平手友梨奈、絶対に無視できないその魅力:「ドラゴン桜」で再び脚光!女優としての活動を振り返る
『さんかく窓の外側は夜』「ドラゴン桜」『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』2021年も続々と話題作に出演
2021年に入り女優として本格始動を果たした平手。同年1月に映画でソロ活動後初の映画出演を果たす。岡田将生と志尊淳の主演で、平手は呪いを操る女子高生の非浦英莉可を演じている。
累計発行部数170万部を突破したヤマシタトモコの漫画の実写映画化である本作は、霊が見える書店員の三角(志尊淳)と除霊師の冷川(岡田将生)が未解決事件の解決に挑むミステリー・ホラー。
これまで平手は物語的に中心を担う主役(またはそれに準ずる役)を演じてきたが、本作ではバイプレイヤー的な立ち位置で出演している。決して出番は多いとは言えないなかで、相手に呪いをかける際に見せる眼力など要所で存在感を発揮していた。作品を見るまでは主役ではない彼女をどう見せるのかという点と平手自身がヒロインとしてどう立ち回るのかという点が気になっていたのだが、実際見てみると見事なバランス感覚で上手く演出されていて驚いた。
©TBS
4月からは過去に多数の人気女優を輩出した伝説のドラマとして知られるドラマ「ドラゴン桜」に出演していることで注目を浴びている。
本作は2005年に放送された第1シリーズの続編で、主人公の弁護士・桜木建二が、落ちこぼれの学生を東大合格まで導くというストーリー。平手は大学のスカウトに注目されるほどの実力を誇るバドミントン選手の岩崎楓を演じる。
これまでの諸作とは異なる役作りに平手は、リオデジャネイロオリンピックの混合ダブルスで日本人初のベスト8入りを果たした元バドミントン選手の栗原文音から教わり、「素人に見えないように、ちゃんと全国トップレベルに見えるように」ということを徹底して臨んだことを明かしている(引用:「バド×スピ!」【スペシャル・インタビュー】「もっと練習したい、もっとうまくなりたいと思った」 平手友梨奈が『ドラゴン桜』とバドミントンを語る)。
またインタビューでも「自信はないですが、でもそれをやらないと楓ではなくなるので、できるだけ近づけていけるように日々やっています」と語っており、役作りへの妥協を許さない姿勢が彼女らしい。
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岩崎にフォーカスされた第2話では、半月板の故障によってバドミントン選手としての夢を絶たれてもなお、新たな夢のため前を向いて頑張る岩崎の姿が描かれた。岩崎というキャラクターはというと、登場初期はコンビニで万引をしたり、桜木のテントに火を付けたりと、思春期ならではの不安定さ、危うさを持ち合わせていたが、桜木と出会い東大専科に加わってからは、以前よりも表情も豊かになり、真っ直ぐに努力し続ける優等生ぶりを発揮。この岩崎の多様な表情の変化、一挙一動を平手は繊細な演技を通して生き生きと表現していた。
また、第8話でも改めてフォーカスされたが、同じく繊細な演技で岩崎という人間に深みが与えられた。
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平手の演技に凄みを感じてしまうのは、演技の巧拙以上に、演じる役に説得力をもたせることが上手いからだろう。だからこそ回を重ねるごとに岩崎という人物に深く感情移入できてしまう。平手が演じることによって役に求心力が生まれ、結果的に物語にも強度を与えている。生徒役のカラーが作品のトーンに大きく影響を与える「ドラゴン桜」というドラマにおいて、平手が演じた岩崎は間違いなく非常に重要なポジションを担っているのだ。
表現力の高さは音楽番組を通して多くの人の目に触れることがあっても、女優として注目される機会はあまり多くはなかった。「ドラゴン桜」が放送されるたびにSNSでも平手の演技には多くの称賛のコメントが寄せられていることからも、これを機に女優として脚光を浴びることは間違いなさそうだ。
6月18日には前作が累計観客動員数130万人を記録した大ヒットシリーズの続編『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』への出演も控えており、平手は殺された両親の復讐を企てる車椅子の少女でヒロインの佐羽ヒナコを演じる。これまで主に普通の女子高生を演じてきた平手が、闇社会の殺伐とした世界観のなかで生きるヒナコをどう演じるのか期待したい。
(文:川崎龍也)
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