平手友梨奈、絶対に無視できないその魅力:「ドラゴン桜」で再び脚光!女優としての活動を振り返る
『響-HIBIKI-』の出演が女優としての転機に
欅坂46の活動を通して何者かを演じることのベースを築き上げた平手は、2018年9月公開の映画『響-HIBIKI-』で大きく飛躍を遂げることとなる。原作者である柳本光晴が「『サイレントマジョリティー』のPVを見た時から、もし響が実写化するなら、主演は平手さんしかいないなと思いました」と話していたが、映画主演の大抜擢は単なる(グループの知名度を利用した)話題性ではなく、誰もが知る平手の表現者としてのポテンシャルによる実現だった。デビューから3年弱で主演までこぎつけたのは異例の速さで、それだけ平手のパフォーマンスが多くの人を魅了してきたということでもある。
『響-HIBIKI-』はマンガ大賞2017大賞を受賞した「響 〜小説家になる方法〜」が原作。平手は文学界に革命を起こすほどの圧倒的な才能を秘めた女子高生の鮎喰響を演じた。過去にも欅坂46としてドラマに出演していたが、ソロとしては初の映画主演ということで大きな話題となった作品だ。
Ⓒ2018映画「響 -HIBIKI-」製作委員会 Ⓒ柳本光晴/小学館
平手が演じた鮎喰響という役柄は天才としてもてはやされる一方で、時には大物作家に対しても蹴りをお見舞いしたり、記者会見の場で大暴れしたりと、奇行とも言える所業に及ぶことだってある。しかし、鮎喰響という人物の根底にあるのは自分の信念に従って生きるという生き方であり、平手はこの鮎喰響というキャラクターを自分自身と重ねながら演じていたのだそう。
それにしても『響-HIBIKI-』における平手の演技は想像以上だった。欅坂46では平手の表現力の特異さに注目が集まっていたが、映画というフィールドでもそれは同じ。何より鮎喰響という傍目には初主演で演じるには難しさを感じてしまう役柄でも、平手自身をトレースしたかのように自然な演技が目につく。映画初主演ながらこの時点ですでに女優として完成されており、平手の表現には圧倒的な求心力があった。
Ⓒ2018映画「響 -HIBIKI-」製作委員会 Ⓒ柳本光晴/小学館
ご存じの通り、平手は本作で「第31回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」の新人賞、第42回日本アカデミー賞新人女優賞、第28回日本映画批評家大賞の新人女優賞と、数々の新人賞を受賞している。
アイドルというフィールドを飛び越え、女優として本格的なキャリアを歩み始めた作品として『響-HIBIKI-』は重要な作品である。
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