが、朝陽が亡くなった本当の理由は何なのか。
停職処分中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)
鹿浜は、クセが強そうだと思っていたが、想像の10倍くらい面倒くさそうな人だった。凶悪犯罪愛好家の推理マニアで、猟奇的な事件を「美しい事件」と言う。今まで一度も人を好きになったことがなかったらしく、星砂(松岡茉優)のことが頭から離れない状況を「僕はおかしいのかもしれない。彼女のことばかり考えてドキドキしてる、気になって仕方ないんだ、彼女に対して殺意を抱いているのかもしれない」と解釈してしまうやばい人だ。
ドラマのタイトル「初恋の悪魔」の「初恋」は彼の星砂への気持ちなのだろうか? この恋がこの後どんな展開を迎えるのか非常に気になる。
会計課・小鳥琉夏(柄本佑)
堅物で生真面目な小鳥は少々他の人たちに煙たがられている様子。彼は彼でこだわりが強そうだが、正義感が強い一面もありそうだ。自分の話に耳を傾けてくれた渚(佐久間由衣)にひそかに恋心を抱き、彼女に手柄を立てさせてあげたいという思いから病院での事件を独自に捜査することに。
彼女がくれた炭酸飲料を、炭酸が苦手なのに飲むのがちょっとかわいい。鹿浜とは特に気が合わなさそうなので、今後の掛け合いにも期待したい。
生活安全課・摘木星砂(つみきせすな・松岡茉優)
元は県警捜査一課に所属していたが、今は生活安全課にいるという星砂。スカジャンがトレードマークで、話し方も独特だ。財布を落として悠日に食べ物(ハトにあげた残り)をもらったことから、彼らの捜査に協力することに。
ぶっきらぼうだが、洞察力に優れ、4人の中では冷静に判断できるように見える。落とした財布が届けられ取りに行くと、高そうな靴を買いその店に落ちていたという情報が。星砂は「私がその靴を買ったと?」と言うが、何かを思い当たったようで、途中から自分が買ったことを認める。彼女の家には高そうで、でも彼女が身に付けなさそうなものが並ぶクローゼットがあり、鏡を見て「ふふ…いい加減にしてくれよ。蛇女」とつぶやいていた。
これは……二重人格ということなのだろうか。彼女が訪ねて行った医師・小洗(田中裕子)の机に飾られていた写真には、小洗と警察の制服を着た星砂が写っていた。明かされていく彼女の真実が気になる。
曲者揃いの4人がそれぞれ勝手な推理をしているように見えつつ、それぞれの視点が重なることで事件を解決に導く様子が印象的だった。事件現場のジオラマのようなものを見ながら、実際の当時の現場に4人がいる、という演出が不思議だったが、これが「マーヤのヴェールを剥がす」状態なのだろうか。
「警察モノ?ラブストーリー?謎解き系?実は青春群像劇?その全てがここに出会った!」とうたわれている本作品。その言葉通り、さまざまな物語が複雑に絡み合っていそうだ。彼らがどんな人なのか、そしてさまざまな謎の真実や恋の行方はなんなのか。気になるポイントが多すぎて、土曜の夜が毎回楽しみになりそうだ。
※この記事は「初恋の悪魔」の各話を1つにまとめたものです。
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