神木隆之介、俳優として、声優として生粋のプロ

3月のライオン 桐山零 神木隆之介

(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

“子供の頃からプロだった”、映画「3月のライオン」で主役の桐山零役に神木隆之介を躊躇なく選択した大友啓史監督の言葉です。

『3月のライオン』

3月のライオン ポスター

(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

映画『3月のライオン』は「ハチミツとクローバー」で知られる羽海野チカ原作の高校生プロ棋士の成長を描いたベストセラーコミックを原作とした映画です。

「ヒカルの碁」で囲碁ファンが一気に増えたといわれていますが、この「3月のライオン」のおかげで将棋ファンのすそ野が広がりました。

同じく将棋をテーマにした『聖の青春』の森義隆監督は当初は“絵的に地味”な将棋の映画ということでなかなか企画が進みにくかったものの、このコミックのヒットを受けて話が進みやすくなったと話していました。

この原作を『るろうに剣心』三部作、『秘密THE TOP SECRET』、『ミュージアム』とヒット作・話題作を連発する大友啓史監督。

物語を描き切るために前後編2部作で公開されます。共演には有村架純、倉科カナ、染谷将太、高橋一生、加瀬亮、佐々木蔵之介、伊藤英明、豊川悦司、そして最近後編の出演情報が解禁されたばかりの伊勢谷友介と豪華キャストがズラリと並びます。

前後編映画というと少し前まではヒットを狙った商業的な面ばかりが言われていましたが、昨年の『ちはやふる』上の句下の句、『64-ロクヨン-』前後編と質の面でも高い評価委を集めた作品が続きました。本作「3月のライオン」はその流れに乗った一本ともいうべき熱量のこもった力強い2部作になっています。

子役の壁を乗り越えた国民の甥っ子

国民の甥っ子と言ったら言い過ぎかもしれませんが、神木隆之介“君”は(君を自然とつけてしまうのは国民感情として自然なものですよね?)子役の壁を乗り越えて今や日本映画界には欠かせない存在となりました。

子役に求められているものは“幼さ”と“可愛さ”ですが、これが加齢とともに足かせになることが多々あります。

そんな中、神木君は年相応の役どころを演じ続けている一方で、倉本聰、宮藤官九郎、吉田大八などの作家性の強い作品にも果敢に挑み役どころの幅を広げていき、今では大作級のものから、中小規模の作品まで幅広くこなし、単純な優等生キャラからも脱却しました。

“声優”神木隆之介の隠し玉「ピアノの森」

(C) 2007一色まこと/「ピアノの森」製作委員会

『君の名は。』の記録的なヒットで神木君が『千と千尋の神隠し』『君の名は。』『ハウルの動く城』という日本映画興行収入ランキングTOP3の作品すべてに声優として参加していることが話題になりましたが、ジブリ作品以外でも多くのアニメーション、洋画吹替え、ナレーションなどで“声の人”としてもキャリアを重ねています。

声優陣を一新した後のドラえもんの劇場長編一作目『ドラえもんのび太の恐竜2006』、細田守監督のブレイク作と言っていい『サマーウォーズ』。

そして映画『インストール』の主役コンビ上戸彩×神木隆之介が声優として再タッグを組んだ『ピアノの森』があります。

共演には宮迫博之、福田麻由子、池脇千鶴と実写映画並みの豪華キャストが並びます。
ちなみにピアノ演奏と主題歌は女優だけではなく音楽家・ピアニストとしても活躍する松下奈緒が担当しています。

『ピアノの森』STORY

“ピアニストを夢見る雨宮修平(神木隆之介)は転校初日に、“森にある壊れたピアノを弾いてくる”という肝試しを命じられてしまう。困り果てる修平を見かねた一ノ瀬海(上戸彩)は一緒に森へ出かけるが、実は、その森のピアノは海だけが弾くことができるものだった。海と修平はピアノを弾く喜びを実感し、次第に友情を深めていく。”

原作は足掛け17年をかけて描かれた一色まことによる音楽漫画。

内容面では登場人物もエピソードも多くボリュームもあるので、お話も少し駆け足になってしまいます。ただし、作品の象徴ともいうべき“森の中のピアノ演奏”シーンは、老舗アニメーション製作会社マッドハウスの緻密な絵と世界的なピアニスト・ウラディミール・アシュケナージがアドバイザーとして参加した音楽とを組み合わせたクライマックスのコンクールのシーンの美しさは必見です。

最近、音楽と映画の積極的なコラボレーションが話題になっていますが、改めて見直すと『ピアノの森』はその走りと言っていいのかもしれませんね。

『君の名は。』 がストライクゾーンに入った方はおすすめです。

[『ピアノの森』を見れる動画配信サイト](2017年3月17日現在配信中)
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(文:村松健太郎)

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    ライタープロフィール

    村松健太郎

    村松健太郎

    村松健太郎
    脳梗塞と付き合いも10年目に入った映画文筆家。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在NCW配給部にて同制作部作品の配給・宣伝、イベント運営に携わる一方で各種記事を執筆。

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