<SUPER RICH>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
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江口のりこが主演、赤楚衛二が共演する「SUPER RICH」が2021年10月14日より放送スタート。
お金はあっても愛に飢えた孤独な女社長と、愛はあってもお金がない貧乏専門学生。真逆の2人が出会い、会社に襲いかかる困難を次々と乗り越えて前へ進んでいく姿に元気づけられること間違いなし!
毎分、毎秒でめまぐるしく変化していく登場人物たちの心情と、原作のない完全オリジナルドラマだからこその予測不能かつスリリングなストーリー展開をお見逃しなく!
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
・第1話ストーリー&レビュー・第2話ストーリー&レビュー
・第3話ストーリー&レビュー
・第4話ストーリー&レビュー
・第5話ストーリー&レビュー
・第6話ストーリー&レビュー
・第7話ストーリー&レビュー
・第8話ストーリー&レビュー
・第9話ストーリー&レビュー
・第10話ストーリー&レビュー
・第11話ストーリー&レビュー
・「SUPER RICH」作品情報
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
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裕福な家庭に生まれた氷河衛(江口のりこ)は幼い頃に両親を亡くした。しかし、潤沢な遺産もあったため、大学時代に知り合った一ノ瀬亮(戸次重幸)と電子書籍販売をメインとするベンチャー企業『スリースターブックス』を立ち上げて成功し、女性起業家に贈られる“プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”の大賞を受賞するまでになっていた。
そんなある日、衛は亮からアプリ会社へ出資する提案を持ちかけられる。早速会議にかけるが、亮のやり方に懐疑的な今吉零子(中村ゆり)、宮村空(町田啓太)たち社員の反応は鈍い。
その日は『スリースターブックス』のインターン採用試験日。田中リリカ(志田未来)、豪徳尊(板垣瑞生)たち学生が、それぞれの思いで試験場に集まっている。その頃、春野優(赤楚衛二)も試験を受けるために向かっていたが…。
仕事を終えた衛は、大手IT企業『MEDIA』取締役の島谷聡美(松嶋菜々子)と食事。かつて新卒で『MEDIA』に入社した衛にとって、聡美は仕事を教え、育ててくれた憧れの先輩だ。今も衛を気にかける聡美は『スリースターブックス』の現状を尋ねる。なんとかやっていると答える衛に、聡美は経営者の決断は情に流されてはいけないと釘を刺し…。
第1話レビュー
裕福な家庭に生まれ、生涯お金に困ったことがない、ベンチャー企業の社長・氷河衛(江口のりこ)と、無邪気な”子犬系”貧乏学生・春野優(赤楚衛二)。幼い頃に両親を飛行機事故で亡くし、愛に飢えながらも、電子書籍を取り扱う会社「スリースターブックス」をさらに成長させようと、野心をメラメラ燃やす社長(江口のりこ)が主人公……って、これだけで期待度がうなぎのぼりである。フジテレビ、ナイスキャスティングをありがとう。
江口のりこといえば、”女性版・孤独のグルメ”と私的に推していたドラマ「ソロ活女子のススメ」(2021)で、粛々とおひとりさまライフを満喫する主人公を演じていたのも記憶に新しい。彼女は映画・ドラマ・舞台と垣根を越えて活躍する名バイプレイヤーといった印象だが、今作でフジテレビ連続ドラマ初主演となる。
それに加え、火曜ドラマ「彼女はキレイだった」でキーマンとしての存在感をアピールした赤楚衛二が出演。個人的には、映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』で演じていた天邪鬼の役が衝撃だった。役柄によって声色までも使い分ける、期待性抜群の若手役者である。こちらも波に乗ったキャスティングであり、観ない理由がない。
氷河が唯一心を許した大学時代の友人・一ノ瀬亮(戸次重幸)とともに起業した会社に、インターンとして応募してきた春野。この「SUPER RICH」というドラマは、氷河と春野の出会いによって、会社の命運や氷河自身の人生が変わっていく物語である。そう、まさに、春が来たら氷が溶けていくように……。
これまでお金に困ったことがない氷河とは対照的に、春野は生まれながらにして貧乏だった。「スリースターブックス」のインターン採用試験のため、スーツや鞄を買うための5万円を母親から借金。毎月の支払いにもあくせくする実家のことを思い、翌月のバイト代が入ったら即座に返してみせる律儀な息子である。
試験会場へ向かうバスを待っている間、ちょうど春野の目の前に立っていた妊婦さんが産気づいてしまい、病院へ付き添っていたら試験へ遅刻してしまった。たまたま遭遇した氷河に事情を話し、なんとか試験を受けさせてもらえるよう頼む春野。
「なんでタクシーに乗らなかったのか?」と問う氷河に対し「お金が足りなかった、(お金で人生を左右されるなんて)この世はずっと自分にとってフェアじゃない」と主張する春野。しかし、氷河は請け合わない。
「時間は平等にあったんじゃないの?」
「自分の時間をもっと使って、お金を稼げばよかったんじゃないの?」
この氷河の言葉に、筆者はウッと唸らされてしまった。彼女の言うことももっともである。むしろ、お金がないからこそ暇が生まれる構図だって、この世にはあるだろうから。
しかし、そんな氷河に災難が降りかかる。
一ノ瀬が投資していた会社に、反社会的勢力との繋がりがあると判明。続けて、一ノ瀬が会社の全財産を奪って逃げてしまった可能性が浮上した。
完全に行方をくらませた一ノ瀬。数々の取引先から手を切られ、融資してくれる銀行も見つからない。最も恩義のある取引先「MEDIA」の社長・島谷(松嶋菜々子)からも「一ノ瀬を首にしない限り、取引は中止する」と言われてしまう始末。
突如訪れた絶望的な展開に、やぶれかぶれになる氷河。優秀な女性CEOに贈られる「プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー」賞の授賞式において、すっぴんの部屋着姿で登場し、「投資でも融資でもなんでもいいんで、お金、貸してください!」と土下座するシーンは圧巻だった。お金の有無は、人をこうも変えてしまうのだ……。
こんな状態になっても、逃げてしまった亮を切らずに、自身でなんとかしようとするのだから、氷河はすごい。そんな社長を支えようとする社員の姿も、見ていて胸に迫るものがあった。お金がなくなったとしても氷河の周りから逃げていかない、貴重で大切な仲間たちだ。
その後、一ノ瀬の手がかりが掴めそうな反社会的勢力と思しき「石高興業」の入ったビルで、氷河と春野が遭遇。たまたま一ノ瀬の噂を耳にした春野は、力になりたい一心でひとり突撃したのだという。
自分以外にも一ノ瀬のために動いてくれた人間がいると知り、「なんなんや君は」と満更でもない氷河。その後、ふたり合わせて全財産500円という状況で、屋台のラーメンを食べに行くことに。
「36歳にもなってお金のことで悩むなんて、恥ずかしい」と心情を吐露する氷河に対し、「それは違う」と意見する春野のシーンが良かった。
「氷河さんは、お金持ちの家に生まれたから、36年もお金のことで悩まずに済んだんです」
「お金は可能性なんです」
生まれながらにして裕福に育ってきた氷河と、生まれながらにして貧乏な春野。このドラマは、ある意味「お金」に縛られ、振り回されてきたふたりが、「どうやってお金を稼ぐのか」そして「それを何に使うのか」を模索していく物語なのだ。
手元にお金がありすぎたことで、人のあたたかさを知る機会がなかった氷河。
手元にお金がなかったおかげで(?)、人の愛に触れながら生きてきた春野。
”春”のあたたかさによって、”氷”はどのように溶けるのかーー次回以降の展開も楽しみである。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
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