<らんまん・高知編>1週~5週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第11回のレビュー
第3週「ジョウロウホトトギス」、明治13年、神木隆之介さんが万太郎として登場しました。成長してもマイペースと植物好きは変わらずで、年に一度の大事な蔵入りの行事に野山の散策をしていて遅刻してもけろっとしています。
いやむしろ植物オタク度は増しているようですが、幼馴染の堀田寛太(新名基浩)に植物友達がいないことを指摘されます。
心の友がいると主張しますが、それは小学校に貼ってあった植物図を製作した文部省博物局の人たち。会ったことのない人たちを「心の友」にして植物研究に励んできました。が、寛太の心無い言葉はーー
心の友ゆうがはおらんがとおんなじじゃ
(寛太)
辛辣ですね。「赤毛のアン」の立場は……(「赤毛のアン」の心の友は目の前にいましたが)
でも文部省のある東京に、万太郎が行くチャンスが訪れます。
「神木きゅん」と呼ばれ愛されてきた神木隆之介さん。子役時代から活躍して、
映画「桐島、部活やめるってよ」やドラマ「SPEC」シリーズなどヒット作にたくさん出演しています。
天才子役は大人になると苦労すると言われますが、安達祐実さんのように大人の壁を乗り越えてほしいと願います。
今がちょうど過渡期。少年、青年から大人になりかかっている時期だからこそ、少年から成長した万太郎にぴったりです。万太郎がやがて結婚して父になり、老けるところまで演じるとしたら、「らんまん」は神木さんの大人俳優への道ーー大人俳優として世の中に認知される代表作になるのではないでしょうか。
ともあれ、神木隆之介さんが天才少年俳優と言われていた所以をなっとくする登場回でありました。
見たことのない植物に出会って「わしを呼んでくれたのう」と恍惚とした表情や東京に行きたくて、タキ(松坂慶子)を弁舌さわやかに丸め込み、してやったりの表情など、白眉でした。止め画よりも動き続けていたほうが良さが出ますね。映像向き。
とりわけ、なにか企んでいるときの眼瞼のキレの鋭さ。頭が良さそうで、SPECのニノマエが代表作になるわけだとひとりごちました。
さて、成長したのは万太郎だけではありません。竹雄は志尊淳さんに、綾は佐久間由衣さんになりました。
志尊淳さんは野田秀樹さんの舞台「Q」でロミオとジュリエットのロミオ的な役(相手役は広瀬すずさん)を演じて海外公演も経験された実力派。はつらつとして清潔感にあふれ、万太郎を支える生真面目な人物を好演しています。
「半分、青い。」でもヒロインを支えるとてもいい友人役でした。
綾が幸吉(笠松将)とちょっといい雰囲気になっている様子を見たときの微妙な表情が気になります。なにかと報われない運命なのでしょうか。
幸吉は昔、綾が蔵に入ったとき落としたかんざしを拾った人物です。あの拾いもの、あのあとどうしたのでしょう。
綾を演じる佐久間由衣さんは「ひよっこ」でヒロインの幼馴染を演じていました。
志尊淳さん、佐久間由衣さんと、再び主人公を支える役を担います。キャラは違うけれどポジションが似ているのは新鮮味にはやや欠けるものの、朝ドラにまた帰ってきてくれたという嬉しさはあります。
ちなみに、寛太役の新名さんは「舞いあがれ!」の空先輩を演じていました。まったく印象の違う人物を演じています。間を空けず続けて出演する俳優は珍しい。
【朝ドラ辞典2.0 朝ドラファミリー(あさどらふぁみりー)】朝ドラに2度以上出ると、朝ドラ常連、朝ドラファミリー、劇団朝ドラ劇団員のような認識となる。
※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。
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