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2021年07月15日

<シェフは名探偵>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<シェフは名探偵>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー



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三舟忍(西島秀俊)の父・英雄は生きていたが再会は叶わなかった。落胆する三舟に新たな悲劇が。英雄が手作りした思い出のスツールを、高築智行(濱田岳)が捨ててしまったのだ。事情を知らなかったとはいえ自責の念に駆られた高築は、スツール探しに奔走するが...。そんな折、安倍実花(奥貫薫)から予約の連絡が。フランス料理が食べられない安倍が一体なぜ?『パ・マル』をとりまく人々の“お節介”が、最後の奇跡を巻き起こす!

第9話のレビュー



月曜の夜、寝る前に観るならこんなドラマがいい。

父・英雄が生きていることはわかったものの、会うことを拒否された三舟。そんな中、父からもらったスツールが壊れ、高築が捨ててしまう。何も知らなかったこととは言え、高築の行動に落ち込む三舟。高築は、金子や志村と共にスツール探しに奔走する。

一方、店には英雄の代理として「パ・マル」にやってきた安倍が再び訪れる。乳製品が食べられないという彼女だったが、「フランス料理と和解したい」と言い、三舟にお任せ料理を注文する。
実は、安倍の父親はフランス料理のシェフだった。離れて暮らしており、あまり交流がなかった父と娘。和解できないまま父は亡くなり、安倍はわだかまりを抱えたままだった。安倍の事情を聞いた三舟は、「お父さんはあなたに歩み寄ろうとしていたのでは?」と問いかけ、いつものように解決の糸口を話す。

三舟にわだかまりをほどいてもらった安倍は、英雄を連れてくるように説得することを約束する。それを聞いた高築たちはそれまでに必ずスツールを見つけようと誓い合う。
高築、志村、金子それぞれのコミカルなやりとりはこのドラマの醍醐味のひとつだった。が、最終話はそれぞれのキャラクターがよい具合にかみ合っていたように見える。個人的に、神尾佑さんは強面キャラのイメージだったのだが、今回のポップさにすっかりファンになってしまった。最終話でもいい具合におちゃらけていた。

そして、三舟と英雄の再会。弟子の保証人になって借金を抱え、その清算のために店も手放した。今は農家として野菜を育てている。三舟にとっても大切な場所だった店を手放したことについて、英雄はずっと申し訳なく思っていたのだろう。2人が、言葉を交わすごとに会わなかった時間を埋め、互いに対する理解を深めようと努めているように見えた。
三舟が英雄に食べてほしかったという料理をテーブルに出す。一口ほおばった英雄は「パ・マル」とつぶやく。悪くない、という意味だが、フランスでは「とてもいい」という意味なのだそうだ。昔、三舟が作った料理にも「パ・マル」と言っていた英雄。三舟はその言葉にショックを受けていたが、実はとっくに父親には認められていたのだ。自分はまだまだだ、という三舟に、英雄は「向上心があるからだ」とほめる。再会した2人がこれからどのような交流を深めていくのか。それはきっと、穏やかなものになるに違いない。

食べることは生きることだ。食べたものが、その人の体を作る。「パ・マル」の料理は生きるためだけではなく、少しだけ幸せになれるお手伝いもしているのかもしれない。


※この記事は、「シェフは名探偵」の各話を1つにまとめたものです。

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(文:シネマズ編集部)

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(C)「シェフは名探偵」製作委員会

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