俳優・映画人コラム

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2021年02月08日

北川景子の魅力|スクリーンデビュー15周年“映画女優”としての深み

北川景子の魅力|スクリーンデビュー15周年“映画女優”としての深み



昨年2020年11月公開のサスペンス『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』、12月公開のダークファンタジー『約束のネバーランド』、そして主演作の『ファーストラヴ』が2021年2月公開と3本のメインキャストを務めた連続公開の北川景子。

さらに特別主演した『さんかく窓の外側は夜』に今年の1月に公開されると言うことで、北川景子は出演映画が4カ月連続公開されることに。

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そんな彼女は今年2021年でスクリーンデビュー15周年となります。そこで今回は“映画女優”としての北川景子をまとめていきまたいと思います。

映画から始まった女優業

北川景子は2003年の実写ドラマ版の『美少女戦士セーラームーン』で女優デビューしましたが、当初はモデルとしての活動が主になっていました。



それから3年後の2006年に森田芳光監督の『間宮兄弟』で映画デビューを飾り、ここから北川景子は本格的な女優業をスタートさせることになります。

続けて、オーディションを突破して日本人側のヒロイン役をゲットしたハリウッドの大ヒットシリーズ『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』が同じ年に公開、このことで若手女優の中から頭一つ抜けるようになり、これ以降着実にキャリアアップを重ねていきます。

以降2009年に『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』で初めて月9ドラマのヒロインになり、2011年の『謎解きはディナーのあとで』、2012年の『悪夢ちゃん』、2014年の『HERO』セカンドシーズンなどなど、その後、映画化もされるヒットドラマに出演していきます。

これらの作品のほかにも『家売るオンナ』などシリーズ化されるヒットドラマが多いのも北川景子のキャリアの特徴と言えるでしょう。

ヒット作・話題作に連続出演




2017年雄『君の膵臓をたべたい』(=『キミスイ』)などでは脇に周り存在感を発揮、これは『約束のネバーランド』での立ち位置と重なるところがあります。

また『キミスイ』に加えて2011年の『パラダイスキス』、2013年の『映画 謎解きはディナーのあとで』、2014年の『抱きしめたい-真実の物語-』、2018年の『スマホを落としただけなのに』などなど、しっかりとヒットを記録する映画をコンスタントに量産。出演映画を売れる(=ヒット作にできる)俳優としての地位も高めつつあります。


このほかにも『響-HIBIKI-』や『パンク侍切られて候』など話題作にも出演、年平均で2~3本の映画に出演し続けています。

その間に年平均で1本は連続ドラマもこなしているので、約15年間、私たちは女優北川景子をほぼ切れ間なく見続けていることになるから驚きです。

こんな一面も!?



『間宮兄弟』で映画デビューを飾った北川景子は監督の森田芳光の愛弟子の一人と言った存在になり、同じ森田監督の2009年の『わたし出すわ』にもカメオ出演しています。2011年に森田監督が61歳で急逝した後も森田監督の長編デビュー作『の・ようなもの』の正統続編『の・ようなもの のようなもの』でもヒロインを務めました。

カメオ出演と言えば『君の膵臓をたべたい』(=キミスイ)の月川翔監督作品で、浜辺美波が主演した『センセイ君主』にもカメオ出演しています。『キミスイ』では浜辺美波と一緒に納まるシーンがなかったことから月川監督がラブコールを送りそれに北川景子が快諾した結果実現したものです。浜辺美波とは『約束のネバーランド』でも共演、すっかりお馴染みの並びになりつつありますね。

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年下の俳優との絡みで言えば『響-HIBIKI-』で共演した平手友梨奈とも、公私に渡って親交を深めたようで、『さんかく窓の外側は夜』での特別出演もそういった縁から来ているのかもしれません。

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18年のヒット作『スマホを落としただけなのに』の続編『囚われの殺人鬼』にも同じ役で特別出演しています。北川景子のフィルモグラフィを見るとメインキャストを務める一方で特別出演、カメオ出演の頻度も多く、これはかなり珍しい傾向と言えるでしょう。

最新主演作は濃厚なサスペンスドラマ



北川景子の映画デビュー15周年イヤーを飾る最新主演作は堤幸彦監督によるサスペンスドラマ『ファーストラヴ』です。

島本理生の直木賞受賞の同題小説を映画化したもので中村倫也、窪塚洋介、芳根京子などが共演に並びます。この映画で北川景子は父親を殺した女子大生の心理と心裏に迫る公認心理士というキャラクターで、事件を追う中で自分のトラウマとも向き合うことになっていきます。また女子大生の弁護人として過去に因縁のある義弟(中村倫也)が現れ、事態は複雑化していきます。

今回、北川景子は役柄のイメージに合わせてトレードマークとも言えるロングヘアを30センチ以上もバッサリとカットし、20代から30代までのヒロインを演じきりました。

今までにないほど役柄に共感したと語る北川景子にとって代表作と言える作品に仕上がったと言えるでしょう。念願の堤幸彦監督作品と言うことで思い入れも強かったようです。

待機作には昭和の銀幕の大スター役も



2021年の北川景子は、すでに次の映画も決まっています。山田洋二監督による『キネマの神様』です。ここでは吉永小百合や昭和の名作メロドラマ『君の名は』(新海誠監督のアニメーションではありません)で真知子巻きを流行させた岸恵子を想起させる昭和の銀幕の大スターを演じています。

北川景子はどちらかというと現代劇が多く、時代劇は映画の『花のあと』、ドラマの『みをつくし料理帖』と『西郷どん』ぐらいということもあって、こういった古風で時代を感じさせる装いしている姿自体がとてもレアなものとなっています。

実生活で母親となったことでこれまでのクールビューティーなキャラクターに加えて母性を感じさたり、温もりを感じさせる役どころも増えてくるかもしれません。『キミスイ』『約束のネバーランド』では浜辺美波を、『響-HIBIKI-』では平手友梨奈と年下の俳優をうまく引き立たせる立ち位置も巧くこなしています。『ファーストラヴ』でも感情を爆発させる芳根京子をうまく受け止めて、非情に素晴らしい演技を引き出しています。

主役も脇も引き出し役から作品を引っ張る座長的立場まで何でもハイレベルでこなす北川景子、20周年に向かって、果たしてどんな活躍を見せてくれるかが今から楽しみです。

(文:村松健太郎)

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