「コンテンツって究極、ビジネスモデルが作る」|『映画 えんとつ町のプペル』西野亮廣インタビュー
新しいビジネスモデル
テット・ワダ
通常の映画って公開されてからすぐピークが来て、その後テレビやDVDなどへ流れというのが普通ですけど。この映画はロングランになるような雰囲気がありますよね。一年で終わりじゃないような雰囲気が。
西野亮廣
雰囲気ありますよね。
テット・ワダ
ハロウィーンのシーンがあったり。アップビートでドーンと上げられて、映画には入り込めて凄く良いシーンだったと思うんです。ダンスシーンというか、日本でいうとお祭りというか。あれを入れたきっかけというのは毎年…
西野亮廣
仰る通りですね。内緒にはしているんですけれど、読み通りだと思います、やろうとしてることは。
行事ごとにするって結構大事だなと思っていて。
例えば『作品』って究極、『ビジネスモデルが作る』と思うんです。
例えばですね、本を出したら大体1週間-2週間ぐらいは本屋さんの店頭に並んで、横に平置きになるんですけど、3週間くらいから1か月くらい経ったら本屋さんから消えていく。大体このルールになってるんですよ。
そうすると本っていうものが2-3週間で結果を出さないといけなくなって、パッと目に付くタイトルや内容に偏ってしまう。つまりロングセラーがあんまり許されないビジネスモデルになっている。
そうすると同じようなものが出来上がってしまうなと思って、違うビジネスモデルで作品作りをしようと思いました。
国内外で個展を積極的に開いて、その個展会場の出口で自分の絵本をお土産として売っているんですね。それが結構買って頂けるんです。
Amazonとか本屋さんとかは「売れたらラッキー」ぐらいで考えておいて、僕たちの本の売り場の本丸を個展会場にするっていうことです。つまり個展をやめない限り、僕たちが作ってる絵本の売り上げが止まることはないという。
そうなったら「5年とか10年かけて売れたらいいよね」っていう発想になってくるから、それくらいの制作費を本にかけられるので全く別のものが出来上がるっていう。
自分の絵本は33人ぐらいで作ってるんですけど、これまでの本のビジネスモデルでいうと、例えば本当に2-3週間で回収しなきゃいけないとかってなってきたら印税を33人で割ったらとても食えないんです。そこを10年かけて回収しようよっていうモデルにしていると、全然違うものが出来上がる。
映画も同じように1ヶ月くらいで閉じるっていう風にしてしまうと、大体同じ映画が出来上がってしまうので。それは端から考えてなくて。おっしゃる通り行事ごとにしていくっていう考えがありますね。
テット・ワダ
ハロウィーンは、日本では最近といえば最近じゃないですか。今後日本でハロウィーンといえば西野さんの作品の中のアレになるのかなとか。
時期がくればあの曲を思い出し、あの曲を聴けば映画思い出し、観ればあの時期を思い出すっていうのが何となくリンクされてるなぁなんて思いました。
西野亮廣
全部読まれちゃってますね(笑)。読み通りです。
テット・ワダ
こういった作品はなかなか無いですよ。
西野亮廣
嬉しいです。伝えますスタッフに。みんな喜びます。
大きな未来について
テット・ワダ
最後に、西野亮廣さんの未来について。来年-再来年じゃなく、10年-20年を考えた時に何をチャレンジしたいですかね?
西野亮廣
移動遊園地も作りたいですし、たくさんあるんですけれど……。
やっぱり、エンタメってお客さんの安心安全が約束されてようやく届くものじゃないですか。
日本って毎年のように災害がありますよね。最近は特に水害が多い印象がありますけど、そういったときのケアが出来るようにしておきたいですね。
エンタメを作ると同時に被災地支援がちゃんとできるように。チームを組んでその両輪で行くっていうのは積極的にやります。
毎年のように災害があるので、政府に全部お願いするだけじゃなく、自分たちでやれるところから被災地支援をやっていこうと思っています。
インタビュー:テット和田 / 構成:ヤギシタシュウヘイ /撮影:MAKOTO TSURUTA
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