『サンダーバード55/GOGO』とスーパーマリオネーションの素敵な世界!


当時の技術で作りあげた
『サンダーバード55/GOGO』



このように「サンダーバード」人気は初放送から55年の時を経ても熱狂的なファンによって盛り上がるのみ。

日本でもかつてフジテレビ系列の1990年代伝説のマニアックTVクイズ番組「カルトQ」でサンダーバード・マニアが集まって激戦を繰り広げたことも、記憶に鮮明に残っています。

「とんねるずのみなさんのおかげです」や「~おかげでした」でも、時々パロディをやってましたね。

さて、今回の『サンダーバード55』はそんなサンダーバード・マニアな人々が、何と当時のスタイルのまま新作を作ってしまった(しかも当時のスタッフまで動員して!)正真正銘のスーパーマリネーション作品です。

ストーリーは当時発売されていたレコード・ドラマを基に、3話のエピソードをクラウドファンディングで制作。

これを日本では、やはり大のサンダーバード・ファンを自認する樋口真嗣が1本の映画として構成。

具体的には、本作がどうやって生まれたのかを解説していくイントロダクションや、各話間ではウンチクの披露(中には「謎の円盤UFO」にもオマージュを捧げるべく、矢島正明を起用してオープニング紹介!)、そしてカーテンコールは日本語版「サンダーバードマーチ」を流すという粋な計らい!

また今回は半世紀以上ぶりの新作ということで、声優もリフレッシュされていますが、その中で特筆すべきは、オリジナル版での吹替は黒柳徹子だったペネロープの声を、かつて彼女の半生をつづった2016年のテレビドラマ「トットてれび」で黒柳を演じた満島ひかりが演じていることでしょう。

初代・黒柳から受け継いでの満島ペネロープの声は何ら違和感もなく、初々しくよみがえった感慨すらあります。

彼女と執事パーカーを演じる井上和彦とのユニークなやりとりからは、実に自然な主従関係が醸し出されている!

そう、特に今回の3つのエピソードの第1話「サンダーバード登場」は、ペネロープたちがトレーシーアイランドを訪れて国際救助隊の存在を知り、協力に応じるという、これまで「サンダーバード」を見たことのない方でも入門編として実に入り込みやすいものになっているのでした。

また本作の後には、コロナ禍でロックダウン中のイギリスで製作された最新スーパーマリオネーション作品『ネビュラ75特別版』が併映されています。

CG流行りの昨今ではありますが、こうしたアナログ特撮の伝統も受け継がれていっていただきたいものです。
 

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