【NetflixやAmazon Primeで視聴・レンタル可】私的音楽映画ベスト5


はじまりのうた



2010年代は数多くの良作音楽映画が公開されましたが、『はじまりのうた』はそのなかでも10年、20年と語り継がれていく傑作でしょう。

シンガーソングライターのグレタ(キーラ・ナイトレイ)の歌が、ひょんなことから落ち目の音楽プロデューサー、ダン(マーク・ラファロ)の耳に入り、彼はグレタに「レコーディングをしよう」と持ちかけ、物語ははじまります。

レコーディングっつっても、ダンは最近ハズしっぱなしなので予算をとってくることができない。そこでどうするかっていうと、ニューヨーク中のあらゆる場所でフィールドレコーディングをするんですが、このレコーディングシーンが最高で、そのまんま良質のMVです。

ダンは「ニューヨークのありとあらゆる場所で録るんだ」と言い、グレタは「でも雨が降ったらどうするの?」と返す。「録り続ける」とダン。「警察が来たら?」と彼女が尋ねると、彼は「録り続けるんだ」と応える。もうこのやり取りだけで泣けます。

劇中、グレタもダンも、ダンの嫁さんも、娘さんも、グレタの友達のふとっちょも、言い忘れてたグレタの彼氏のデイヴ(アダム・レヴィーン)も、何かしらの問題を抱えているんですけど、それぞれが自分の力で立ち直り、やり直します。まさに原題の『Begin Again』のとおり、全員が「もういちどはじめる」んですね。何かに挫折したことがある人、バンドを組んだことがある人、物を作ったことがある人、今、上手くいかなくて参ってしまっている人、というか全人類に観て欲しい1本です。

余談ですが、『はじまりのうた』と『セッション』は製作年は異なるものの、同じ年に公開されており、次作である『シング・ストリート』と『ラ・ラ・ランド』も同年に公開されています。どちらがどうかは申し上げませんが、音楽の捉え方がまったく違う作品が2回も同年に公開されているというのは、何らかの共時性を感じずにはいられません。

※Netflix・Amazon Prime Videoで視聴可能。Apple TVでレンタル可能

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