インタビュー

2022年11月04日

中村倫也『仮面ライダーBLACK SUN』インタビュー|カリスマを演じる不安と愛を感じた監督からのプレゼント

中村倫也『仮面ライダーBLACK SUN』インタビュー|カリスマを演じる不安と愛を感じた監督からのプレゼント

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プライム・ビデオで配信中の『仮面ライダーBLACK SUN』。『凶悪』『孤狼の血』シリーズなどで知られる白石和彌監督がメガホンを取り、仮面ライダーBLACK SUN/南光太郎役は西島秀俊、仮面ライダーSHADOWMOON/秋月信彦役を中村倫也が演じることも話題となった本作で、シャドームーン役を熱望していたという中村倫也さんに撮影秘話や見どころを聞いた。


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——シャドームーン、秋月信彦役でオファーが来たときのお気持ちをお聞かせください。

中村倫也(以下、中村):プロデューサーさんからこの企画の話を聞いたとき、真っ先に「俺、シャドームーンやりたい!」って挙手したんです。子供の頃に『仮面ライダーBLACK RX』をリアルタイムで見ていたんですが、シャドームーンの唯一無二の存在感は、子供ながらに強烈に印象に残っていましたから。

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——本作でも信彦は物語中盤以降、下級怪人たちを率いるカリスマ的存在になっていきますが、彼のカリスマ性を中村さんはどのようにとらえて演じましたか?

中村:そこがクランクイン前に一番悩んだところでした。大勢の怪人たちを前に、どうやって信彦のカリスマを表現するのか。実はクランクインは信彦が怪人たちに演説をするシーンだったんです。特報第二弾で最初に出てくるシーンですね。クランクインの日も「どうしようかな~、どうしたらいいのかなぁ」って思い悩みながら撮影に入ったんです。

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でもリハーサル前に白石監督が、「車の上に立とう!」って言ってくれて。「これでいける! 車の上なら怪人たちに勝てる!」って、安直ですが安心しました(笑)。いやでも、僕の不安を察してくれた白石さんからのプレゼントなのかなと、監督の愛を感じましたね(笑)。そこからはもう、信彦のキャラクターがつかめたので、悩むことはありませんでした。

——70年代の信彦と現代の信彦の両方を演じられたわけですが、設定上、外見の若さはほとんど変わっていません。50年間の信彦の変化をお芝居でどのように表現されたのでしょうか?

中村:信彦と光太郎は幼いころに怪人にされて、兄弟同然に育ちました。彼らは不遇な境遇にあるにもかかわらず、とてもピュアなやつらなんですよ。お互いの存在が糧になっていた部分もあると思います。

(C) 石森プロ・東映 (C)「仮面ライダーBLACK SUN」PROJECT
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そんなふたりが、ゆかりという女性に出会って運命を分かつ出来事があり、それぞれ違う人生を歩むことになる。その信彦の行動というか選択が、ピュアな人間だからこそできるんだろうと思ったんです。それで、70年代の信彦はすごくピュアなイメージで演じました。そこから50年間、信彦はゴルゴムに幽閉されるわけですが、純粋だった信彦の信念が50年の時を経て、怨念に近いものに変化していく。そう感じたので、現代の信彦は怨念のようなものを抱えているイメージで演じました。

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——70年代前半は中村さんはまだ生まれる前ですが、当時の時代背景をどのようにとらえて演じられましたか?

中村:白石監督は若松孝二監督から直接聞かれているでしょうから、さらに深くご存じだと思いますが、僕も蜷川幸雄さんからいろいろお話をお聞きしました。「日本の未来をよくしよう」という強い気持ちとパワーを持った若者たちがたくさんいたという印象です。その時代に生きていた人たちの危機意識なのか、何かに突き動かされて時代を切り開こうとする意志があったんだろうと思います。

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