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2021年12月06日

「日本沈没ー希望のひとー 」第8話レビュー:「やっぱり希望が必要だな」天海たちが繋いだ日本の未来は?(※ストーリーネタバレあり)

「日本沈没ー希望のひとー 」第8話レビュー:「やっぱり希望が必要だな」天海たちが繋いだ日本の未来は?(※ストーリーネタバレあり)



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小栗旬が主演を務めるTBS系日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」が2021年10月10日(日)スタート。

1973年の刊行以来、何度も映像化されてきた不朽の名作「日本沈没」(小松左京)を大きくアレンジした本作。2023年の東京を舞台に、日本沈没という前代未聞の危機の中で希望を見出す人々を描き出していく。大義のために手段を選ばない野心家の官僚・天海啓示を演じる小栗旬をはじめ、松山ケンイチ、杏、ウエンツ瑛士、中村アン、与田祐希(乃木坂46)、國村隼、仲村トオル、香川照之ら豪華キャストが集結した。

本記事では、第8話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。


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「日本沈没ー希望のひとー 」第8話レビュー



極秘で進められていたアメリカと中国への移民交渉が、東山総理(仲村トオル)のミスで失敗に終わった。日本沈没の情報が全世界に知れ渡ると状況は一変。中国を裏切った代償は大きく、日本は信頼を失って円は大暴落、世界との移民交渉も頓挫してしまう。

自暴自棄になって居酒屋で暴れる者や、COMS事業を推し進めた東山総理を批判する街宣車も現れた。関東沈没を乗り越え、復興に向けて歩み始めた国民の夢や希望が一瞬にして打ち砕かれたのだ。無理もない。

1億2千万人の移民先は見つかるのか。見つかったとして、無一文で見知らぬ土地に放り出された国民の生活は保障されるのか…。

日本が未曾有の危機に直面した時、天海(小栗旬)が「やっぱり希望が必要だな」と呟く。「日本沈没」第8話は、いよいよ本作のテーマである“希望”に深く切り込む回となった。



再び中国政府との交渉に乗り出した日本政府だったが、常盤医療を含む大企業5社を譲り渡すという厳しい条件を突きつけられる。しかし、常盤(松山ケンイチ)の父・統一郎(小野武彦)はこれを拒否。大切な社員を少しでも良い環境で働かせたいという会長としての責任から、独自にカナダとの移民交渉を進めていた。

そんな中、天海は行きつけの居酒屋で愛(与田祐希)が呟いた「この街ごとみんなでどっかの国に移動できたらいいのに」という言葉からヒントを得る。天海が統一郎と里城副総理(石橋蓮司)に提案したのは、関東沈没後に考えていたグリーンシティ構想の応用。企業5社の移転場所に日本人移民を振り分けて、各地にジャパンタウンをつくる計画だ。



「そして、いずれ世界中のジャパンタウン同士がネットに繋がる。日本の国土が失われても、日本人は世界のあらゆる土地で未来を作っていく。国土を失う日本人にとって、“希望”となるんじゃないでしょうか」

日本・中国両国にメリットがある現実的な施策でありながら、新たな未来に高揚感すら抱くような天海の提案に度肝を抜かれる。一縷の望みをかけ、天海と里城は中国に渡って楊元国家主席と交渉。40年前に日本企業団を中国へ連れてきた里城に恩義を返したいと、楊元国家主席は現主席に天海たちの思いを伝えると約束してくれた。



無事に中国からジャパンタウン構想受け入れの連絡が入り、固く抱き合う東山と里城。

「残したいものはたったひとつだけ
似た者同士だねって笑う、そんな景色だ」

主題歌「ラストシーン」(菅田将暉)のワンフレーズが、ずっと対立していた二人の抱擁を言い表しているようだった。移民を躊躇する人たちに椎名(杏)が用意した海外からのメッセージも胸を打つ。国土をたとえ失っても、全てが無駄になるわけではない。やっと見出すことができた希望は奇跡なんかじゃなく、何十年何百年と人々が紡いできた道のりの先に必然と現れた結果だ。

次回、ついに「日本沈没ー希望のひとー」が最終回を迎える。

「日本沈没ー希望のひとー 」第8話ストーリー



アメリカの会見を受けて、中国は日本政府との移民交渉を完全に遮断。そして、世界各国も中国の動きに同調し、もはや世界との移民交渉の窓口は閉じられた。
また、日本沈没という情報が全世界に知れ渡り、日本国内でも政府や東山総理(仲村トオル)に対しての怒りやデモは日増しに高まっていた。

そんな中、中国に再度交渉しに行った日本政府は、到底不可能な条件を突きつけられる。
天海(小栗旬)と常盤(松山ケンイチ)は、何とか移民交渉を進めるために中心となって動くが、なかなかうまくいかない。

八方塞がりの中、田所博士(香川照之)からは日本沈没はいつ起きてもおかしくないという話を聞かされる。

追い込まれた天海は、唯一の打開策を思いつく─
それは、中国に対しての一か八かの危険な賭け。里城副総理(石橋蓮司)の協力も得て、その賭けに出る天海だったが…。
そして、衝撃的な出来事が待ち受けていた…


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(文:苫とり子)


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