<君の花になる>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】



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本田翼主演のドラマ「君の花になる」が2022年10月18日放送スタート。
 
本作は挫折した元高校教師の主人公・仲町あす花が、7人組ボーイズグループ“8LOOM(ブルーム)”の寮母となり、一緒に“トップアーティストになる”という夢を追いかけていくオリジナルストーリー。主人公を本田翼、個性豊かなイケメン7人組を高橋文哉、宮世琉弥、綱啓永、八村倫太郎、森愁斗、NOA、山下幸輝が演じる。

CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・最終回ストーリー&レビュー

・「君の花になる」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー


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「みんなを元気にできる、花のような先生になる」という夢を掲げて前向きに高校教師をしていた仲町あす花(本田翼)は、ある出来事をきっかけに挫折し、退職。姉・仲町優里(木南晴夏)の家に転がり込んで、優里が営むフードワゴンを手伝いながら、日々をなんとなく過ごしていた。

そんな中、優里と恋人の三ツ谷満男(菊田竜大)が結婚することに。これを機に独立しようと決意したあす花は、「可能性あふれる若者をサポートする仕事です」と書かれた住み込み寮母の求人に飛びつく。しかしそこはなんと、デビューするも売れない7人組ボーイズグループ・8LOOM(ブルーム)の寮だった。しかもグループのリーダーは、かつての教え子・佐神弾(高橋文哉)で……。

久々の再会を喜ぶあす花と対照的に、なぜかあす花に冷たく当たる弾。そんな弾のほか、最年少だが精神年齢が高い成瀬大二郎(宮世琉弥)、最年長で男気がある古町有起哉(綱啓永)、しっかり者だがネガティブ思考の一之瀬栄治(八村倫太郎)、甘えん坊で自由人な桧山竜星(森愁斗)、一見クールだがド天然の久留島巧(NOA)、弟キャラで世話好きな小野寺宝(山下幸輝)と、グループのメンバーは個性的な子ばかり。

同期でライバルグループのCHAYNEY(チェイニー)の活躍に焦る弾は、グループを引っ張ろうとするもうまくいかず…。そんな時、8LOOMは事務所の社長・花巻由紀(夏木マリ)から、半年後の契約更新は出来ないと告げられー。

ひとすじ縄ではいかない、あす花と8LOOMの共同生活が幕を開ける!

第1話のレビュー


“推し”という言葉が定着してはや久しい。その言葉の意味は使う人によって少なからず異なるが、おおよそ「陰ながら応援したい対象」を表す。

アイドルだったらライブ会場に足繁く通う、グッズを購入する、ファンレターを送る、SNSでコメントを投稿する… …等々、応援の仕方は千差万別。「好き」と言ってしまえば簡単だけど、恋愛感情とはまた違う。そこには見返りを求めない愛があるのだ(パフォーマンスを対価とするなら0ではないけれど)。

だけど、もう少し近くで推しを応援できたら? 推しに美味しいご飯を作ったり、推しが落ち込んだときにそばで励ましてあげることができたら?

そんなひそかな夢を見せてくれるのが、10月18日にスタートしたドラマ「君の花になる」(TBS系)だ。


本作は挫折した元高校教師の主人公・仲町あす花(本田翼)が、7人組ボーイズグループ“8LOOM(ブルーム)”の寮母となり、一緒にトップアーティストになる夢を追いかけていくストーリー。

8LOOMのメンバーである佐神弾(高橋文哉)、成瀬大二郎(宮世琉弥)、古町有起哉(綱啓永)、一之瀬栄治(八村倫太郎)、桧山竜星(森愁斗)、久留島巧(NOA)、小野寺宝(山下幸輝)は、実際にオーディションによって選出されており、劇中のみならず期間限定のボーイズグループとして実際にデビューを果たす。

公式HPを見ればわかるが、全国各地でのライブハウスツアーや展覧会の開催、劇中で披露される楽曲の配信、写真集やメンバーカラーを取り入れたグッズの販売など、気合いの入り方が半端じゃない。

8LOOMにオーディションからドラマ放送までの1年間に密着した「君の花になるまでの365日」もParaviで配信されており、妙にリアル。期間限定と謳ってはいるが、人気が出れば活動継続もあるような気がする。


そんな彼らを応援する自分を投影できるキャラクターとして存在しているのが、主人公のあす花だ。第1話はあす花と8LOOMのリーダーである弾の出会いからスタート。実はふたり、弾の高校時代には教師と生徒という間柄だった。

「小さい頃から先生になるのが夢だったの。でもその夢はもう叶えたから、今度はみんなをちょっと元気にできるお花みたいな先生になるのが夢」

生徒たちの前で堂々と夢を語るあす花の姿に弾は惹きつけられる。それは彼自身も当時からアーティストを目指し、人知れず曲作りに励んでいたから。自分の夢を馬鹿にすることなく、「最高!」と言ってくれたあす花に弾は同志のような感情を抱いていた。


しかし、その4年後。ふたりは人生どん底の時期に再会を果たすことになる。とある理由で教師を辞めることになり、日々を持て余していたあす花。半年後の契約終了を告げられ、崖っぷちとなった8LOOMのリーダーとして苦悩する弾。

8LOOMが共同生活を営む寮の“寮母”となったあす花だったが、夢を諦めた彼女に弾は冷たく当たる。それは弾にとって、あす花は“夢”を肯定してくれる存在だったからではないだろうか。

弾自身が夢を諦めるか諦めないかの選択を迫られている今、夢を手放したあす花の存在は“現実”を突きつけてくるものでしかない。あす花を否定することにより、弾は現実に何とか逆らおうとしているように見えた。


そんな弾にあす花は諦めずに寄り添い続ける。実に火曜よる10時のヒロインらしいヒロインだ。頑張りすぎて空回っているところもあるが、度胸と信念の強さで周りを動かす。だが、これまでのヒロインと違うのは夢を追う“主体”ではないこと。

教師という夢を諦め、しおれていたあす花に水を与え、再びいきいきと輝かせてくれたのは8LOOMの存在だ。自分には夢という夢がない、もしくは夢はあったけど諦めた。だから、夢に向かってキラキラと輝いている誰かを応援したい。そんな気持ちで“推し”活に励んでいる人も多いのではないだろうか。

本作は「誰かの夢を応援する」人たちを全力で肯定してくれる。弾があす花に放った「あんたの夢を俺が叶えてやるよ」も、推しがいるすべての人へのメッセージに聞こえた。



一方で気になるのが、8LOOMのマネージャーである添木(宮野真守)の「彼らとの恋愛は絶対禁止です」という台詞。もはや「押すなよ、絶対押すなよ!」レベルの盛大なフリとしか思えないが、あす花と弾が恋愛関係になるかどうかで物語の方向性も大きく変わってくるのではないだろうか。

ファンと推しの関係を、あくまでも現実に即して応援する側と応援される側として描くのか。それとも夢小説的に恋愛にまで発展させるのか。後者はある種夢を見させてくれるけど、後から虚しさにおそわれそうだ。できれば前者の方で最後まで突っ走ってほしい。

※この記事は「君の花になる」の各話を1つにまとめたものです。

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