映画コラム
【最速レビュー】『ブラック・ウィドウ』、物語を紐解く「5つ」のキーワード
【最速レビュー】『ブラック・ウィドウ』、物語を紐解く「5つ」のキーワード
5. ユーモア
“罪”や“過去”、“家族“と言ったパーソナルで、重めのテーマがメインに据えられている映画『ブラック・ウィドウ』ですが、想像以上に笑える映画になっています。
ギャグというよりはユーモアという言葉が相応しいと思いますが、ナターシャとエレーナの姉妹のやり取りは、時に“メタ的”な言葉遊びやチョイスもあって、物語の緩急の“緩”の部分を担っています。
これはスカーレット・ヨハンソンとフローレンス・ピューの二人のもともとの演技力の高さ、コメディエンヌとしての才能があってのことだと思いますが、とにかく笑えます。
着地ポーズネタなどは絶妙なタイミングで差し込まれてきて、このタイミングで笑いを取りに来るのか!?と驚いてしまうほどです。
両親を演じるレイチェル・ワイズとデヴィッド・ハーバーもキャリア充分なベテランとして緩急自在な演技を披露します。特にキャプテン・アメリカに対して独自のこだわりと対抗心を見せるアレクセイのキャラクターと言動は実に愉快な存在です。
メインの4人がシリアスな演技がしっかりできる面々なので、それを崩してきた時には本当に、なんとも言えないユーモアを感じることができます。
時節柄静かに映画を見なくてはいけないのですが、思わず声が出てしまうような笑いの場面も多数あります。
この辺り、シリアスな作品群で知られるケイト・ショートランドを監督に据える一方で、ノンクレジットながらも『アントマン』や『スパイダーマン:ホームカミング』、『マイティ・ソー/バトルロイヤル』などMCU作品の中でも独特の笑いの要素が多い作品に脚本として関わってきたエリック・ピアソンの存在も大きいのではないかと思います。
いよいよ再始動!! MCUフェーズ4
映画『ブラック・ウィドウ』の公開延期が続く中でDisney+でのドラマ作品が先行してしまった形になったMCUフェーズ4ですが、これからは映画の方も賑やかになりそうです。
アジア系俳優を集めた『シャン・チー/テン・リングスの伝説』、オールスタームービー『エターナルズ』、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が2021年内の公開が予定されています。
また映画『ブラック・ウィドウ』と濃密に絡み合いそうなのが、2021年秋にDisney+で配信予定のドラマシリーズ「ホークアイ」があります。
タイトル通りジェレミ・レナー演じる弓矢の達人ホークアイ=クリント・バートンが主人公のドラマですが、ここにナターシャの妹エレーナ=フローレンス・ピューが出演することが明らかになっています。すでに撮影自体は終わっているとジェレミ・レナーが発信しています。詳しくは言えませんが映画『ブラック・ウィドウ』の中にはホークアイについてブラック・ウィドウが言及するシーンも多数あり、ドラマ「ホークアイ」へのブリッジと思われる部分もありました。ご期待ください。
『ゴジラvsコング』『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』などなどブロックバスター作品がアメリカでも大ヒットを記録し始め、超大作がスクリーンに還ってきました。
日程的には日本では『ブラック・ウィドウ』がまさにその先陣を切る形になるので、どのように盛り上がってくれるのか、楽しみですね。
(文:村松健太郎)
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