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2021年05月31日

「今ここにある危機とぼくの好感度について」全5話のあらすじ&ネタバレ感想:「なぜなら我々は…腐っているからです」三芳総長(松重豊)にしびれた!神崎(松坂桃李)が見つけた好感度より大事なものとは)

「今ここにある危機とぼくの好感度について」全5話のあらすじ&ネタバレ感想:「なぜなら我々は…腐っているからです」三芳総長(松重豊)にしびれた!神崎(松坂桃李)が見つけた好感度より大事なものとは)


第4話あらすじ&感想

第4話あらすじ

帝都大が命運を賭けた次世代科学技術博覧会が開かれようとしていた。その予定地で謎の虫刺され被害が続出し、真(松坂桃李)も指を刺され発熱する。会場近くには吸血昆虫を飼育する足立准教授(嶋田久作)らの研究室があり、帝都大のその研究施設が疑いの目を向けられるが、内部調査で異常はないと報告される。だが、三芳総長(松重豊)は調査結果に疑念を抱いていた。そんな中、澤田教授(池田成志)が真に衝撃の事実を伝える。

第4話の感想:「都合の悪い真実は必ず隠される」「真実を知りたければ、自分で調べるしかないんだよ」ドラマの中だけの話じゃないのかもしれない

小指が腫れてキーボードが打てなくなった神崎真(松坂桃李)。打てないため音声入力でみのり(鈴木杏)へのメッセージを打っていた。だが、メッセージは送信することなく削除された。ナレーションの様子からすると、幾度も彼女へのメールを打っては送れずを繰り返しているようだ。

帝都大近辺では神崎だけでなく、謎の虫刺され被害が続出していた。今回この被害を巡り、人々のさまざまな思惑が交錯する。自分の目的を果たすために事実を捻じ曲げる人々が複数出てきて困惑するが、こういったことは実際にも行われているのかもしれないと思わせる内容だった。

まず、かつて神崎がイケメンアナウンサーの地位を奪われた後輩・若林(吉村卓也)が取材のために駆けつけてくる。神崎と違って切れ者の彼は、より話題になるようにするため、次世代科学技術博覧会の予定地と隣接する帝都大「稀少生物研究センター」で昆虫などの研究をしている足立准教授(嶋田久作)が飼育している蚊を逃がしたように見せかけたかった。わざと暗めのおどろおどろしい照明にし、ほしいセリフを言わせようとする。神崎は「恣意的な撮り方は困るよ」と抗議するが、実際に放送された映像はいいように編集され、大学には抗議や問い合わせの電話が殺到する。

これに対して怒りの電話をかける神崎。「先輩ってそんな物の言い方する人でしたかね? 俺の中で先輩の好感度下がってショックっすわ」と悪びれない様子だ。神崎は「体調悪いからいいや」と切るが、本当に体調が悪く、発熱してきた。そこへ澤田教授がやってきて「俺がお前の命預かる」と言われ希少生物研究センターに連れていかれる。

途中取材時にも世話になった、デング熱のワクチン開発をしている堀田教授(奥田洋平)に会って指と熱の話をしたが「風邪じゃない?」と言われる。だがその後、現地の蚊を調査した足立准教授と、遺伝子研究をする澤田の解析協力により、外来種との交配した新しい雑種だったと知らされる。アレルギーが起きたり、最悪ガンになる可能性もあると言われる。

一方大学側の運営側は、そのような事実があるかどうか明らかにするよりも、そのような事実はないことにしたかった。「そのような事実があっては困るからそんな事実はない」と全く理に適っていない主張をする理事、それに同意する理事たち。「これはきちんと事実を明らかにすべきことだ」と苦言を呈する水田理事(古舘寛治)に「虫の居所が悪いのでは?」と言い出す理事や逆切れする須田理事(國村隼)。本当にこの人たちには呆れるばかりだ。

