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2023年11月07日

<大奥 Season2>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<大奥 Season2>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第16話ストーリー&レビュー

第16話のストーリー

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熊痘により赤面疱瘡が撲滅。男子による家督相続が広まった世へと様変わりを果たす。しかし、12代将軍・家慶は娘の家定(愛希れいか)を寵愛し、次の将軍に指名する。老中となった阿部正弘(瀧内公美)は、事あるごとに家定に呼びつけられ、やがて彼女が置かれる境遇を知ることに。何か手立ては無いかと方々に救いを求めるうちに、芳町で出会った瀧山(古川雄大)を大奥にあげることで家定を守る砦を作ろうと奔走する。

第16話のレビュー

大奥最大の悪役にして“怪物”と呼ばれた治済(仲間由紀恵)が退治されたのち、熊痘接種が正式に公儀直々の施策となったことで急速に広まり、赤面疱瘡が撲滅された。

その結果、再び男の世が訪れる。家督相続はもちろん、幕府の要職に就くのも大半が男性。今、私たちが生きる世界とそう変わらない現実が「大奥」第16話にして描かれるのだ。

「世のかじを男が取るようになってからというもの、城中も市中も風紀は乱れ、ろくなことはない!」

冒頭、老中の水野(長野里美)が阿部正弘(瀧内公美)に語った嘆きが印象的だ。3代将軍・家光(堀田真由)の時代から長らく権力を握っていた女性たちの中には守られる存在だった男性を下に見る者もいた。

治済がその良い例だろう。彼女は息子の家斉(中村蒼)が政に口を出すや否や、男という存在への嫌悪感を剥き出しにした。しかし、立場が変われば、差別される対象も変わるのが人の世の常。今度は男性が女性を力で抑えつける時代がやってくる。

腰の重い兄の代わりに家督を継いだ正弘は男性だらけの幕府で肩身の狭い思いをさせられ、のちに13代将軍となる家定(愛希れいか)は実の父・家慶(高嶋政伸)から性的虐待を受ける。特に原作にもある家定が家慶の慰み者にされる場面は実写になると、高嶋の怪演も相まって見るのも堪え難いほどに苦しい。

いつの時代も、人はどうしてこうも性別という枠にはめられて苦しい思いをしなければならないのか。そう虚しさを感じているところに登場するのが、正弘が花街・芳町で出会う瀧山(古川雄大)だ。

泥棒を捕まえようとして道に倒された正弘を助け出した時の勇ましさ。直後、正弘の前に花魁姿で現れた時の品のある艶やかさ。その両方を表現できる古川だからこそ、瀧山を演じることに意味がある。瀧山は男と女の境目をグラデーションのように曖昧にしてくれる存在だからだ。

陰間として男性と女性の両方に春を売ってきた瀧山。どちらも大事な客であり、そこに貴賎はない。男性にも女性にもホスピタリティを持って接してきた瀧山だからこそ、家督を継いだものの、己自身もいつの間にか性別にとらわれて本領を発揮できていなかった正弘の虚しさに寄り添うことができた。それは結果として、家定を苦しい状況から救い出すことにも繋がる。

瀧山との出会いをきっかけに兜の緒を締め直し、幕政で力を発揮して老中に上り詰めた正弘。そこで家定と出会い、彼女が置かれた窮状を知った正弘は、徳川家康に影武者として仕えた阿部正勝の子孫として家定を全力で守ろうとする。その手段として江戸城の西の丸に作るのが、家定のための“大奥”だ。

大奥といえば、元々は将軍の子を産み育てる場所。だが、正弘が作った大奥は家定を家慶から守るための要塞だ。そこに、正弘によって迎えられたのが瀧山である。家定の元に足を運んだ家慶に臆することなく立ち向かい、「それがしの主人は家定様にござりまする!」と言い放つ瀧山の勇ましさよ。家慶が示す有害な男らしさとは一線を画す、忠義と思いやりに満ちた強さである。だからこそ、家定も安心して瀧山を自身の分身としてそばに置くことができるのだ。

これから訪れるであろう、男も女も関係なく手と手を取り合う新しい時代の象徴となった瀧山。その役に古川をキャスティングした製作陣はいやはや素晴らしいと感心せざるを得なかった。

※この記事は「大奥 Season2」の各話を1つにまとめたものです。

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(C)NHK

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