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2022年02月09日

<ハレ婚。>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ハレ婚。>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー


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龍之介(稲葉友)からの突然のプロポーズで始まった小春(島崎遥香)のハレ婚生活。まどか(浅川梨奈)の離婚、ゆず(柳ゆり菜)の出産、そして、麟之介(佐藤一和)の子育てに追われる中、龍之介が音楽家として成功…家族の環境が変化する中で、まどかの復讐劇(!)もあった。これまで数々の苦難を持ち前の明るさで乗り越えてきた小春だったが、すべての出来事は小春にとって結婚と家族のあり方を考えさせられるものばかりだった。そして、小春がたどり着いた答えは「離婚」――。

小春の気持ちを汲み取った母・直子(宮地雅子)。優しく励ましの言葉を投げかけられると、小春は涙が止まらなくなる。

サインの書かれた離婚届と、外した結婚指輪を龍之介に差し出した小春。納得できない龍之介とゆずだったが、小春の決意は変わることがなかった。そして迎えた最後の日、小春が一人で向かったのは幼い日に龍之介と初めて出会った神社の境内だった。

懐かしい思い出に包まれた小春が思わず「龍…」とこぼれてしまう。するとそこには龍之介の姿が…。小春と龍之介は二人が出会った場所で、夫婦で最後の会話を交わす。そして、小春は伊達家にさよならを告げて家を出ていくのだった。

2ヶ月後、小春は焼肉店でバイトをしながら東京暮らしを始めていた。新しい人生を歩み始めた小春。北つばめ市では、一夫多妻制度の廃止が決定していた。そんなある日、バイト先の焼肉店にやってきたのは…ゆずとまどかだった!?

第9話のレビュー



「僕が本当にほしいもの、それは未来だ。目に見えないもので繋がった僕たちを子供という存在が照明してくれる。そして、僕たちには作れない未来を子供やその子供が作って、どこまでも続いていく。僕たち家族の愛は永遠だ」

一夫多妻制をテーマに、現代の結婚のあり方に切り込んだドラマ「ハレ婚。」がついに最終回を迎えた。

夫の龍之介(稲葉友)、第一夫人のゆず(柳ゆり菜)、第二夫人のまどか(浅川梨奈)、そして第三夫人となった主人公の小春(島崎遥香)の4人で結婚生活がスタートした伊達家。まどかが離婚して出て行った後、伊達家にはゆずの子ども・麟之介(佐藤一和)が増えた。しかし、そのことで小春は自分の存在意義がわからなくなり、ついには離婚を決意。

果たして、伊達家がたどり着いた答えとは?



離婚届に判を押し、土下座して家を出て行くことの許しを請う小春。しかし、龍之介やゆずは到底納得できない。二人にとってみれば、小春も伊達家に必要な家族だから。

でも小春はまどかとの不倫疑惑から龍之介のことを疑ってしまったり、なかなか子供ができないことから龍之介、まどか、麟之介の幸せそうな姿に心を痛めてしまったり……。モヤモヤとした感情におどらされる自分のことが嫌になってしまった。

逆に言えば、それだけ龍之介のことを愛してしまったということ。それなのに、気持ちとは裏腹に「大っ嫌い」と言ってしまう小春が切ない。



そんな小春に、龍之介は「僕が君だけを愛すると言ったら、ずっとそばにいてくれる?」と問いかける。龍之介もまた、幼い頃に神社で小春に出会った時から本気で彼女のことを愛していたのだ。

ここでイエスと言えば、龍之介はずっと望んでいたように自分だけのものになる。だけど、小春の頭にはお父さんとお母さんが大好きな麟之介のことが離れられない。

「私たちはもう大人なんだよ。あんたはもうおっさん。そんで、何がなんでも守らなきゃいけない人がいる」

子供のまま大人になった龍之介にそう語りかける小春は“お母さん”の顔をしていた。恋に疲れて帰郷したばかりの小春は甘ったれで、みんなの妹的存在だったが、波乱万丈な結婚生活の中で少しずつ守られる側から守る側に成長していったのだろう。次第に頼もしくなっていく、島崎遥香の表情が印象的だった。



小春が家を出て行った2ヶ月後、ついに北つばめ市の市長が変わり、ハレ婚制度は廃止に。これで本当にすべてが終わったかのように思えた。

しかし、そんな矢先、東京の居酒屋で働き始めた小春の前にゆずとまどかが現れる。さらにそのタイミングで小春の妊娠が発覚。離婚前日に愛を育んだ龍之介の子供だった。

不安でいっぱいの小春に「私はあんたの味方でいたい」とゆず。小春と同様に不妊に悩んでいたまどかも、複雑な感情を昇華して祝福する。同じ人を愛する故にぶつかることもあったが、だからこそ分かり合えることも多く、次第に不思議な友情が芽生えていた。

小春もまどかも再び伊達家に戻る決意をし、新たな生活が始まる。4人が家族であることの証明はできなくとも、龍之介が言ったように麟之介やこれから生まれているもう一人の子供がみんなを繋いでくれるはず。

未来は前途多難だし、もしかしたら「お前たちの家族は変だ」と誰かに笑われる日が来るかもしれない。それでも世間の正しさに流されることなく、小春のように「幸せだよ」と笑い返してほしい。「ハレ婚。」のラストはそんな未来への願いが込められているように感じた。


(文:シネマズ編集部)


※この記事は「ハレ婚。」の各話を1つにまとめたものです。

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