映画コラム

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2022年01月23日

『さがす』冒頭1分で正座して一礼したくなる、とてつもない傑作

『さがす』冒頭1分で正座して一礼したくなる、とてつもない傑作


再び珍味だが、公式サイトのコメント欄から映画監督を「さがす」



2022年における映画コメントの株価はいかほどか、という議論はさておき、映画宣伝でコメントはお約束である。

今や映画は作品ごとに公式Twitterがあり、そのほとんどがコメントを紹介する投稿を行っている。『さがす』もまた同様だ。

しかし、本作は他の映画に比べてコメントの人選が良い。映画作家からYouTuberまで、現代対応の隙のないセレクトだが、とくに映画監督のコメントが多い。

なにせいきなりジョン・キャメロン・ミッチェルである。「結末は完璧に近い。不穏であると同時に感動的で、とても斬新な作品だ!」と激賞しているが、『パーティーで女の子に話しかけるには』でもそうして欲しかったなと思わずにはいられない。

さらに、韓国の映画監督のコメントが目立つ。あの『悪魔を見た』のキム・ジウン「日本映画界に恐ろしい新鋭が現れた」と評している。世界一痛そうなアキレス腱切断シーンを世の中に放ったキム・ジウンに「恐ろしい」と言わせるのだから大したものだ。

そして、キム・コッピの溢れんばかりのキュートと、映画史に残る男泣きを観れる大傑作『息もできない』のヤン・イクチュンも詩的な感想を寄せている。

ジャンルとしてのゾンビ映画を「韓国映画」に昇華した『新感染 ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホも「映画史に残る伝説的なスリラー映画になるだろう」と称賛している。

なんと激賞ばかりである。公式コメントだからして当たり前だ。というのはさておき、同業者からのコメントが多めであり、他の人選も適切な点は他の作品と比べても目を引く。

何より、どこかの新聞の1行コメントや、まるで人格をもったように「98%フレッシュ!」とか書かれるロッテン・トマトがない(日本映画なのだからかもしれないが)一点でも評価できる。

と、信頼できるコメントコーナーを作り上げただけでも、本作は真摯だと言えるし、おそらく断られたケースもあるはずだろうに、結構硬派なラインナップにできたのは、作品の力が確かだからに違いない。

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(C)2022「さがす」製作委員会

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