「ナイト・ドクター」第9話レビュー:堂々と生きるための選択と決断(※ストーリーネタバレあり)
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波瑠主演のフジテレビの連続ドラマ「ナイト・ドクター」が、2021年6月21日(月)より放送開始した。
“昼夜完全交代制”を試験的に導入した病院を舞台に、夜間救急専門の医師チーム「ナイト・ドクター」の奮闘を描く本作。“月9”ドラマ初出演となる波瑠が強い信念を持つ主人公・朝倉美月を演じる。
本記事では、その第9話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。
「ナイト・ドクター」第9話レビュー
楽しいキャンプデート後、容体が急変してしまった心美。いったん看病に専念するため、心美の兄である深澤はナイトドクターを休職する選択をした。医者である自分よりも、妹の身体を思ってのことだったが……当の心美は快く思っていない様子だ。深澤には医者としての仕事を全うしてほしいと考えている心美。妹である自分のことを最優先にするよりも、医者として多くの人の命と向き合ってほしいと願う彼女の考えは立派だ。
そんな矢先、万が一のことがあったらドナーになりたい旨を深澤に相談する心美。「冗談じゃない!」と聞く耳を持たない深澤は、心美の考えが理解できないと悩む。
しっかり治療をすれば、また元気になって高校にも通えるようになる。万が一のことなんて考えず、もっと前向きになってほしいと主張する深澤。対して、心美は「堂々と生きるためにドナーになりたい」と考えていた。
物心ついた頃から病気がちで、人の手を借りながらじゃないと生きてこられなかった彼女。自信が持てず、自分のことも好きになれない人生。しかし、それならもう命を閉じてしまおうと後ろ向きに考えているわけではなく、あくまでも自分のために、堂々と生きるためにドナーになりたいと心美は考えているのだ。
当初は理解できなかった深澤だが、しっかり心美と向き合って話をしたことで、ようやく歩み寄ることができたようだ。個人的には、頭ごなしに否定する前に、まずは妹の話を最後まで聞いてやってほしい……と思ってしまった。しかし、結果オーライだ。
深澤が、心美の話をしっかり聞こうと思えたのには、共に働くナイトドクター達の働きかけがあった。
ドナーからの臓器提供を受けている桜庭にとって、今回の深澤兄妹の話は決して他人事では済まされなかっただろう。「臓器提供を求めている人なんてどうでもいい」「心美が死ぬのを待ってる人たちがいると思うとゾッとする」とまで言った深澤に対し、桜庭は自身の思いを訴えた。レシピエントである事実はこれまで隠していたのに、必死の思いで打ち明けた背景には、どれほど葛藤があっただろう。
お互いの思いをぶつけ合うあまりに衝突してしまった深澤と桜庭。しかし、桜庭が「ちゃんと心美ちゃんの話も聞いてやれ」と促したことにより、兄妹は和解できた。このドラマを見ていると、人の話を最後まで聞くだけで解決できることはたくさんあるな……とつくづく思い知らされる。
どれだけ理解が難しそうな話であっても、せめて最後まで聞く努力は惜しまずにいようと、あらためて思えるようになった。大切な人を傷つけないためにも。
「ナイト・ドクター」第9話ストーリー
朝倉美月(波瑠)は、深澤新(岸優太)と彼の妹で病院の外出許可を得た心美(原菜乃華)、岡本勇馬(宮世琉弥)とキャンプを楽しんだ。しかし、病院に戻った心美の容態が急変。緊急手術で安定はしたが、間もなく退院も望めそうな時に起きた心美の異変に深澤は衝撃を受ける。
数日後、美月が高岡幸保(岡崎紗絵)、桜庭瞬(北村匠海)たちと心美の心配をしていると、本郷亨(沢村一樹)が深澤の休職を告げる。深澤は心美の面倒をみなければいけないので仕方がないと言う成瀬暁人(田中圭)に幸保と桜庭は賛同。美月は深澤の看病疲れを心配し、仲間たちに心美の見舞いに行くことを提案する。
次の日、美月たちが心美の見舞い行くと何やら深澤と揉めている。心美が臓器提供ドナーの登録がしたいと深澤に同意を頼んで揉めていたのだ。深澤は心美のドナー登録に大反対。さらに揉める兄妹だが、成瀬は二人が話し合って決める事だと美月たちと病室を出る。目の前で繰り広げられたドナー提供問題に美月と桜庭の心境は複雑だ。
そんな夜、病院近くで総合格闘技の試合があり、負傷した選手たちが次々に運び込まれるため美月たちは大忙し。美月と幸保がようやく休憩していると深澤が来た。そして、深澤は美月に心美を説得して欲しいと頼む。だが、美月は母親がドナーだったことを話して断った。仕事に戻った美月たちと入れ替わりに桜庭が来る。桜庭にも心美のことを話す深澤。心美の死を待っている人がいると思うとゾッとすると言う深澤に、桜庭は思わずつかみかかってしまった。
(文:北村有)
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