続・朝ドライフ

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2023年10月04日

<らんまん・関東大震災・練馬編>25週~最終週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<らんまん・関東大震災・練馬編>25週~最終週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


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2023年4月3日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「らんまん」。

「日本の植物学の父」と呼ばれる高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。激動の時代の中、植物を愛して夢に突き進む主人公・槙野万太郎を神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。

CINEMAS+ではライター・木俣冬による連載「続・朝ドライフ」で毎回感想を記しているが、本記事では、関東大震災が起こリ、万太郎と寿恵子が新たな土地・練馬へ移り住む25週~最終週の記事を集約。1記事で感想を読むことができる。

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もくじ

・第121回レビュー

・第122回レビュー

・第123回レビュー

・第124回レビュー

・第125回レビュー

・第126回レビュー

・第127回レビュー

・第128回レビュー

・第129回レビュー

・最終回レビュー

・「らんまん」作品情報

第121回のレビュー

第25週「ムラサキカタバミ」(演出:渡邊良雄)、最終回まで今日を入れてあと10回です。採集もとい最終コーナーに入ってきました。

神社の合祀によって森がなくなることをよしとしない万太郎(神木隆之介)は、日本植物図譜にツチトリモチを取り上げることにしました。それはすなわち、大学を辞めることでもあります。というのは、貴重な植物・ツチトリモチを紹介する、すなわち守りたい→神社の合祀を反対することになる→国への反抗になる→大学に迷惑がかかる ということなのです。

ひとりの植物学者として「人間の欲がどういう植物を絶やそうとしているのか それを世の中の人に伝えたい」と、万太郎が家族に伝えますと、寿恵子(浜辺美波)
「大学とツチトリモチがてんびんなんですね。そりゃあつり合いませんね」と一瞬、反対するような言い方で、万太郎の考えを受け入れます。寿恵子は反対するわけはありません。

では、子供の千歳(遠藤さくら)百喜(松岡広大)大喜(木村風太)千鶴(横山芽生)はどう反応する?

「バカげてるよ!」と大喜が声をあげます。万太郎を責めるのかと思いきや、
「バカげてるよ、お国のほうが」。さすが、寿恵子の息子です。

「私たちがこんなだとみんなこんなに頼もしくなるんですね」と寿恵子が言うように、4人の子供たちは一様に、知性と教養があり、物の道理をわかっています。

森林伐採は人間の生活のためにいいことはない。森の木は災害を防ぐ役割もしていると指摘し、伐採された森の土地は結果的に払い下げるだけだという批判までします。

「国への愛って、もっと身近なふるさとの愛着から生まれると思うんだ」と語る百喜。4人は、橋田壽賀子先生か小山内美江子先生の書くドラマのような口ぶりで語ります。最近の朝ドラで減ってきた理路整然としたセリフを長田育恵さんは受け継いでいます。

子どもたちは家計を助けるために働くとまで言います。

かつての朝ドラですと、子供や妻視点で、お父さん、働かなくてひどい……という流れになっていたわけですが、ここではお父さんを非難する者はひとりもいません。みんなお父さんを尊敬し助けます。お父さんには大いなる目的がありますから。それにしたってあまりにも聞き分けがいいですが……。4人中ひとりくらい反対する子がいたほうが公共性があった気がしますが、あと10回しかないので、そこを掘り下げてる時間はないでしょう。

善行をしていると、いいことが舞い込んできます。りん(安藤玉恵)が大家である人物の体調が良くないので、余生を共に過ごそうと考え、差配の仕事を千歳に譲ると持ちかけます。りんと千歳が仲良いことは、その前の場面で、千歳がりんに影響を受けていることを語っています(よくできた脚本なのです)。おそらく、働く寿恵子に代わって、りんが千歳の面倒をたくさん見たのでしょう。さりげなく人間関係が見てとれます(よくできた脚本なのです)。

そういえば、この長屋、いまや万太郎一家しか住んでいません。だから、りんが言いにくそうに何か言いかけたとき、長屋を売るとでも言うんじゃないかとひやひやしました。ここで土地を売って、万太郎たちを立ち退きさせたら、森林伐採と同じことになります。古くなっても住む人がいる限り、手入れしながら、大事に残していく。この長屋で助かった人たちが、万太郎をはじめ、たくさんいるのです。

小雪混じりのある日、万太郎は決意を胸に、徳永(田中哲司)に会いに行きます。
これまで、見かけなかったアングルによって、本棚の並んだ廊下の天井が洒落ていたことに気づきました。

※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。

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(C)NHK

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