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2022年06月09日

「ナンバMG5」:大丸(森本慎太郎)を“大ちゃん”と呼べる学生時代がうらやましすぎる第8話

「ナンバMG5」:大丸(森本慎太郎)を“大ちゃん”と呼べる学生時代がうらやましすぎる第8話



間宮祥太朗が地上波ゴールデン・プライム帯ドラマ初主演を務める「ナンバMG5」が、4月13日より放送開始した。
本作は、小沢としおによる人気漫画『ナンバMG5』『ナンバデッドエンド』を実写化した“脱ヤンキー”物語で、本広克行監督がメガホンを取る。

本記事では、第8話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「ナンバMG5」第8話レビュー

修学旅行を楽しむ剛(間宮祥太朗)と、初恋の相手を救おうとする大丸(森本慎太郎)。物語序盤、初心な恋模様にドキドキする剛の平和な学生生活の一大イベントと、ヤクザを相手にした大丸と伍代(神尾楓珠)がボコボコにされる展開がシンクロした。ものすごいコントラストだ。奇しくも、すべては広島で起きていた。

夜、男子の部屋に集まってお菓子を食べたり恋バナをしたり、「先生が来るぞー!」と布団に隠れたり。ああいうベタな胸キュンもいい。特に、同じ布団に入り至近距離で見つめ合っていた剛と藤田(森川葵)はいつもの3割増しでかわいかった。

しかし今回はとにかく、大丸大助を“大ちゃん”と呼べる学生時代を過ごした水野友美(森迫永依)がうらやましくてたまらない。それくらい、大丸の魅力が溢れている回だった。その部分を中心に振り返りたい。

剛&伍代と夜道を歩いていた大丸は、偶然、初恋の相手・友美に再会する。中学時代と比べてすっかり派手になってしまった友美を放っておけず、理由を聞き出そうとする大丸。「ちょっと話そうや」からの、ドレス姿の友美に自分の上着をしっかり羽織らせているのがもうたまらない。

聞けば友美は、兄が作ってしまった借金(700万円……!)を返済するために働いているという。実際には安藤(葵揚)というヤクザまがいの男に相当吹っかけられている様子だ。好きな相手が困っていると知ると、大丸はじっとしてなんかいられない。伍代を連れて、すぐさま安藤に会いに広島へ乗り込んだ。

安藤とタイマンをはる前、「中坊のとき、俺ずっとお前が好きだった」と、恥ずかしがる風でもなく堂々と友美に言ってのける姿は男気に溢れすぎていた。こんなにストレートに言われて、ドキドキしない人はいないだろう。

友美を助けたい一心で勝負を挑んだ大丸だが、安藤は「広島1ヤバい男」。これまでの喧嘩で桁違いのパワーを発揮していた大丸でも歯が立たなかった。

治療に訪れた病院で、なんと伍代は剛に遭遇。「観光で来ている」と無理やりな嘘で完璧にごまかせたと思っている伍代、イケメンなのにこういうところが結構抜けてる。もちろん、そこもいい。

見るのも痛々しいくらいにけがをしているのに、「俺はあいつ(友美)に何もしてやれねーのかよ」と悔しそうに涙をにじませる大丸。こんな様子を横で見ていたら、代わりに蹴りをつけてやりたくもなるだろう。伍代は、1人で安藤のところへ向かった。

しかし大丸もこれを見抜いていて、飛び蹴りで参戦。いや、その登場かっこよすぎるってば……!

さらに、実は病院で立ち聞きをしており、事情を把握してしまった剛も大丸たちのもとへやって来る。猛(満島真之介)が勝手に荷物に特攻服を入れておいてくれてよかった(だが「殺」マスクはさすがに入っていなかったようだ)。

何で来たんだよ、という大丸に、剛は「大事なツレがそんなツラにさせられて黙ってられるほど人間できてねーんだよ」と答えるが、こんなところへ丸腰で助けに来られる人はある意味相当人間ができている気がする。常人には決して真似できることじゃない。

「わりぃ難波、楽しみにしてた修学旅行なのに……」とめそめそと泣いてみたり、体育座りで戦況を見守る大丸。さっきまであんなに威勢が良くてかっこよかったのに、突然ギャップがえぐい。

さらに、なんとか勝利を収め友美たちの借金をチャラにした剛に「まだあの子に惚れてんだな」と言われ、途端にモジモジし出す大丸。序盤であっさり「好きだった」と告白していたのに……? 本当に同一人物だろうか? 大きな体で、困った表情で、内股で……剛に「モジモジゴリラ」と揶揄されていたけど、大丸の“かっこいい”と“かわいい”のギャップが激しすぎて風邪をひきそうだ。

結果的に剛はホテルを抜け出していたことが生活指導の桐山(赤ペン瀧川)にバレて停学に。修学旅行の邪魔をしてしまったことも含めて猛省、というか、大感謝をしているらしい大丸。どの程度かというと、普段は伍代にお金を借りてばかりなのに、剛たちに飲み物をおごるくらいだから相当なものだろう。

大事な人や仲間は絶対に守る、下手な駆け引きはせずストレートに気持ちをぶつける、感情が動けばそのまま泣く、そしてたまにべらぼうにかわいい一面が覗いてしまう……大丸のいいところがぎゅっと凝縮された、つまりくるくる表情を変えていく森本慎太郎を観られる回だった。1つの作品の中で2枚目と3枚目のキャラクターをここまで自由に行き来して無理を感じさせない役者って、かなり稀有だろう。しかもそれでいて疑いようもないほど誠実で純粋なのだ。魅力的過ぎて手に負えない。物語としても味わい深い回だったが、そういう意味でも非常にいいものを観せてもらったと思う。

それにしても、ここのところの剛は、卒業が迫っていることもあるだろうが、自分の高校生活が突然幕を閉じてしまう可能性を感じている節がある。停学明けの登校の際にも「みんなで一緒に卒業しよう」とクラスメイトに声を掛けていた。なんだか嫌な予感がする……。

次回、どうやら剛の嘘が家族にバレるようだ。桐山も剛の動向を怪しんでいる。ここからどんな怒涛の展開が待っているのか、涙なしではいられなさそうなので、心して見届けたい。
 
(文:あまのさき)

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