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<年末年始におすすめ>サクっと観たい「暇つぶし映画」10選
<年末年始におすすめ>サクっと観たい「暇つぶし映画」10選
あっという間に間に迎えた冬休み。普段はアクティブな人も、年末年始くらいは食っちゃ寝食っちゃ寝、のんびり過ごしたいという人も多いのではないだろうか。
そんな時でもお供になってくれるのが、配信やソフトで鑑賞可能な映画たち。重すぎる作品はちょっと…… という人はサクっと観やすい(だからといって中身がないということではない)ものをチョイスしてみては。
今回は「年末年始の暇つぶし」にぴったりな映画10作をご紹介しよう。
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『シャイロックの子供たち』
■阿部サダヲ劇場、開幕
原作が『半沢直樹』や『下町ロケット』などで知られる作家・池井戸潤なので面白さは保証済み。さらに主演の阿部サダヲを筆頭に上戸彩や玉森裕太・柳葉敏郎・柄本明・佐々木蔵之介ら豪華な顔ぶれが揃っているので、俳優陣の競演目当てで鑑賞してみるのもいいかもしれない。
本作の舞台は東京第一銀行の小さな支店。現金100万円紛失事件が発生し、やがて検査部や融資先なども巻き込んで歪な関係が次々と浮き彫りになっていく。
支店勤務の主人公・西木を演じる阿部は、意外なことに池井戸作品への参加は初。それにしても(裏のある)探偵役を見事にこなしており、事件の深刻さとは対照的なコメディリリーフとしての立ち回り・セリフに笑わされてしまう。意味深な西木のラストシーンも要注目。
【関連コラム】阿部サダヲの“振り幅”を楽しめる作品「5選」
▶︎『シャイロックの子供たち』を観る
『スペシャルアクターズ』
■最後の最後に大仕掛けが……
ゾンビコメディ『カメラを止めるな!』で大旋風を巻き起こした上田慎一郎監督の単独長編作第2弾。オーディションで選ばれたキャスト15人とともに、「演じること」にフォーカスした物語を新たに生み出した。
本作の主人公・和人(大澤数人)は極度に緊張すると吐いてしまう売れない俳優。弟の宏樹(河野宏紀)に誘われるまま“何でも屋系”の俳優事務所に所属し、旅館乗っ取りを企むカルト集団を追い出すべく仲間と一芝居打つことに……。
劇中の俳優たちが一丸となって行動を起こす感覚は『カメ止め』とも共通している。実は作品自体に「ある仕掛け」が施されており、最後の最後に明かされる真相には思わず「おお!」と声を上げたくなる。ミステリ小説のどんでん返し系が好きな人にもおすすめ。
【インタビュー】「お気に入りのスペシャルアクターズを見つけてほしい」──上田慎一郎監督インタビュー
▶︎『スペシャルアクターズ』を観る
『ナイスガイズ!』
■異色のコンビが大暴れ
ラッセル・クロウ×ライアン・ゴズリングという予想もしていなかったタッグが実現。しかも監督が『リーサル・ウェポン』シリーズや『ラスト・アクション・ヒーロー』などの脚本家で、初代『プレデター』の“殺られ役”から『ザ・プレデター』の監督に出世したシェーン・ブラックなのだから「普通の作品」であるはずがない。
1970年代のLAを舞台にした本作は、ポルノ女優の死をきっかけに浮かび上がる連続殺人事件が主軸。腕っぷしのいいクロウとヘタレ探偵ゴズリングが共同で捜査に乗り出すも、事件の背後には巨悪が潜んでいて──というストーリーが展開する。
とはいえブラックの良い意味で力を抜いたバディコメディ感が心地良く、人の命もまぁ軽い。1970~80年代のハリウッドアクションで育った映画ファンなら興奮と懐かしさに包まれるはず。
▶︎『ナイスガイズ!』を観る
『スピード』
■キアヌ&サンドラ・ブロックコンビの活躍!
