「舞いあがれ!」第55回:突然コント? 柏木、早くも舞の実家へーー
本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。
本記事では、第55回をライター・木俣冬が紐解いていく。
[※本記事は広告リンクを含みます。]
▶︎「舞いあがれ!」画像を全て見る
「舞いあがれ!」をU-NEXTで視聴する
おとうさま
帯広校から宮崎校に戻る途中、実家に戻った舞(福原遥)は柏木(目黒蓮)を連れて来ます。正式におつきあいするならまずご両親に挨拶を、という折り目正しさはわからないでもありません。こういう生真面目な人はいるものです。
ただ、舞が会わせたい人がいるとあらかじめ言わず、お好み焼きを食べたい友達を連れていくとぼかすことが解せません。照れくさいのもわかりますが、長らく実家を離れていた娘が久しぶりに帰ってきたとき、彼氏連れというのはなんだか微妙ではないでしょうか。折り目正しい柏木は、それでいいのでしょうか。
案の定、いきなり「おとうさま」と柏木が言い出し微妙な空気になったので、舞は慌てて「友達」を強調します。もともと、いきなり実家に挨拶ではなく、隣の「うめづ」で本場のお好み焼きを食べることが目的で、お好み焼きを食べて、ついでに両親に挨拶できたらええなあという感じだったのかもしれませんが。
うめづに集まった、浩太(高橋克典)、めぐみ(永作博美)、笠巻(古舘寛治)、結城(葵揚)。彼氏と実家コントみたいなことが繰り広げられ、浩太に認められた柏木は実家に泊まることになります。
順風満帆と思ったら、貴司(赤楚衛二)の存在が柏木を刺激して……。
舞が第54回のデートのときに柏木に話したトビウオの短歌が窓を隔ててすぐのところにいるお隣さんの男の作ったものだったと知ったときの柏木の動揺っぷりの可笑しさ。すぐマウントをとります。貴司は余裕で交わしている感じ。シンプルで愉快な大衆娯楽的なエピソードです。
「水の外にも世界はあると」(自分の知らない舞の世界)知ったトビウオのような気分になっている柏木の顔が面白い。
舞は男たちの気持ちも、父親の気持ちもまったく介さない、のんきキャラになっています。人のことを心配し過ぎててんやわんやになる舞主体の面白さが見たかった気もしますが、本編内スピンオフ的な回と思えばいいかなという気がします。というか、最近の「舞いあがれ!」は乙女ゲームの要素も盛り込もうとしているのではないかと感じます。吉田(醍醐虎汰朗)、柏木、貴司……と舞のまわりに素敵な男子がいっぱいで、誰を選ぶの? というムードがあります。さらに大人の魅力の大河内教官(吉川晃司)も舞を迷わせるひとりのようです。
でも来週・12週は五島で、情緒ある「舞いあがれ!」が戻ってきそうです。
【朝ドラ辞典 三角関係(さんかくかんけい)】朝ドラに限ったことではないが、恋愛エピソードに、ヒロインがふたりの男性の間で心を揺らす三角関係は王道中の王道。
(文:木俣冬)
木俣冬著「ネットと朝ドラ」、現在好評発売中
「舞いあがれ!」インタビュー「CINEMAS+ MAGAZINE」にて掲載中!
ヒロイン・福原遥、制作統括・熊野律時インタビュー(取材・文:木俣冬)掲載の「CINEMAS+ MAGAZINE no.01」、現在絶賛発売中です。
「舞いあがれ!」をU-NEXTで視聴する
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)NHK