<らんまん・高知編>1週~5週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第8回のレビュー
あいみょんの主題歌が「愛の花」の「愛」と「逢い」、「為」と「種」、「わ」と「輪」などの韻が心地よいです。武家の子に意地悪され、名教館に行きたくない万太郎(小林優仁)でしたが、意を決してひとりで向かいます。
植物のように踏まれることで強くなれたらいいのに、と思っていると、池田蘭光(寺脇康文)から植物に名があることを教えてもらって、学問に目覚めます。
明の時代の医者・時珍が「本草綱目」というたくさんの植物を記録した本に刺激を受ける万太郎。時珍も子どものとき、体が弱くて、本をたくさん読んで過ごしたそうで、万太郎は共感を覚えたようです。
目標があると勉強も楽しい。文字を読むためーーというか植物の知識を得たくて勉強にせいをだします。
これまでちょっと沈殿していたものがいっきに浮上し、万太郎は生き生きしはじめます。
寺脇康文さんがスケールの大きな演技をしていて、万太郎が突風に巻き込まれていくような感じがよく出ています。影響されて小林優仁さんの口調もそれまでに増してしっかりしてきたように感じるほど。
そしてあっという間に3年ーー。万太郎、12歳。
万太郎が身につけた強さにはいいことと良くないことが混ざっています。
思いついたらまっしぐらで、抜群の集中力を発揮することは良いことですが、まわりに目が入らないのはあまり良いことではありません。
番頭・市蔵(小松利昌)にわがままを言ったうえ、彼の大事な懐中時計にひどいことをしてしまう。
「見せて」「貸して」と言ったところでいやな予感がしましたが、案の定……。
子どもの底知れない好奇心を、既成のものを分解し構造を知ろうとする姿で見せることは、かつて「べっぴんさん」(16年度後期)でも描かれています。ヒロインが靴を分解していました。被害にあった側はたまったものではありません。番頭役の小松利昌さんのおろおろした身振りがお気の毒さを倍増させました。タキ(松坂慶子)に弁償してもらえると信じます。
夢中になると我を忘れる天才肌。授業中の教室にわーっと入っていって自分の聞きたいことを質問する場面も、規格外の人物の表現です。優れた才能があるから許されますが、たいていはへんな人として扱われがち。
植物に名前がある、人間も無名の人なんていない、みんなそれぞれ名前がある。こういうことに気づくことができるのは、当たり前のルールから外れた人なのです。
【朝ドラ辞典2.0 主題歌(しゅだいか)】ドラマがはじまる前に、スタッフ、キャストのクレジットと共に流れるもの。当初はインストゥルメンタルだったが、はじめて歌詞入りのものになったのが「ロマンス」(84年)。以後、人気アーティストが歌うことで話題のひとつになっている。その年の紅白歌合戦で主題歌を引っさげて出場することも、少なくない。歌詞がドラマの内容を暗示しているように感じるものもあり、ドラマと切り離せない。
「オープニング」参照。
※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。
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