<最終回>「サムライカアサン」第10話レビュー:旅立つたけし!ありったけの愛情で見送るオカンに涙(※ネタバレあり)
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城島茂主演の「サムライカアサン」が、2021年10月11日(月)放送スタートした。
板羽皆原作の同名コミックをドラマ化。
反抗期の高校生息子にウザがられながらも、その大きすぎる愛でみんなを巻き込み大暴走する大阪のオカン・よい子を城島茂が演じる。共演は大西風雅(Lil かんさい/関西ジャニーズJr.)、井頭愛海、有野晋哉ら。回を追うごとにパワーアップしていくオカンと愛らしい登場人物たちが送る、全力愛情コメディ。
本記事では、その第10話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。
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「サムライカアサン」第10話レビュー
「サムライカアサン」最終回。覚悟はしていたが、途中から涙が止まらなくなってしまった。高校を卒業して一人暮らしを始めるたけし(大西風雅)。引っ越し準備を進める息子のそばでよい子(城島茂)は相変わらずテンション高め。「UB(ユニットバス)」を「ウルトラボイン」と言ってみたり、たけしの部屋でエロ本を見つけたりとなんやかんやせわしない。しかし、エロ本を前に「ほんまにあんたUB好きやなあ」(よい子)と「そうそう、俺はウルトラボインが好きやからな…ってウルトラボインをUBっていうな!」(たけし)と言い合えるこの親子。健全というか何なのか。
そんな中、たけしはいつもと違う様子を見せ始める。よい子のごはんを「全部うまい」と絶賛し、「子守唄、歌ったろか」の申し出にも「うん、歌って」とうなずく。「熱でもあるんか」とよい子は心配するが、たけしの気持ちはよくわかった。明日からオカンのいない生活が始まる。その寂しさを実感しつつあるのだろう。
たけしのために自作の子守唄を歌うよい子。「ほんまに大きくなって…」と息子の寝顔を見つめる顔が本当に優しく、このあたりでもう筆者はうるっとしかけてきた。「はよ寝よ」とたけしのベッドに入るよい子に「そこに寝るんかい!」とツッコミはしたけれど。
翌日はついにたけしが引っ越す日。トラックを送り出すとついに家族の別れのときがやってきた。
別れを嫌がってたけしのリュックを持ったまま逃げ出そうとするよい子だったが、夫・ジョージ(有野晋哉)に連れ戻される。観念したよい子はたけしにリュックを渡し、別れの挨拶をして「少ないけど」とお小遣いを持たせた。なんて素敵な母親だろう。
「挨拶は短く。幸せは長く」という誰かが言っていた言葉にならい、あっさりとした言葉だけで送りだそうとしたよい子。しかし、彼女がそんなことできるわけなかった。旅立つ息子の背中に向けて、彼女はありったけの愛情を叫び続けた。
「ちゃんとごはん食べるんやで」
「簡単に夢をあきらめるようなことしたら許さへんで」
「でも疲れたときはいつでも休みに帰っておいでな。お母ちゃんはずっとあんたの味方やで」
「大好きやで」
たけしにかける言葉のどれもが深く温かくしみてくる。これでいい。これぞよい子だ。 お互い涙しながら別れるよい子とたけしを見て、筆者も号泣してしまった。
だが、その後二人の再会のときはわりと早くやってきた。
アパートで荷解きを始めるたけし。そこへ大きな段ボールが届く。重たい箱を部屋に運び込むと、なんとよい子が箱から出てきた。たけしにお弁当を届けがてらジョージともどもこの悪ふざけ。少し前の悲しい別れはなんとやら……だが、この調子のよさ、パワフルさもまたなんとも彼女らしい。
よい子が作ったお弁当には「ガンバレ」の文字。しかし、ふたに付いていた海苔を足すとそれは「ガンバル」の文字になった。「俺へのエールちゃうんかい」と突っ込むたけしだったが、ボケて突っ込んでのこの親子の縁はちょっと離れたぐらいで変わることはなさそうだ。
パワフルな大阪オカンを城島茂が演じるキャスティングが見事にハマったこの「サムライカアサン」。2021年楽しいドラマが目白押しだった「シンドラ」枠でいっとう“ハートフル”な作品だったと思う。お調子者でお節介なよい子の活躍が楽しいのはもちろんのこと、愛情深く賢い母親でもある彼女の言葉に何度も心を打たれた。強く優しいこのオカンからどれだけのパワーをもらったかわからない。
「18年、面白かった?」と問いかけるよい子に「うん、めっちゃ」と答えるたけしを見ながら、「こちらもめっちゃ面白かった」と筆者も思わずうなずいた。オカンと息子のはかりしれない愛情と絆の物語は、本当に楽しかった。またいつかどこかでよい子とたけしに会えたらいいなと願っている。
「サムライカアサン」第10話ストーリー
『18年。』
いよいよたけし(大西風雅)が一人暮らしのため家を出る日が近づいてきた。よい子(城島茂)はアパート探しにつき合えば号泣、引越準備を手伝ってエロ本に大騒ぎ、最後の夜には子守唄まで歌ってカウントダウン…。
そして迎えた旅立ちの日、ジョージ(有野晋哉)とともに息子を見送るよい子は、遠ざかるたけしの背中に愛の言葉をかけ続ける…!笑いとホロリ、超いっぱいの最終回!
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(文:田下愛)
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