©2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』を4DXで見るべき「4つ」の理由

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『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が大ヒット上映中だ。今回も公開初日の興行収入が9.6億円を突破する超ロケットスタートとなり、シリーズ最高の138.8億円の興行収入記録を打ち立てた前作『黒鉄の魚影(サブマリン)』にどこまで迫れるか、いや超えるかにも期待が高まっている。

そんな近年の劇場版『名探偵コナン』の初動の記録の凄まじさは、IMAXやDolby CinemaやMX4Dなどのラージフォーマットでの上映が同時スタートしていることも大きいだろう。


そして、筆者はそのラージフォーマットの中でも4DXを推したい。筆者は『緋色の弾丸』『ハロウィンの花嫁』『黒鉄の魚影』と連続してシリーズの4DX上映を体験してきたが、やはり「コナンの映画は4DXとの相性が抜群」「コナンの映画は4DXを選べば間違いない」「4DXはコナンの映画のためにある」と思えるほどの理由が、今回もあったのだ。

ここでは、物語のネタバレになるべく触れない範囲で、今回の4DXの見どころを記していこう。もちろん、4DXの数々の演出をまったく知らずに見たいという方は、劇場情報を調べて先に駆けつけてほしい。

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1:今回はチャンバラ活劇!日本刀をギリギリで避けるスリルと刀身の輝きを体感!


今回のメインキャラクターは服部平次と怪盗キッド。コナンと“バディ”となる平次は剣道の達人で、しかも沖田総司というライバルキャラも登場し、さらに今回のオリジナルキャラの福城聖とは幼馴染の遠山和葉を“取り合う”関係になる。

そんな剣道が超強いキャラが対峙&集結してこその、大チャンバラ活劇が今回の最大の特徴であり魅力。予告編でも見られる怪盗キッドVS平次のバトル(チャンバラ+α)はなんとオープニングから繰り広げられるという大サービスぶりで、その後もバラエティ豊かな剣劇アクションが展開する。


そして、それらの剣劇アクションで4DXが大盤振る舞い!4DXでは座席後ろからプシュッと吹き付ける「エアー」という演出があり、例えば「パンチや銃の弾をギリギリで避ける」様を擬似体験できるので、もちろん今回は日本刀や竹刀をギリギリで避けるスリルこそを味わえる

さらに、効いてくるのが4DXのメインの演出である「座席の動き」。なんと日本刀や竹刀で斬る角度に合わせて座席が傾いており、斬る側(または斬られる側)の身体の激しい動きをも疑似体験できるのだ。

さらにさらに、重要になってくるのがスクリーンの斜め上が光る「フラッシュ」の演出。日本刀を構えるなどして、その刀身が太陽の光を反射した時に、劇場にもその光が瞬くのだ。チャンバラ活劇が始まる直前の、緊張感のある演出としても活きている。

2:もはや日本版ワイルドスピード!「地面スレスレ」のバイクチェイスも体感!


アクションのさらなる見どころは、バイク&クルマでのチェイスシーン。近作でマシマシになっていたチェイスの派手さとスピーディーさは、いよいよここに来て『ワイルド・スピード』の近作のレベルにまでに到達。もはや「インフレ」とも言ってもいいレベルだが、その「やりすぎ」なほどのチェイスこそが楽しいのだ。

何しろ4DXは「座席の動きがメイン」。その構造上、「乗り物に乗っている感覚」がもっともダイレクトに体感できるし、だからこそカーアクション映画およびチェイスシーンとの相性が抜群というわけだ。

もちろん本作でも「バイクで勢いよく曲がる」様を、座席の傾きで表現しているわけだが、さらに地面スレスレの感覚を「足をカサカサっとくすぐる」演出で体感させてくれるるのも嬉しかった。

3:「風」で北海道の観光地や謎解きの瞬間を体感!


