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2021年08月30日

<ボクの殺意が恋をした>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ボクの殺意が恋をした>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー



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柊(中川大志)は美月(新木優子)が葵だと確信し、彼女を殺すことに迷いを感じていた。
美月が「ハリネズミ探偵・ハリー」の実写映画撮影に向けた打合せに参加することになり、柊も同行する。打合せには、流星(鈴木伸之)が立ち会っていた。柊は、流星がまた何か企んでいるのではないかと気が気ではない。

そんな中、詩織(水野美紀)が美月の仕事場を訪れる。詩織は、柊の父の知り合いだと名乗る。詩織に京子(榊原郁恵)のことや家族について尋ねられ、警戒する美月。美月と詩織の間に、緊張感が高まる。

柊は、なぜ突然訪ねてきたのかと詩織を問い詰める。柊は詩織に、美月が実は初恋の人なのだと伝える。心揺れる柊に、詩織は、丈一郎(藤木直人)の死を無駄にしないでほしいと告げる。

映画「ハリネズミ探偵ハリー」クランクインの日。撮影現場で原作者の美月、出演者の流星と七瀬くるみ(谷まりあ)の対談取材が行われる予定が組まれていた。美月は、柊と千景(田中みな実)たちを連れて撮影現場へ向かう。撮影現場は、古い洋館だった。

「俺が……絶対に守ってみせる」と決意する柊。流星は到着した柊たちを見て、不敵に微笑む。「ようこそ、死の館へ――」

現場には、数匹のハリネズミがいた。ハリーは、ぬいぐるみとCG合成を使って実写化する。撮影中に本物のハリネズミを見られるようにしておけば、出演者の演技にもイメージが湧きやすいだろうという流星のアイデアだった。

ハリネズミを見て「かわいい!」と声を上げる美月。そんな彼女を見て、ときめいてしまう柊。撮影が進み、洋館には空き時間ができた流星と見学していた柊たちだけになる。

すると、流星は、ケージを開けてハリネズミを逃がす――。ハリネズミを使った流星の殺人計画とは!?

第4話のレビュー



殺すはずの相手にまたしてもキュンとしてしまったばかりか、「俺が守ってやるよ!」という最上級の胸キュン台詞まで繰り出し命を助けた柊(中川大志)。現在軸での恋愛フラグが立った時点でもう殺しなんて無理だろうに、さらに初恋の相手であったことがほぼ確定した。風邪をひいて寝込む美月(新木優子)に向けて「葵ちゃん…?」と呟いたときの柊の表情がとてつもなくピュアで、1週間越しにハッとさせられる。

そんな中、映画の制作は着々と進行。台本の打ち合わせでは、美月があるキャラクターをラストで死なせることについて「あなたたちの怠慢では」と脚本家を問いただす。話題性が欲しいだけのお涙頂戴、個人的にもあまり好きではないので痛快だった。それに対して、「何でもかんでも殺せばいいってもんじゃない」と助け舟を出す主演の流星(鈴木伸之)。「どの口が言うんだよ!」という柊のツッコミはごもっともだ。

打ち合わせを終えて、なんだかいい感じになっちゃう美月と流星。柊の目に灯っているのは、殺させまいという気合いよりも嫉妬の炎に近そうだ。別れ際の「譲る気はないからな」という2人のやりとりは、もはや1人の女性を巡っての恋愛バトル。とはいえ、やっぱり流星はデス・プリンス。依頼主からの電話に「次こそは必ず!」と悔しそうな表情を浮かべていた。“デス・プリンス生命”ってよく分かんないけど、なんか面白い。

美月の家に戻ると、今度はアポなしで詩織(水野美紀)が訪ねてきた。柊の古くからの知り合いとして、美月に探りを入れる。聞き出したいのは、体調を崩して入院している母親(榊原郁恵)のことのようだ。プライベートは公にしない、といってつっぱねる美月。このことが、今後にどのように関わってくるのだろう…。それにしても、柊の知り合いと聞いてほいほい自宅に招き入れてしまう風岡(中尾明慶)よ。美人漫画家先生の担当編集者として、もう少し危機感を持っていただきたい。これじゃ柊がどれだけがんばったって水泡に帰してしまうではないか。

