映画コラム

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2016年04月27日

渡辺謙「ザックリでいいのかよ!」とガス監督に、『追憶の森』プレミアイベント

渡辺謙「ザックリでいいのかよ!」とガス監督に、『追憶の森』プレミアイベント

渡辺謙 追憶の森1


富士・青木ヶ原の樹海でたまたま出会った二人の男が魅せる感動のミステリー映画『追憶の森』(2016年4月29日公開)。本作でタクミを演じた渡辺謙が4月26日、都内で開催されたプレミアイベントに登壇。公開を楽しみに待つファンの前で、本作の魅力や撮影ウラ話について語りました。

渡辺謙 追憶の森2



本作は死をテーマにしたシリアスな作品で、一度は出演を断ったという渡辺謙。最初のオファーを受けたのが東日本大震災直後というタイミングだったのが理由で、「ちょっとそれを背負い切る余裕がないと思い、パスした」と当時を振り返りながらも、2014年になって「ガス(ガス・ヴァン・サント監督)がこの映画を撮りたいと手を挙げたときに、彼ならシリアスなんだけどロマンチックなセンチメンタルな映画にしてくれるだろうと直感したので、ぜひやらせてほしいと。さらに、マシューもやることになって、これは両手を挙げてやらせてもらおうと思った」と、ヤル気満々で本作に望んだことを少々テンション高めで話してくれました。

渡辺謙 追憶の森3



そんなガス・ヴァン・サント監督について、渡辺謙は“ものすごくザックリしてる”と表現。半分は冗談としながらも「彼が手書きで書いたロケーションマップがあるんですけど、(各箇所に)番号があって、サイコロを転がして撮影を決めるんですよ。そんなザックリでいいのかよ!と思いましたね」と、ガス監督の意外な一面を暴露。「自分にないものに身を委ねるというのが彼の創作の現場にあるのかなと感じました」と、監督の仕事に敬意を払っている様子でした。

渡辺謙 追憶の森4



また、タクミとともに樹海をさまようアーサーを演じたのは『ダラス・バイヤーズクラブ』『インターステラー』のマシュー・マコノヒー。マシューは残念ながら来日できなかったものの、ビデオメッセージで登場。会場では渡辺謙と観客に向けてメッセージが送られました。

渡辺謙 追憶の森5



ビデオメッセージの中でマシューから面白いと言われた渡辺謙はマシューとのエピソードを聞かれると、夜の撮影を終えてから二人で雨でずぶ濡れになりながら樹海を懐中電灯の光を頼りに2、3キロ歩いて帰ったときの話を挙げ、「歩いていると靴の中に貯まった水の音だけがピチャピチャと聞こえて、『俺たちいったい何やってるんだろうね』と立ち止まって笑ってましたね」と、笑顔で撮影時を振り返っていました。夜の樹海は歩くのだけでも怖そうですが、撮影を続けるにつれて、二人にとってはそこが特別な場所に変わっていったのかもしれませんね。

渡辺謙 追憶の森6



なんと、マシューは合計5つの短いビデオメッセージを用意しており、そのほとんどが渡辺謙をいじるものでした。マスコミ向け進行表では3つだったので筆者は驚いてしまったのですが、観客のみなさんはラッキーでしたね!映像を見ながら渡辺謙はずっと照れ笑いをし、時折ツッコミを入れるなど、とても仲の良い様子を伺うことができましたよ!

渡辺謙 追憶の森7



最後に渡辺謙は「この映画は立ち止まっていただきたい映画だと思います。一瞬足を止めて、今自分がいる場所を確認して、誰がいるのか誰が支えてくれているのかを確認し、それからまた歩みを進めていくためにこの映画があると思います」と、皆さんに向かって温かいメッセージを送っていました。

渡辺謙 追憶の森68



死とは何か、生きるとはどんなことなのか。その意味が少しでもわかるかもしれない『追憶の森』は4月29日(祝)全国ロードショーです。

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(文・取材:アスカ

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