<ハレ婚。>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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小春(島崎遥香)の実家が抱えていた借金は3000万円。だが、龍之介(稲葉友)は二人の妻であるゆず(柳ゆり菜)、まどか(浅川梨奈)と“夫婦3人”で暮らしていた豪邸をあっさりと売却して工面したことで、小春は3人目の妻となることを決意する。
結婚式当日、夫1人、妻3人による式が執り行われるが、ハレ婚に反対する小春の父・哲郎(渡辺いっけい)の姿はなかった…。
晴れて“4人夫婦”となった小春たちは、市が助成として用意した古い一軒家で結婚生活をスタートさせることに。そこで明らかになったのは龍之介が“無職”だったこと!さらに、ゆずから聞かされたのは“夫の言うことは絶対!”、“寝床は問答無用でローテーション!”という伊達家ルール!ゆずとまどかにとっては当たり前の夫婦生活のようすだが、小春はハレ婚生活を認めることができない。数日後、“ローテーション”による龍之介との夜を迎えた小春だが、龍之介を受け入れることに我慢ができず実家に帰ってしまう。
実家の喫茶店「ルパン」では、高校3年生のうらら(なえなの)がバイトとして働いていた。そして、母の直子(宮地雅子)から龍之介が有名な作曲家であることを聞かされる小春。そんな中、龍之介が「ルパン」に訪れるのだが…。
第2話のレビュー
夫1人、妻3人による前代未聞の新婚生活が始まった。すでに定められていたあくまでも夫・龍之介(稲葉友)ファーストな家庭のルールに、小春(島崎遥香)は驚くばかり。
特に理解し難いのは、「寝床は問答無用でローテーション!」というもの。初日の夜には隣からゆず(柳ゆり菜)と龍之介が営む声が聞こえ、小春は思わず部屋を飛び出す。
そこで目撃してしまったのが、物置小屋に置かれたピアノを泣きながら弾くまどか(浅川梨奈)だ。正義感の強い小春は自分の気持ちを押し殺すまどかに説教するが、「ハレ婚なんてやりたくないのはあなたでしょ」「嫌なら出ていけばいい」と突き放されてしまうのだった。
確かにまどかの言い分もわかる。本作が一夫多妻制度が認められた架空の街を舞台としたフィクションでありながら、妙にリアルなのは何故か。それはあくまでも国民に与えられた一つの選択肢であり、“強制されていない”という点にある。だからどんなに小春が理解できないものだったとしても、それを好んで選び取った3人を否定する権利などない。
特に龍之介が呟いた「決まってるの?こうしたら愛ですよ、なんて。学校では教えてくれない。変なの。だいたい、その普通の夫婦だってどの程度まともに夫婦やれてるんだろうね」という言葉がじんわり響いた。
夫婦は1対1じゃなきゃダメ。男女じゃなきゃダメ。結婚したら、どちらかが改姓しなきゃダメ……。今でも多くの人が捉われている「こうしなきゃダメ」という結婚にまつわる既成概念に揺さぶりをかける。ああ、やっぱり小春は私たち視聴者の分身なのだ。
もちろん小春にもハレ婚を受け入れがたい理由があって、そこもちゃんと描いてくれる。東京で既婚者に騙され続けたからこそ、自分だけを愛してくれる人を求めている小春。
お互いを完全に理解し合うことは難しいかもしれない。でも、ラストでなぜハレ婚が必要なのか理由を問われ、龍之介が人生を旅に例えて「仲間に僧侶と魔法使いがいたら武闘家もほしい」と語った時に小春が「なにそれ」と笑うシーンは、違った価値観を持つ者たちが共存する一つの道を提示してくれた。
ただ小春の場合はまだ龍之介に恋愛感情を抱いていないからこそ、彼が他の妻とイチャイチャしていても耐えられるわけで……。一方、十数年龍之介から思われていた小春に対する態度はゆずとまどかで大きく違う。
全く気にしておらず、むしろ龍之介を煽っているようにも見えるゆずに対し、嫉妬心を剥き出しにするまどか。ここまでは龍之介と小春の関係性にスポットが当てられてきたが、二人の現在に至るまでのエピソードも気になるところだ。
※この記事は「ハレ婚。」の各話を1つにまとめたものです。
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