『アナと雪の女王2』の特大ヒットを考察する



宣伝の肌感覚と劇場の熱の差


私が鑑賞のために劇場に行ったのは24日の日曜日でしたが、その前2日間の劇場の盛り上がりも伝手をたどって教えてもらっていました。

そこで分かったことが、圧倒的な観客の熱量です。老若男女問わず幅広く、多数の観客が劇場に文字通り押し寄せていました。

本格的なコスプレをする子供も少なくなく、応援上映でもないのに自然発生的に発せられるキャラクターへの声援、早くも文字通りの“イベントムービー”と化していました。



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映画を公開する時、公開する側(配給会社や宣伝会社、映画館など)はターゲットを決めます。

それを“絶対に抑えたい”コアターゲットとそれに加えた“上積み部分になる”ライトターゲットに分けます。コアターゲットは言葉は悪いですが“黙っていても劇場に来てくれる人々”で、ライトターゲットは“気にはなっているのでタイミングが合えば、仲間内で話が合えば見に行こうという人々”です。

人数比で言えば当然コアが少数派で、ライトが大多数派です。

ところが、『アナと雪の女王2』はこのコアとライトの境界線が事実上ない作品といって良いと思います。ディズニー作品は元々その傾向が強いですが、前作から5年の熟成期間を得て『アナと雪の女王』はアンデルセン童話やグリム童話と同じような完全にスタンダードな存在となりました。

ジブリ作品なども似ていますが、作品を見たことがないけれどタイトルは知っているという人まで含めれば『アナと雪の女王』に全く無縁な人など日本にはいないのではないでしょうか。

こんな大げさなことまで感じてしまうほどの劇場には“当たり前に埋まっている感”が溢れていました。

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