本作の舞台は函館を中心とした北海道。もちろん旅行気分が味わえるのも大きな魅力だが、ここで効いてくるのは4DXの「風」の演出。とある場所へと舞台が移った時、そこで激しく吹く風に合わせて劇場内でもしっかり風が吹くのだ。

その風は怪盗キッドが空を飛ぶシーンや、後述するクライマックスのアクションでも存分に生かされているのだが、さらにコナンが謎を解いた時にも風が吹くのもいい演出だ。謎解きの快感は実際でも「ブワッと鳥肌が立つ」ような感覚であるし、それに合わせたように勢いよく吹く風は「すっきりとした」印象もある。このシーンでは、他の4DX演出も見事な相乗効果となっているのでお楽しみに。

4:もはや日本版ミッション・インポッシブル!爆笑のクライマックス!


もはやチェイスシーンが日本版『ワイルド・スピード』だと前述したが、さらにクライマックスのアクションのアイデアは『ミッション:インポッシブル』の近作と同等かそれ以上にクレイジーなものになっている。

「そんなところで戦っている場合じゃないだろ!」とツッコミを入れたくもなるが、それもむしろ笑って楽しめるし、展開そのものはものすごく盛り上がっているのが近作の劇場版『名探偵コナン』のいいところ。



いい意味で荒唐無稽で派手なアクションを、臆することなく全力でやり切る。そんな作り手の「これがやりたいんだ!」な心意気も大いに受け取れるだろう。

そして、劇場版『名探偵コナン』のクライマックスでは「いままでは手加減していました!」と言わんばかりに、4DXが大盤振る舞いになるのも大きな魅力。座席が今まで以上にグワングワんと揺れるのは序の口。

今まで書いてきた4DXの全ての演出が一度に襲いかかってくるような、そんなサービス精神を大いに感じたし、その4DXの「ヤバさ」そのものにも笑えてくるだろう。

※以下、明確なネタバレに触れてはいませんが、クライマックスおよびラストの「印象」には触れています。未見の方はご注意ください。

おまけ:気になる難点と、制約への向き合い方


そんなわけでアクションおよび4DX、人気キャラクターそれぞれの活躍には大満足だったのだが、物語には少し難点もある、というのが正直なところだ。

特に気になるのはミステリー部分。日本刀にまつわるトリビアを知れるのは面白いし、ラスト近くの悲哀のあるドラマも楽しめたのが、そこに至るまで早いテンポで情報が次々へと提示され、登場人物もかなりバラバラに行動しているため、「ついていけない」と思った方も多いのではないだろうか。小さなお子さんにとってはより理解しがたいだろう。

これは、今回の事件の関係者も絡めつつ、人気キャラクターを活躍させつつ、さらには舞台の函館も活かしつつ“お宝争奪戦”の物語を進めなければいけないため、ある程度は致し方ないだろう。最終的には、複雑な要素をしっかりまとめているとは思う。

ただ、毛利小五郎が「あれやこれやいっぺんに起こりすぎだろ!」とツッコミを入れているあたり、作り手もあまりに多くの要素が錯綜している自覚があると思うので、もう少し要素を取捨選択するなどの改善の余地はありそうだ。


さらに、『名探偵コナン』は原作漫画で展開している物語もあるため、「劇場版では本筋を進められない」制約がある。そのひとつが平次と和葉の恋路の進展だが、これについてはしっかり胸キュンをさせつつも、同時にものすごく強引な手段を使ってきたので笑ってしまった。個人的には呆れつつも楽しめたのだが、ここは怒ってしまう人もいると思うし、やはりその制約の限界を感じてしまったのも正直なところだ。

それでも、感心したのはラストのサプライズ。これも“後付け”じゃないかと怒る方もいるかもしれないし、今まで事件に絡んでいなかったキャラの視点から語られるのもスマートとは言えないかもしれないが、それでも「劇場版では本筋を進められない」制約の中で、これほど「続きが気になる」ことを提示したことに感心したのだ。


「ついに明かされる、“キッドの真実”」というポスターの文言には嘘偽りはなかったし、序盤の平次のキッドに対してのとある“気づき”が、なるほどこのサプライズにつながっていたのだとも大いに納得できた。

その怪盗キッドが主人公のアニメおよび漫画「まじっく快斗」も追ってみたくなるだろう。そして、制約をものともしない劇場版『名探偵コナン』のさらなる展開にも期待したい。

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(文:ヒナタカ)

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