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2023年04月30日

「ヒロステ」4作目が開幕!喪失・成長・希望——集大成を感じさせるステージに

「ヒロステ」4作目が開幕!喪失・成長・希望——集大成を感じさせるステージに



目まぐるしく展開するシーンに目が足りない!

個人的には、仮免試験の試験官を務める目良さんがハマり役。士傑高校の3人もそれぞれ見せ場があり、ライバル校としての存在感を示していた。なかでも、デクたちの同期でトップの実力をもつ夜嵐イナサは、漫画ではコマ割りで強烈さを表現できるところ、舞台では芝居でそれを見せなければいけないだけに、演じる白柏寿大のポテンシャルを感じた。

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そんな新キャラクターとの絡みも描かれる仮免試験は目まぐるしく展開し、同時進行で戦う生徒たちの姿を追うには目が足りない!この感覚がまさにヒロステといった醍醐味のひとつで、何度でも足を運びたくなるのだ。

また、幕間の青山劇場も健在。原作で明らかになった部分もあいまって思わず涙がにじむシーンもある青山優雅だが、幕間で弾ける姿はヒロステならではのもの。客席の期待に応えて毎回プルスウルトラする姿は、サービス精神にあふれている。

4年の積み重ねを感じずにはいられないデクと爆豪の対決

これまで以上にプロジェクションマッピングを駆使し、2次元と3次元をつないだ演出が見事な今作だが、デクと爆豪のバトルシーンだけは雰囲気が異なる。

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ヴィランとの対決が描かれてきたこれまでの3作と違って、命懸けのシーンがあるわけではなく、そういう意味での鬼気迫るシーンは、攻撃的でありながら繊細さをのぞかせる爆豪と、爆豪の感情を受け止めることを決めた骨太な芯をもつデクの対決に集約されていた。

ほぼアナログな演出が、二人の生々しい剥き出しの感情のぶつかり合いを引き立てているが、デクと爆豪を演じる田村と小林が4年をかけて築いてきた関係性があるからこそ、より客席に訴えるものがある。むしろ、そうであってほしいと思うほどの思い入れをもって観劇に臨む、こちらの期待にしっかりと応えるシーンに仕上がっていた。

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そして、仮免試験がストーリーのメインということで学園モノ色がこれまで以上に強かった本作。クラスメイトというポジションの近いキャラクターが増えたら増えただけ、原作で描かれるシーンの取捨選択や演出は難しくなるはず。それでも、1-Aの生徒全員を登場させたのは、4年をかけて築き上げてきたそれを内包できるほどのカンパニー自体の成長と、本作に対しての覚悟なのかもしれないと感じた。

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これはあくまで筆者の想像でしかないが、同じ学校のクラスメイトたちを含めて、切磋琢磨して成長していく二人の姿を描く「僕のヒーローアカデミア」というタイトルへの敬意でもあるように感じる一作となっていた。

「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーローは、4月29日(土)から5月7日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、5月12日(金)から14日(日)まで兵庫・AiiA 2.5 Theater Kobe、5月19日(金)から21日(日)まで日本青年館にて上演される。初日と千秋楽は、U-NEXTにてライブ配信される(見逃し配信あり)。

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