【NetflixやAmazon Primeで視聴・レンタル可】私的音楽映画ベスト5


クライ・ベイビー



数あるジョニー・デップ主演映画のなかでも、割と無かったことにされているんじゃないか作品トップ3に入るであろう、75歳になってもまだ鬼才、ジョン・ウォーターズ監督が手掛けた1本。

今、なんとなくWikipediaで検索してみたのですが、ストーリーとしては「舞台はメリーランド州ボルチモア。不良少年のウェイドは、お嬢様のアリソンと恋に落ちる」としか書かれていませんでした。いくらなんでも淡白過ぎるだろう。

確かに、ウェイド(ジョニー・デップ)がアリソン(エイミー・ロケイン)と恋に落ちるで過不足はないのだけれど、ちょっと待ってくださいよ。イギー・ポップ、トレイシー・ローズ、スーザン・ティレル、ジョー・ダレッサンドロの数え役満級のキャストに、チョイ役でウィレム・デフォーも出てるという凄まじさ。とくにウィレム・デフォーは伝説的映画『ラブレス』への目配せでしょう! 『ラブレス』にはロバート・ゴードンも出てるし! 同年公開の『シザー・ハンズ』は確かに最高だけどさぁ! 主演作としてはこっちが先よ? 音楽だってジョニデが歌ってるだけじゃないよ? 「Please,Mr. Jailer」なんてスティッフレコードの星、レイチェル・スイートですよ? どうすか? このセンス(2万字中略)今となっては『グリース』や『ワンダラーズ』『アウトサイダー』なんかに並ぶロックン・ローラー御用達映画じゃないですか! と、思わず発狂してしまうくらいには面白いです。

ちなみに、『ピンク・フラミンゴ』に比べるとジョン・ウォーターズ臭もそれほどなく、実は意外と真っ当なロックンロール・ミュージカルです。ただ、そこはやはり鬼才、古き良きアメリカ感もあり、もっといえば「古き良きアメリカをイメージして古き良きアメリカを作った」みたいなミニチュア感があり、いびつな寓話のようなおかしみがあります。

と、ここまで書いて、実は演奏シーンは3回も無かったのではないかということに気付きました。しかし、刑務所内の工場にある工具を使って演奏したり、敵役である山の手の坊っちゃん達がコーラスグループとして歌ったりするのでギリギリセーフでしょう。

※Apple TV・Amazon Prime Videoでレンタル可能

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