お笑い

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2022年02月28日

今熱い!「ガーリィレコードチャンネル」“3つ”の注目ポイント

今熱い!「ガーリィレコードチャンネル」“3つ”の注目ポイント



...9と4分の3番線...9と4分の3番線...はぁはぁ...あの、すいません、9と4分の3番線は?えっ?あっあなたもホグワーツですか。一緒ですね。えっちょっと、おっおい!

耳に聞き覚えある声で壁に突撃し、「どうしてだよ!」と悲鳴を上げる。

藤原竜也の声でハリー・ポッターのワンシーンが再現されたこの動画は、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」のキャストが発表される1日前にYouTubeにて公開された。藤原竜也のモノマネで知られる「ガーリィレコード」が事前の情報から推察し、ハリー・ポッターを藤原竜也が演じることを的中させたのだ。



お笑い芸人がYouTuberとして動画を配信することが当たり前の時代となった。そのアプローチは多種多様である。サンドウィッチマンは自身の所属するグレープカンパニーのチャンネルでネタを配信している。これは、ネタの転載を防止する役割と布教の役割を担っている。

ドラゴンボールのモノマネで有名なアイデンティティは、 『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌「一途」や「マツケンサンバ」などの曲をドラゴンボールネタとしてアレンジする動画を配信している。的確に音程を合わせ、ドラゴンボールの世界観に寄せていく田島直弥の芸を余すことなく動画に盛り込んでいる。



さて、今回紹介するのは「ガーリィレコードチャンネル」である。NSC東京17期であるガーリィレコードが2017年夏から始めているyoutubeチャンネルだ。他の芸人及びYouTuberとは異なるユニークな世界観によって90万人以上のチャンネル登録者を誇っている。

1.強引に世界観に引きずりこむ絶妙なモノマネ
2.テロップ等の編集をほとんどしない演出
3.長回しによる撮影
4.視聴者の気持ちを代弁するガヤ

この4つの要素が生み出す、即興的で決定的瞬間から来る笑いは、まるで高校の部室を思わせるものがある。

今回は、そんなガーリィレコードチャンネルの魅力を3つの視点から掘り下げていく。

>>>ガーリィレコードチャンネルはこちら

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1.藤原竜也イズムを継承する男・高井佳佑

ガーリィレコードチャンネルは主にモノマネの動画が多い。高井佳佑がアニメや役者になりきって、それに対して周りが反応していくスタイルが主流となっている。コメディとは、真面目の中で生まれるものである。チャップリンもMr.ビーンも作品の中で真面目に行動する。それが空回りすることでおかしさが生まれてくる。高井佳佑も同様に、真面目に世界観の中で演技をする。この異様さに思わず笑いがこぼれていく。

・高井佳佑、ハクになりきる



「ご飯持ってきたハク」を例に取る。

千尋、千尋とささやきながら現れる高井。整っていないおかっぱ頭で、異様なオーラを放つ人物。視聴者は、言動から『千と千尋の神隠し』のハクだと推察する。自分をハクと名乗り、その推察が当たると、ヴィジュアルの衝撃度が増し笑いがこみ上げてくる。これはその空間にいるフェニックスたちも同様だ。

しかしながら、高井は周囲の笑いに巻き込まれてしまうことはない。瞳の奥から自分がハクであることを疑わない純粋な眼差しを向ける。そして、元気のない千尋(雨野宮将明)に対してコンビニで買ったおにぎりを差し出すのだ。

・高井佳佑、マルマインや乙骨憂太になりきる





ここには高井佳佑のモノマネに対する哲学がある。

それは、役になりきること。

自分が高井佳佑であることを忘れることだ。

彼はポケモンのマルマインや「呪術廻戦」の乙骨憂太などになりきる。どのモノマネも見た目は元ネタとは程遠い。しかし、マルマインの場合、特徴であるニカっと歯を魅せる要素をひたすら守り通す。乙骨憂太を演じた時はおどおどし相手の様子を伺いながら喉元の奥から語る要素を踏襲しつつ、「失礼だな、純愛だよ」といった決め台詞を淀みなく的確に言い放つ。

このような本質を抑えたモノマネを恥じらうことなく行うことにより、視聴者は段々と元ネタと高井佳佑を紐付けていきどこか愛着が湧いていくのだ。特にマルマインに関しては、回を追っていくごとに「エネ、エネ」と奇声を上げる存在に可愛らしさを覚え、ついには感情を理解するようになっていく(もちろん、途中で日本語が混ざるサブリミナル効果による影響もあるのだが)。

・高井佳佑、藤原竜也になりきる



そんな高井のモノマネのルーツはやはり藤原竜也にあるだろう。彼の藤原竜也に対する愛は計り知れない。それは「藤原竜也?が選ぶ藤原竜也作品ベスト3」を観ると一目瞭然だ。『カイジ』と『デスノート』を除いた上で3本を発表していくのだが、これが王道からマニアックな作品、少しだけ登場する作品にまで言及しモノマネしながら20分にもわたって語り尽くす。

藤原竜也は『カイジ』において、原作のヴィジュアルとは全く似ていない伊藤開司を演じている。しかしながら、伊藤開司特有のクズながらもどこか人を惹きつけてしまうオーラでもって藤原竜也のカイジ像を生み出した。原作をリスペクトしつつ、新しいカイジ像を生み出したのである。当然ながら、劇中の藤原竜也の瞳には自分が伊藤開司であることを疑わない眼差しがある。

高井佳佑は藤原竜也イズムを継承し、それをアニメのキャラクターや実在の人物に適用している。そのため、幾つか動画を観ていくと、彼から高井佳佑が見えなくなっている瞬間をたくさん目撃し驚愕することであろう。

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