だが、前回で事なかれ主義をやめた総長(松重豊)、たびたび疑問を投げかける水田理事など、まともな考えの持ち主の割合が徐々に増えているのがせめてもの救いだ。神崎も以前に比べて問題意識を持つようになってきた。取材の件で恣意的な撮影・編集に怒っていたのもその証拠だ。

そしてもう一人、いつもより大人しかったのは鬼頭理事( 岩松了)だ。彼もまた、カフスがとめられないほど手首が腫れていた。
今気づいたけど「大豆田とわ子と三人の元夫」のとわ子のお父さんと役者さんが一緒だ。

二人は斎藤理事(斉木しげる)が手配した病院で検査を受け、陰性と出た。安心した二人は女子高生のようにキャッキャしていてかわいい。が、鬼頭は衝撃の事実を神崎に告げる。堀田研究室の水道が壊れていて、デング熱のワクチン開発のために飼育していたサハライエカを誤って流してしまったという。その蚊が外来種と交配した可能性はあると。まだ総長や布川理事には告げておらず、鬼頭のほかにも布川理事と斎藤理事しか知らないらしいが、その二人全く信用できないじゃん……。たぶん、病院を手配した理事が嘘の検査結果を出すように手をまわしたのでは、と思った視聴者も少なくないと思う。

帰りのバスから学生新聞のメンバーが蚊に刺されてみようとおびき寄せてこようとしてるのを見つけ、神崎はすごい剣幕ですぐこの場から離れるように言う。はじめは相手に指定いなかった3人も、彼の様子にただごとではないと気づき走ってその場を立ち去る。また熱が出ていたらしい。

総長と安藤秘書のもとで目覚めた神崎。総長は安藤秘書に席を外してもらい「総長として非常に言いづらいことだが、この組織を信用しない方がいい。都合の悪い真実は必ず隠される」「残念ながら、その持病のような体質によってこの大学の健康は侵されてきた、今はその末期だと思ってる」「もう一度検査を受けろ」と伝える。

「真実を知りたければ、自分で調べるしかないんだよ」「すまん、本当にすまん」
さらに続ける総長。

調べてわかった真実が恐ろしいものだったとしたら。怖くて検査を躊躇する神崎。
恋人の職場の愚痴を聞いている間に、晴れも引き熱も下がっていた。
この程度のことなのか、大騒ぎすることもなかったと思った矢先、新聞部のコウスケ(望月耕介)がやってきた。ユウナ(吉川愛)が虫刺されにより入院し、症状がひどいと聞く。彼女はもともと身体が弱く、大学も奨学金で通っているからそう長くはいられないと思うということ、自分が言い出したから自分の責任なことを聞き、今回は絶対記事にしないからわかることだけでも教えてほしいと懇願される

「確認しなければならないことがあるので、今は待ってほしい」とその場から立ち去り、すぐに総長に電話し検査を受けることにした。

「見て見ぬふりをしていたい、そして、最後まで逃げ通せるならどんなにいいだろう。」
伊武雅刀のナレーションが響く。

以前の神崎なら、この段階でも逃げてしまっていたかもしれないが、彼は確実に変わったとわかる。自分以外の人が苦しんでいると聞き、もう見て見ぬふりはできなかった。芳しくない状況だが、この変化だけはよろこばしい。そして検査結果は陽性だった。先日問題ないと言われた検査は、蚊アレルギーとは何の関係もないものだったとわかった。

橋の上で川を眺める神崎にかかってきた電話。何とみのりからだった。
相変わらず、神崎の着信音とても好きだな(笑)。

次回最終話、神崎はどのような決着をつけるのか。

総長の言葉「都合の悪い真実は必ず隠される」。情報というものは、伝える人の都合のいいように操作される。「真実を知りたければ、自分で調べるしかないんだよ」

この話の中だけの話じゃなく、現実でもおそらくそうなのかもしれない。
わかってはいつつも、報道される情報をそのまま受け取っている自分もいたことに気づく。自分で調べたり確認したこと以外は本当のことかはわからない。
改めて、情報に対して自分で考え、疑問点や問題点はないか、意識するようにしたいなと思った。

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(C)NHK

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