2021年03月20日

NHKBSドラマ《新!少年探偵団》「怪人二十面相」演出:佐藤佐吉インタビュー

NHKBSドラマ《新!少年探偵団》「怪人二十面相」演出:佐藤佐吉インタビュー


怪人二十面相の正体とは?
そして本来の姿とは?


―― では、いよいよ3月23日から始まる第4弾「シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅳ『新!少年探偵団』」ですが、佐藤監督は第1話「怪人二十面相」を演出されてます。

佐藤 このシリーズこそ満島さんが本当にやりたかったことで、まさに子どものころからの悲願がようやく実ったわけですよね。

―― 今回はかなりファミリー層に向けたポップな作りにもなっていますね。

佐藤 実は最初「少年探偵団」という題材に対してスタッフはどうアプローチすればいいか迷っていたみたいですが、僕は「乱歩自身も子ども向けに書いたのだから、それを踏襲しましょう。ただし大人も一緒に楽しめる作品に」と言いました。それでみんなすっと腑に落ちた感じになって、その後はもう一直線に。いや、もうそれこそTVドラマ「少年探偵団(BD7)」(75~76)の主題歌をかけようかと思ったくらいでしたが、さすがにそこはぐっとこらえました(笑)。

《新!少年探偵団》第1回「怪人二十面相」より ©NHK


《新!少年探偵団》第1回「怪人二十面相」より ©NHK

――でも、その「少年探偵団(BD7)」で二十面相を演じていた団時朗さんと、実相寺昭雄監督の乱歩映画で明智小五郎を演じていた嶋田久作さんを今回キャスティングされてます。

佐藤 お二方には今回どうしても出ていただきたかったので、決まったときは本当に嬉しかったですね。団さんは「帰ってきたウルトラマン」も含めて子どものころから憧れの存在でしたし、嶋田さんは「心理試験」にも出ていただきましたが、やはり乱歩の世界がすごく似合う俳優さんだと思っています。

―― 実際のところ、今回の二十面相のキャラクターはどういう風に描出しているのですか?

佐藤 今回原作通りにやっていますが、それがどういうことかと言いますと、二十面相って普通覆面をしてマント姿で、みたいなものを思い浮かべると思うんですけど、原作には一切そういう描写はないんですね。つまり、それは誰かが具現化したときに施した改変であって、実際は誰が二十面相かわからないということで貫かれているんです。

ですから今回はニュートラルな立ち位置で演出しました。そして二十面相に扮しているそれぞれの役者さんたちには「笑い方」で統一させています。みなさんには見本として『ジョーカー』の主人公の笑い方を参考にしてもらいました。

今回は明智と二十面相が東京駅のホテルで初めて顔を合わせるシーンがあるんですけど、そこは力を入れたというか、あえて違う手法で挑戦していますので、そこもお楽しみに。自分自身、できればこれからも「明智小五郎VS怪人二十面相」の世界は続けていきたいですね。

《新!少年探偵団》第1回「怪人二十面相」より ©NHK


《新!少年探偵団》第1回「怪人二十面相」より ©NHK

―― 劇場用映画化なんてものも期待したいところですが。

佐藤 実は僕も望んでいます。ただ、それが実現する暁には、劇中で使用する歌の著作権をクリアする作業とか大変になるかも(笑)。

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