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2023年02月04日

<星降る夜に>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<星降る夜に>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


吉高由里子主演、北村匠海が共演するドラマ「星降る夜に」が2023年1月17日スタート。

本作は、恋愛ドラマの名手・大石静が紡ぐ大人のピュア・ラブストーリー。人に本音を吐けない孤独な産婦人科医・鈴(吉高)と、音のない世界で自由に生きる遺品整理士・一星(北村)。10歳差の2人が既成概念をひっくり返し、新たな価値観を見せる物語から目が離せない。

CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・「星降る夜に」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

▶︎「星降る夜に」画像をすべて見る

 のどかな海街にある「マロニエ産婦人科医院」で働く35歳の産婦人科医・雪宮鈴(吉高由里子)。ある医療裁判がきっかけで、大病院を追われた彼女は、命の始まりと終わりが、繰り返される毎日や、窮屈で息苦しい社会の中で心がすり減り、誰にも本音を語らず、孤独な毎日を過ごしていた――。

 そんなある日、鈴は息抜きのためソロキャンプへ。一人で酒をあおり、燦然と輝く星空を見上げたその時、彼女の前に1人の美しい青年・柊一星(北村匠海)が現れる。
 どこから来たのか、何者なのか、彼は何も語らない。息が白くなる冬の星空の下で、何枚も何枚も、鈴に向けてシャッターを切る一星。しかも、鈴の酒を勝手に飲み始めたかと思えば、寒さに震える彼女に自分のマフラーを甲斐甲斐しく巻いてくる。やけに図々しくて、でも慈しむように優しくて…。不思議な青年に戸惑いつつも、酒の力もあいまって、そのまま鈴と一星は、キスをして…!?
 翌朝。微妙に記憶のない頭を抱えて目覚めた鈴は、一星が何か手でサインを伝えたまま、去ってゆく背中を見送る。あれは夢だったのだろうか…非日常な思い出を片手に現実に戻った彼女は、やがて、一星から送られたサインの意味に気づく。

「お前のゲロ、全部片付けた、バ~カ」
―そう、彼は、手話で悪態をついていたのだ。
2人はまだ知らない、この数日後、また出逢う運命にあることを。

人は恋で生まれ変わる。教えてくれたのは、10歳下のあなたでした―。
これは、命の《はじまり》と《終わり》をつかさどる2人が、
世間の決めた”概念“を超えて、愛を知ってゆく物語。
果たして、鈴と一星の運命は…?

第1話のレビュー

タイトルや「大人のピュア・ラブストーリー」という言葉、画像などの前情報から、個人的にもっと大人で静かな感じのストーリーかと思っていたが、いろいろと思ってたのと違った。でもそれはいい意味で、笑いあり涙ありクセありの先が読めない物語、今後の展開が読めなくて楽しみだ。

まず序盤の展開が早くて「おお!!?」となった。主人公・鈴(吉高由里子)がソロキャンプに出かけたかと思ったら一星(北村匠海)と出会い、写真を撮られ、お酒を飲まれ、マフラーをまかれ、キスされる……。いや、情報量多いし北村匠海だからまだ許されるものの、結構怖いって。さらに何を聞いても一星はしゃべらない。視聴者は前情報で一星の耳が聞こえないのを知っているが、知らなかった鈴はさぞや困惑したことだろう。

翌朝目覚めた鈴が、一星が自分に向けた手話を思い出すと「お前のゲロ、全部片付けた、バ~カ」。
なかなかの悪態にも驚くが、そんなことよりその状態で見た手話を覚えている鈴にびっくりした。

そして今度は鈴の母の訃報。亡くなってから連絡が来るし、しばらく会っていなかったようだし、鈴も冷静に見え、はじめは疎遠だったのかと思ったが、徐々に明かされていくお母さんとの思い出を観ると、相当仲のいい母娘だったようだ。一人娘に迷惑かけたくないと生前整理し、余命よりも早く亡くなった母。これも娘への愛の形なのだろうが、親しかったなら生きているうちに知らせてほしかった……と少しだけ思ってしまった。

母が頼んだ遺品整理士として登場したのが一星。思わぬ再会に驚く鈴。一人さみしく逝ったんですねという鈴に、さみしかったと決めつけるのは違うのでは、という一星。彼が持ってきた箱に入っていた母のカレンダーは、習い事や友達との食事、旅行など、楽しい予定で埋めつくされていた。そして、鈴に似ていると言っていた熊のぬいぐるみ。鈴は人目もはばらかず号泣する。誰にも本音を話せない鈴が、一星の前では素直に泣けたのだ。

遺品が入った箱が、星がちらばったおもちゃ箱のようなデザインなのも印象的だった。一番大切な思い出を、ここに入れているのだろうか。鈴の母以外の遺品整理のシーンで、「金目の物あった?」と言っていた男性が、父が自分の初仕事に関するものを大事にしていたのを知って感動するシーンも記憶に残る。一星が美しい男性すぎず、下ネタも結構言うところが逆にリアルでいいなと思った。AVが好きらしい。

ほかに印象的だったのは、出産シーンだ。妊婦(近藤春菜)が「お母さん!」と叫んでおり、夫にお母さんと通話を繋げられないか聞くが、数年前に亡くなっているという。もう亡くなっていてもこんな大変なときには呼びたくなってしまうのか……と切なくなる。が、鈴の提案で「おかあさ~ん!」とみんなで叫ぶことになり、かなりシュールな気持ちでツッコミを入れたくなる。なのに、「どうして娘が大変なときにいないんだよ~!」という鈴のセリフや、鈴が医療裁判を起こされてしまって震える声で電話したとき、毅然と励ましてくれた母の回想には涙が出た。

まさか同じ「お母さん」で笑ったり泣いたりするとは。このジェットコースターのような感情の揺れ動きは、この作品の醍醐味のひとつかもしれない。同じく大石静脚本・テレ朝制作の「あのときキスしておけば」も切なさと面白さ、重さと軽さのバランスが絶妙だったので、今後も楽しみだ。

自分が酔って嘔吐したことですごいにおいになってしまったマフラーを洗い、一星に届けに行った鈴。写真を撮っていた一星は、ファインダーに入ってくる鈴に避けろと手でシッシッとやるが、鈴はどかない。「ありがとう、あなたに母の遺品を整理してもらえてよかったです」とお礼を言い、一瞬じーんとしたかと思えば、「お前のキス、大したことなかったけどな!」と手話で悪態をつく鈴が最高だった。

周りの人たちもなかなかクセが強い。深夜(ディーン・フジオカ)は写真から、かっこいい役かと思っていたが、見た目だけがかっこいいドジっ子で、転んでおしっこをかぶってしまう。おディーン様がおしっこをかぶるのが見られるドラマ、すごい。

一星の会社の社長の北斗(水野美紀)はトイレで立派な大が出たから写真に撮ったらしいし、鈴の働く病院の院長(光石研)はでっかい自分の顔の看板を病院の上につけてるし……。光石研といえばいい人なときと悪人のときのギャップがすごい記憶があるが、今回はいい人なようだ。女性スタッフたちを尊重し、おいしい宅配を頼んでくれたり、一緒に踊ったりとお茶目な一面も。ただ、最近の作品だといい人の場合早めに死んでしまう傾向にあるので、今回は最終回まで生きていてほしい。

一星の同僚で、手話ができる春(千葉雄大)も気になる。ユニークなこの人たちの物語も楽しみだ。


※この記事は「星降る夜に」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

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