<ボクの殺意が恋をした>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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柊(中川大志)は、美月(新木優子)を殺すつもりが、彼女を救ってしまった。
美月は、自分の命が誰かに狙われていると気付いていた。
「あなたが私を守って」
柊は、油断させて殺すため美月の頼みを引き受ける。しかし、周囲の人間にバレないように、表向きには美月の秘書兼雑用係になる。その結果、柊は、こき使われるハメに…。隙を突いて美月を殺そうと企む柊だったが、思うようにいかない。詩織(水野美紀)は柊に、殺しをあきらめた方がいいと告げる。
そんな中、流星(鈴木伸之)が『ハリネズミ探偵 ハリー』の実写化映画に出演したいと美月に直談判する。流星がデス・プリンスと同一人物と知り、驚く柊。彼は、流星が美月を殺すのではないかと警戒する。対面し、にらみ合う柊と流星。
「お前が殺す前に、俺が殺す」
「面白い。どちらが先に彼女を殺せるかな?」
2人は、美月をめぐって対決することに。
柊は、美月を殺そうと罠を張るものの、なかなかうまくいかない。
掃除するふりをして美月の部屋を探っていた柊は、ゴミ箱から書きかけの原稿を見つける。
美月は『ハリネズミ探偵 ハリー』ではない新作を描こうとしていた。柊は、周囲に隠している美月の思いを知るのだった。
美月は、新作の構想を柊に語る。それは、幼なじみ同士のラブストーリーだった。柊は美月に、初恋相手の葵と一緒に花火大会に行くと約束したのに行けなかった幼い日の思い出を話す。すると美月は、花火大会のシチュエーションを描くので花火大会に行きたいと言い出す。
美月と2人きりで花火大会。柊は、彼女を殺す最大のチャンスだと気合を入れる。一方、流星は盗聴器を通じて、美月が柊と花火大会に行くことを嗅ぎつける。
花火大会に向かう殺し屋スーツを着た柊と浴衣姿の美月。まるでデートのような2人を流星が手ぐすねを引いて待っていた――。
美月をめぐる柊と流星の“デス・レース”の行方は!?
第2話のレビュー
前回、3度にわたって美月(新木優子)を救った柊(中川大志)は、完全に雇われのボディーガードに…というより、雑用係に成り下がっていた。これってもはや、間が悪いとかそういう問題じゃないのでは、という気持ちが過る。
美月に盗聴器を仕掛け、家での様子を探るデス・プリンス(鈴木伸之)。たしかに敵情視察はめちゃくちゃ大事。ちゃんとできるんじゃん! なんて思ったのも束の間、人混みで堂々と盗聴している。この人、人気モデルではなかったか…? それとも、デス・プリンスになってる時には、一般大衆には見えないのかな。その方が悪役っぽくていいかも。
前回の粉塵爆発でもそうだったが、デス・プリンスは計画を立てることを怠らない。
柊と美月が取材のために花火大会に行くことを掴むと、渋滞にはまって動けなくなっている2人の前にバイクで颯爽と現れ、美月を会場まで連れて行くと申し出る。
さてはこの人、人混みが好きなのね? と勘繰ったのも束の間、結局花火大会には間に合わず。ただ、これは想定内のようだった。片づけを始める出店の人に声をかけ余っているヨーヨーをもらうと、こっそり入れ替えて美月に手渡す。持ち手に毒でもついているのだろうか? この段階では仕掛けが全く見えない。こういうところがいちいち細かいんだよな。さすが芸術的な殺し方にこだわっているだけある。
すると、そこへようやく柊が到着。1人きりの美月を見、これは自らが殺すチャンスなのではと思うも、ヨーヨーに気が付く。そして、デス・プリンスが一体どんな仕掛けをしたのか考えを巡らせる。…と、なぜか遠くで導火線に火をつけようとするデス・プリンス。別にヨーヨーとつながっているわけでもないし、そんな遠くから何ができるというのか。しかし、次の瞬間、ありえないくらい大きな爆弾が映し出される。いったいどこから持ってきたのか。爆弾と美月の間にはかなり距離がありそうだが、そんなに大きな規模の爆発を起こしたら被害は甚大。一体、目論見は…?
柊はヨーヨーの中に強い光に反応して爆発を起こす気体が入っていることに気付く。そんなものがあるとは知らなかった。急いでヨーヨーを放る柊。間一髪、ヨーヨーは空中で爆発する。デス・プリンスが仕掛けていたのは、爆弾ではなく大量の花火だった。なるほど、これならたとえ見つかっても怪しまれないかもしれない(いやでも回収されてしまうのでは、というリスクはこの際脇へ置いておく)。
2話の終盤、ここからが見所。
勝手に柊のもとを離れ、危険な目に遭った美月に対して、柊は「俺から離れるな」など告白ともとれるような甘いセリフを大量に投げかける。これは、美月が新しく描こうとしている新作のマンガに登場し、柊が一蹴した言葉と偶然にも一致していた。なんとなく、良い雰囲気になっちゃってる2人。背後には、デス・プリンスの仕掛けた花火が夜空を明るく照らしていて…。
これは殺し屋のドラマではあるが、あくまでも結ばれちゃいけない2人の禁断のラブコメなのだ。こんなにナチュラルに中川大志が胸きゅんセリフを連発するとは思っていなかった。
でもそこのみに依存するのではなく、しっかりと続きが気になる伏線も用意されている。
まずは、美月と葵は同一人物なのか? という点。2話の最後で美月は“お母さん”(榊原郁恵)の病室を訪れ、その女性から「葵」と呼ばれてはいた。その時の美月は、どこか複雑な表情をしているように見えた。果たして2人は本当の親子なのだろうか?
何やらずっと怪しい動きをしている千景(田中みな実)も謎のまま。美月が検索したらしい丈一郎(藤木直人)死亡のニュースを眺めていたのは一体なぜなのか?
そもそも、丈一郎は本当に死んでしまったのかも怪しい気がしてきた。そうなってくると、詩織(水野美紀)もなんだかいろいろ疑わしい。考えすぎだろうか。
これから柊は、芽生え始めた恋心、そして彼女こそ初恋の人なのでは? という思いと、大事な人を奪われたことに起因する殺意との間で揺れ動くのだろう。糖度は高いがちょっとこじれたラブコメに、そんな心理描写が加わった構造は、気楽に見られるがしっかりと奥行きがある。どんどん味わい深くなっていきそうだ。
※この記事は「ボクの殺意が恋をした」の各話を1つにまとめたものです。
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