90年代を代表するアクション映画のひとつ。本作はポール・バーホーベン監督とのタッグで知られ、『ブラック・レイン』『ダイ・ハード』『リーサル・ウェポン3』など名だたるアクション映画の撮影監督を務めてきたヤン・デ・ボンが満を持して監督デビューを飾った作品だ。
時速80km以下になると爆発する爆弾が仕掛けられたバスを舞台に、サスペンス性に加えてハイウェイでの大ジャンプや犯人(デニス・ホッパーが怪演)との知能戦などエンタメ感も色濃い。キアヌ・リーブス&サンドラ・ブロックの出世作だが、異常な状況下で結ばれた男女は長続きしないという劇中のセリフどおり続編にキアヌが出演しなかったのは残念。
▶︎『スピード』を観る
『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』
■最狂最悪のゴジラが大暴れ
「平成ガメラ三部作」を成功に導いた金子修介監督がまさかのゴジラ映画にも登板。本作のゴジラは戦争で散った英霊たちの怨念の集合体という異色の出自を持ち、真っ白な目からは感情も読み取ることができない。あるのは「破壊」行動だけで、人間に対する慈悲はもちろん微塵もない。
そんなゴジラの侵攻を食い止めるべく出現するのがバラゴン、モスラ、キングギドラの護国三聖獣。怪獣バトルはさすがの金子節、クライマックスの横浜決戦は神谷誠の特撮技術もあってド迫力の映像を堪能できる。
『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が本作から影響を受けていることを明言しているとおり、凶悪なゴジラ、熱線放射によるきのこ雲、ラストのアレなど共通項が多い。
▶︎『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』を観る
『パラサイト』
■半地下“じゃない方”の寄生モノ
『スクリーム』シリーズのケヴィン・ウィリアムソンが脚本を担当し、一気に頭角を現したロバート・ロドリゲスが監督を務めた1999年公開のSFスリラー。
誰が体を乗っ取られているのかわからない寄生モノであると同時に侵略モノでもあり、ロドリゲス×ウィリアムソンによる良い意味での「軽さ」と「ノリの良さ」がとにかく面白い。
ジョシュ・ハートネットやイライジャ・ウッドら当時のフレッシュな顔ぶれも作品を支えており、ハイスクールが舞台の作品にありがちな学生がやたら大人っぽい設定はナシ。
不良も優等生も等身大のキャラで危機的状況の打破に挑む姿が頼もしい。まさかの寄生体判別方法やSF映画らしさ満点の“親玉クリーチャー”のビジュアルにもご注目を。
▶︎『パラサイト』を観る
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』
■ワイヤーアクションの最高傑作!(声高に)
「香港のスピルバーグ」ことツイ・ハーク監督、武術指導のユエン・ウーピン、主演リー・リンチェイ(ジェット・リー)が生み出した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』(通称・ワンチャイ)シリーズ。
その第2作『天地大乱』は主人公ウォン・フェイホンの活躍ぶりが際立っており、筆者の主観としてワイヤーアクション×カンフーアクション作品の「最高傑作」だと強くおすすめしたい。
VS白蓮教・クン大師(ホン・ヤンヤン)戦はツイ・ハーク印のケレン味たっぷりで「そんなばかな」と思わず笑ってしまうが、だからこそ目が釘づけになる。何よりラスボス・ラン提督を演じているのがドニー・イェンであり、武術の達人同士であるリンチェイとの中盤の手合わせやクライマックスファイトは胸熱!
▶︎『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』
『トリガール!』
■鳥人間コンテストを青春スポ根コメディ映画に昇華
土屋太鳳と間宮祥太朗の若手実力派俳優が演じる大学生がコンビを組み、鳥人間コンテストを目指す中村航原作の青春映画。
なのだが、コメディ映画の名手・英勉監督の手腕がたとえ競技中であろうと要所要所(というかほとんど)で炸裂。高杉真宙や池田エライザ、矢本悠馬、さらにちゃっかり出演しているコロコロチキチキペッパーズのナダルも良い味を出してきている。
もちろん鳥人間コンテストに向けたスポ根映画としての魅力も満載。いがみ合っているのにめちゃくちゃ相性の良いゆきな(土屋)と坂場(間宮)の関係性は微笑ましいどころではなく、クライマックスにして「よくあるパターン」を全力で粉砕しにくるふたりのやり取りが大爆笑させてくれる。
▶︎『トリガール!』を観る
『6アンダーグラウンド』
■もはや何がなんだか
爆破と悪ノリの帝王マイケル・ベイがライアン・レイノルズと初めてタッグを組み、際限知らずのNetflix独占配信映画として製作されたのだからとんでもない。ヤバすぎるアクションの数々を生み出してきたベイがリミッターを外すとこうなりますよ、という好例でもある。
独裁者を倒すべくエキスパートチームが活躍する内容とはいえ、正直なところ時系列の入れ替えもあって「チームがどういう状況で何をやっているのか」わかりにくい。もし何をやっているのか言語化すると(人の命がスポンジのように軽い)カーチェイス・(歴史ある景観だろうと関係ない)破壊・(やっぱり上手い)銃撃戦であることから、間違いなく純度120%のマイケル・ベイ映画といえる。
▶︎『6アンダーグラウンド』を観る
『ホットショット2』
■ひたすら笑いっぱなしの89分!
筆者にとって「人生で一番笑った映画」かもしれない。『トップガン』など数々の映画を餌食にした前作に飽き足らず、今度は『ランボー』をベースにやりたい放題。チャーリー・シーンが引き続き主演を務めており、劇中ではまさかの実父マーティン・シーンが登場して言葉を交わす場面も。
本作の悪役は、●●●・●●●●本人を完コピしたビジュアルのサダム・フセイン(伏せ字の意味がない)。サダムに囚われた特殊部隊の救出作戦を描いたストーリーだが、カットごとにギャグを入れなければ死んでしまう病にでもかかっているのかというくらいおバカコメディっぷりが清々しい。
また「戦う大統領」モノでもありながら、敵下での潜水ミッション中に勢いよく放屁して大量の気泡を発生させてしまったり、サダムとの対決でラ●トセ●バーを出したりと何をやるにしても面白い。とにかく笑いたいという人におすすめしたい1本。
▶︎『ホットショット2』を観る
まとめ
紹介した10タイトルを見ればわかるとおり、いずれも一球入魂の作品ばかり。たとえおバカなコメディ映画だとしても、本気でそれに挑んだキャスト・スタッフがいることを忘れてはならない。ただ、普段よりちょっとだけ肩の力を抜いて。この機会に気になっている作品をチェックしてみてはいかがだろう。
(文:葦見川和哉)
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