「コンテンツって究極、ビジネスモデルが作る」|『映画 えんとつ町のプペル』西野亮廣インタビュー
世界配給、そしてディズニーに挑む
テット・ワダ
この映画、世界へは?
西野亮廣
もう既に世界の配給会社40社ぐらいからオファーを頂いていて。今、順々に話を進めています。自分は始めた時からエンタメで世界取るって決めていたので、そこに向かって走るっていう感じですね。
テット・ワダ
そうすると、やっぱり、敵じゃないですけど、例えばディズニーとかは世界規模じゃないですか。そういうのに対しての考えは?
西野亮廣
正面から挑むっていうことですね。大前提としてディズニーが無茶苦茶好きなんですよ。ディズニーランドも好きで行きまくってますし。ですが、好きっていうことと、挑まないっていうのは別の話なので。
10年くらい前に、「ディズニーを超えたい」って言った時にむっちゃ笑われて、バカにされたんです。クリエイターさんからも笑われたんですよ。
それがすごく悔しくて。悔しいっていうのは、自分が笑われたから悔しいっていうのももちろんあるんですけど、それよりも何より、なんでみんな「ディズニーよりも下でやろうよ」っていうことを良しとしてるんだろうと思って。
例えばクリエイターとかだったら、自分のファンがいる訳じゃないですか。そのファンに対して、自分が提供するものがいつまでもディズニーより下でいいのかって。
それってちょっと不誠実じゃないかって思うんです。今はまだ力及ばずかもしれないですけど、作り手なら「俺が作るものが世界で一番素晴らしくて、あなたに頂いたこの時間は、本当に世界で最高なものにする」って言い切ってくれないとやりきれないじゃないですか。日本中がディズニーに挑むことなしに、「僕たちはこの下で細々とやりましょうよ」って話がまとまってる感じがすごくイヤで。
やるからにはちゃんと挑んで、そこで勝った負けたをちゃんとやりたいなと思って。やっぱり同世代の日本人と戦うのと同じように当然ディズニーともシルク・ドゥ・ソレイユとも全てのエンターテイメントとちゃんと競争するっていうのはありますね。
実際にえんとつ町を作る
テット・ワダ
今までこれも10年近くかけてやってきたわけですよね?
西野亮廣
そうですね。
テット・ワダ
映画一発で終える訳ではなく、そこからまた未来に繋いでくっていう気持ちは。
西野亮廣
もちろん仰る通りで、「えんとつ町のプペル」はミュージカルやVRの製作がスタートしています。あと実際に町を作っちゃうんです。えんとつ町を実際に作ってしまって、そこで生活ができるようにする。
町の中に美術館があり映画館がある、えんとつ町を実際に作っちゃうっていうことです。ディズニーがやられたようなテーマパークというよりは、コンセプトシティーですね。京都やベネチアのような、ひとつのコンセプトでまとまってる町を作りたいんです。
テット・ワダ
日本にですか?
西野亮廣
日本です。それはもう進めていて、それをとにかくやる。結構積極的に進めてますね。
テット・ワダ
みんなが遊びに行けるという?
西野亮廣
そうです。『ランド』みたいな発想って『夢の国』じゃないですか。つまり現実と夢との境界線がちゃんとあって、ここから先は夢の国だよっていう。それよりはボーダーレスで、本当に生活空間の中にファンタジー的な要素があったら面白いなと思っているんです。
電車に乗っていて、どこかのタイミングでよくよく外を見たら「なんかもうえんとつ町っぽくない?」みたいな。京都に行くときと一緒ですね。京都で「ここから先が京都です」みたいな入り口は別にないじゃないですか。ニューヨークでもだんだんニューヨークみたいな感じで、そこはファンタジーっていうよりは本当にそこで生活ができる。それをやります。
テット・ワダ
かなり大きいプロジェクトですね。
西野亮廣
確かに確かに。土地を買い漁ってます!
テット・ワダ
完成はいつになるのでしょうか?
西野亮廣
常にアップデートしていくので…ずっと町が完成しないかもしれない。
テット・ワダ
オープニングはいつぐらいに?
西野亮廣
いつになりますかね。でもまず真ん中に置くのは美術館って決めているんです。美術っていうものを大事にしようと。町の真ん中に何があるのかって結構重要だと思っていて、その町を色付けるものになるので、やっぱ美術館だなと。美術館は多分3〜4年後になると思います。
テット・ワダ
美術館は「えんとつ町のプペル」美術館?
西野亮廣
「えんとつ町のプペル」美術館ですね。実際に町を作ってしまう。そんな感じですね。
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