39歳

あらすじ

ソウルで皮膚科院長として勤務するチャ・ミジョ(ソン・イェジン)、俳優の演技指導コーチをしているチョン・チャニョン(チョン・ミド)、デパートコスメのセールスマネージャーとして働くチャン・ジュヒ（キム・ジヒョン）。
高校時代に出会ってから39歳となった現在まで、よく笑い、よく泣き、ケンカもしながら様々なことを共有してきた3人の女友達。
40代を前に受けた健康診断で、チャニョンの癌が見つかる。すい臓癌のステージ4。
余命宣告を受けた彼女と、彼女の選択を尊重し共に過ごすと決めた友達の友情と愛、人生を描いたヒューマンドラマ。

情報解禁の段階では明かされなかった余命宣告という衝撃

作品に触れるまで、これは主演3人の掛け合いが見どころで、30代最後という歳の現実を悩みや喜びと共にリアルに魅せてくれるドラマなんだろうなと思い込んでいた。
実際そうなのだが、ひとつ予想外の設定が隠されていた。チョン・ミド演じるチャニョンの余命宣告だ。

チョン・ミドといえば、｢賢い医師生活｣で優秀な脳外科医を演じていたのが記憶に新しい。
当然だが医師役だった彼女は患者に対して宣告をする側だった。そしてそのイメージが強く残っている視聴者も多いと思う。筆者もその1人だ。

チャニョンへの余命宣告は、和やかなドラマの雰囲気に一瞬で緊張感をもたらし、また、チョン・ミドが演じることでさらに衝撃を加えたと言える。

今後、彼女たち3人がどのようにして友達の死という現実に、自分の死という現実に向き合っていくのか……
既に毎週泣いているけど、最後まで存分に涙を流しながら見届けたいとおもう。

→「39歳」Netflix配信ページ（全12話／配信日：水木）

社内お見合い

あらすじ

大手食品会社で働くシン・ハリ(キム・セジョン)は、親友の代わりにお見合いに行き、破談になるよう仕向けて欲しいと頼まれる。

ところがそこに現れたのは同じ会社の社長カン・テム(アン・ヒョソプ)。持ち前の演技力も虚しく、なんとプロポーズを申し込まれてしまい……?!

人気ウェブトゥーンが原作の、超漫画的ラブコメディ

ゴリゴリの少女漫画のような、ありえない設定とありえない展開。なのにどんどんハマって気づけば毎週ニヤニヤしながら観ちゃってる自分の未来が見えました……。
そんな1話だった。

ここまでベタな展開を、どうしてこうも楽しませてくれるのだろう。やっぱり実写版としてビジュアルが完璧に仕上がっているからなのだろうか……。

お花や光の効果もアニメのように存分に散りばめられているので、フィクション感がかなり強く演出されている。

ドラマと言えど現実的な内容が多いなかで、この突出した非現実的な物語は心の癒しにもなりそうだ。

→「社内お見合い」Netflix配信ページ（全12話／配信日：月火）

未成年裁判

あらすじ

非行少年を嫌悪する判事シム・ウンソク(キム・ヘス)と、罪を犯した少年たちにも温かく寄り添う判事チャ・テジュ(キム・ムヨル)、2人の上司で部長判事のカン・ウォンジュン(イ・ソンミン)とナ・グニ(イ・ジョンウン)。
地方裁判所の法廷を舞台に、未成年者の犯罪を裁く裁判官と、裁かれるべき罪を犯した少年少女を取り巻く数々の事件を描いた社会派ドラマ。

決して大袈裟ではない、未成年犯罪のリアルな闇と社会が抱える問題に切り込んだ衝撃作

｢ぼく、人を殺しました｣
血だらけで警察署に現れた少年は、居合わせた刑事に自白した。
｢未成年裁判｣の1話で描かれる事件は、13歳の少年が9歳の男児の殺害を自白するところから始まる。

13歳という年齢は触法少年にあたり、14歳以上から適用される少年法による処罰も下すことができない。
法律によって守られる加害者と、子を亡くした悲しみのなか犯人に責任を負わせることもできない被害者遺族。
視聴中はずっと、映画「トガニ 幼き瞳の告発(2011)」や「幼い依頼人(2013)」を観たときのような重苦しい気分を思い出していた。

韓国の実情として描かれるこの社会問題や劣悪な家庭環境は、日本にも同様にあるものばかりだ。
そこへさらに現実味と説得力を加えているのが、主役の判事たちである。
判事役の俳優は実力者ばかりで、観る前から安心と安定感があるが、子役たちもまったく負けていない。

特に先ほど紹介した1話の少年。演じているのはイ・ヨン、なんと26歳の女優だ。特徴的な高い声だとは思ったが、違和感は覚えなかった。
これからご覧になる際は、是非この少年の顔を最終話まで覚えておいてほしい。

そしてどうか、深い闇に堕ちていくような、この恐ろしいほどのやるせなさを味わってほしいとおもう。

→「未成年裁判」Netflix配信ページ（全10話配信中）

毎日のように最新話を観ることができる、3月

今回ご紹介した5つのうち、４つの作品は3月中も継続して毎週配信が予定されている。
つまり、月火水木・土日と、週6日で最新話が更新されていくのだ。素晴らしい……。

好みはあるだろうけれど、どれもハズレなしの見ごたえのある作品ばかり。気になったものがあれば、ぜひ今から追いかけていただけたら嬉しい。
もちろん全部に手を出して、毎日思いっきり感情を動かすのもオススメだ。

（文・加部）