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伊東蒼のアンニュイな魅力:『さがす』から紐解く女優人生の変遷


(C)2022「さがす」製作委員会

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2022年、記念すべき1作目にどの映画を観るかどうかは、非常に悩ましい問題だ。

だが、こんな悩みはとある作品を鑑賞したら瞬時に過ぎ去った。なにも言わないから、とりあえず1月21日(金)公開『さがす』を観に行ってほしい。(※なにも言わないからと言いつつ、今からめっちゃ語ります)

なぜここまで断言できるのか?ーー答えは明白。
『さがす』メインキャストのひとり、伊東蒼を見てほしいから。一度見たら忘れられない唯一無二の存在感に、誰もが彼女の虜になるはず。

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本当に16歳?大人顔負けのミステリアスさに驚愕


(C)2021「空白」製作委員会

伊東蒼は2021年、映画『空白』やドラマ「おかえりモネ」「それでも愛を誓いますか?」など数々の話題作に出演。

どこか陰のある大人びた雰囲気が印象的な彼女だが、なんとまだ16歳。実は6歳の頃から子役として活動しており、2017年には『島々清しゃ』で映画初主演も務めている紛れもない実力者だ。

まずは、ストーリーも秀逸な『さがす』の全体像から、伊東蒼の魅力を深掘っていこう。

誰もが「さがす」ことを後悔する、『さがす』


(C)2022「さがす」製作委員会

異才・片山慎三が監督と脚本を務める『さがす』。本作品は彼にとって商業映画デビュー作となる。

過去作である自主制作長編映画『岬の兄妹』はあまりにも衝撃的すぎてなにも言葉が出てこなかったし、短編映画『そこにいた男』は実際にあった事件にインスパイアされていたり、『さがす』はご自身の体験から膨らんでいったストーリーだったりと、“生々しさの残るヒューマンサイコミステリー”を描かせたら右に出るものはいない。

ピアノ曲「愛の夢」とともに映し出される原田智(佐藤二朗)の奇行を出だしから見せつけられ、正直わけが分からなかった。優雅な音楽と比例するような如何わしさに違和感を覚えたまでだ。無論、観終わったときにはすべてを悟ってしまうのだが。


(C)2022「さがす」製作委員会

大阪・西成で平凡に暮らす原田楓(伊東蒼)とその父・原田智(佐藤二朗)。
「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と意気揚々と話していた翌日、智は煙のように姿を消す。
中学生ながら、自分なりに必死に父を探す楓。ひとつの手がかりからたどり着いたとある日雇い現場。だが、そこにいたのは智ではなく、まったく知らない若い男だった。
途方に暮れながら町中を彷徨う中、目に入った「連続殺人犯」の指名手配チラシ。記載されていた名前は山内照巳(清水尋也)。そこには、日雇い現場で見た、父の名前を名乗る若い男の顔写真があったーー。

ストーリーはおおよそ”楓視点”、”山内視点”、”智視点”、3つの視点から構成されている。
”楓視点”で残される膨大なわだかまり、”山内視点”で紐解かれていく闇、”智視点”で明らかになる残酷な真実……進むにつれて巧妙かつ鮮明に回収されていく伏線は、もはや快感。



ラスト、定点カメラで映し出される3分間にわたる智と楓の卓球のラリーのシーンは、劇中で描かれていたどんな残虐なシーンをも越える、静寂な地獄絵図だった。

ーー「うちの勝ちやな。」
こんな勝負、冗談であってもできることなら見たくなかった。すべては”さがして”しまったせいだ。

『さがす』の伊東蒼:バランスの取れた怪物級の表現力


(C)2022「さがす」製作委員会

楓を通じて、中学生らしからぬ落ち着きを放ちながらも父がいなくなったことに対する不安とそこから生まれる孤独を絶妙な塩梅で表現。

特に、必死に父を探す中で届いた「探さないでください、父は元気で暮らしています」という当人からのメールに対し、ぶつけようのない悲しさと悔しさが爆発するシーンは圧巻。
一歩間違えればうさんくさくなってしまいかねない芝居だが、伊東蒼が持つバランスの取れた怪物級の表現力によりリアリティしか感じられない。

また、映画の舞台が大阪ということで、大阪出身である伊東蒼の流暢な関西弁も楓という役柄にバチッとハマっていた。どんなに芝居が上手くても微妙な方言で喋られるとどうしても気になってしまうのが人の性なので。

オーディションでは即決、共演者からは大絶賛の嵐。
本作品で余すことなく放出された伊東蒼の魅力は、映画界に激震が走るほどの威力を持つ。


さて……伊東蒼の魅力を掘り下げていくには、『さがす』だけでは不十分。
ここからは、伊東蒼の女優人生を辿ることができる個人的推し作品を「2つ」紹介していく。

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