柊は、美月=葵が本当に丈一郎(藤木直人)を殺したのか疑っていた。真相を確かめたいと申し出る柊に、「これは子どものお遊びじゃない」と一喝する詩織。SOSの調査能力に絶対の自信があるのだろうけど、柊にしてみたら1人の命が懸かっているのだ。それも、何年も忘れられない初恋の人の。慎重になるのも分かる。でもその気持ちを汲み取る余裕もないほど、詩織にとってもまた丈一郎は大切な存在だったのだろう。そう考えると関係性が複雑で切ない。一方の柊だって、「丈ちゃんの死を無駄にしないで」なんて言われたら返す言葉もないだろう。それはそうなんだけど…と、その気持ちを推し量っては苦しくなる。柊の表情にもそれがよく表れていた。あんな立場に置かれたら、一体どうしたらいいんだろう。

そして、回想シーンへ。幼い頃の柊と葵は、お互い辛いことがあったら助け合おうと約束をしていたらしい。十数年の時を経て、今またその約束が果たされようとしているのは何の因果なのか…。

思い悩んでいた柊は、真相を確かめることを決意。思い切って本当のことを話して欲しいと美月に懇願する。「俺が守るから!」と叫ぶ柊。今までポンコツとか思っててごめん…めちゃくちゃ男前じゃん…。しかし、それでも口を割らない美月。よほどの事情があるんだろうな。話さないことこそ、美月にできる柊を守る方法なのかもしれない。なにこれ、急にものすごい運命の悲恋。ますます真相が知りたくなってくる。



一行は撮影現場、もといデス・プリンスが待つ“死の館”へ。美月、流星らの座談会で、「今までの恋愛観なんてすべて吹き飛ばしてしまうくらいのものが恋なんじゃないですか」と、予想を超えて情熱的な受け答えをする美月。その言葉で何かのスイッチが入っちゃう流星。これは落ちましたね、恋に。さらに、美月の差し入れのチョコを巡っての柊と流星の攻防、そして美月による不意打ちの“あ~ん”で、流星は陥落…したかに見えたが、そこはプロとしてしっかり切り替える。

リネズミを探して、地下室に閉じ込められちゃう柊と美月。ダンシングトゥナイト…ナイトって、騎士? 毒針を出したかと思ったら遠隔で急に動き出すし、手が込んでるのか杜撰なのか、いずれにしろ相変わらず独特な計画だ(この場面、なかなかないやり方をしてくるので、見逃した方もぜひ映像を見てみてほしい)。追い詰められた柊を助けようとして、結局美月が毒針の餌食になってしまう。

柊の見立てでは、仕込まれていた毒はトリカブト。その場では処置ができないと判断し、道中見つけた診療所へと急ぐ。抗不整脈薬でなんとか助けようとするも、すでに虫の息の美月はそれを口に含むこともできない。すると、躊躇うことなく薬を口移しする。大事な人を何としても守ろうとする、その必死な表情(かっこいい)、そして快方に向かったのを認めたときの安堵の表情(守りたい)。こんなものを見せられたら、そりゃ話さざるを得ない。やっと美月が、自分は葵であり、“鳴宮美月”に頼まれて美月のフリをしていることを教えてくれた。

それにしても、これまで器用にポンコツを演じていた中川大志が要所要所でキメて、どんどん男前の濃度が高まってきた。もちろんもともとかっこいいんだけど、前半とのギャップがえぐい。ぐっとファン層を拡大しちゃうんだろうな。美月改め葵の母にじりじりと近づく詩織、陰で柊と美月のことを嗅ぎまわる千景(田中みな実)の動向とともに、そのあたりにも注目だ。


※この記事は「ボクの殺意が恋をした」の各話を1つにまとめたものです。

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