続・朝ドライフ

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2023年10月04日

<らんまん・関東大震災・練馬編>25週~最終週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<らんまん・関東大震災・練馬編>25週~最終週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第123回のレビュー

大正12年、9月1日、万太郎(神木隆之介)も六十代。孫の虎太郎(森優理斗)も愛くるしい。

資産家・永守(中川大志)の協力を得て、いよいよ図鑑を出版することに。

印刷する原稿の入稿を翌日に控え、大事な原稿をこの手で印刷所に届けようとしていたとき、大きな地震が……。

関東大震災です。

万太郎の書斎にうず高く積まれた標本は雪崩のように崩れます。

寿恵子(浜辺美波)を助け、長屋の井戸のところに避難。千歳(遠藤さくら)も虎太郎を必死にかばいます。

ほぼ全壊した長屋を真俯瞰で撮影。古い長屋ですから、地震に耐えられなかったでしょう。長いこと使用した長屋のセットが思い切り破壊されています。

外では、また揺れが来る、神社に避難しようという声が聞こえます。
ここで「神社」です。合祀しようとしていた神社は、こういうとき、避難場になるのです。

そうしていると、火事が……。
成長した千鶴(本田望結)が戻ってきて、五人で避難しようとしますが、万太郎は標本も避難させようとします。仕方なく、寿恵子たちも手伝って……。

このとき万太郎は、今まさに入稿しようとしている「原稿」よりも、まず標本と考えます。やっぱり標本が第一。「標本を救わんと」と、図鑑を作ることよりも、植物のひとつひとつの存在表明のようなものを大事にしているのだなと感じました。

あるだけ持って避難しますが、このパニック状態のなか、背負子は邪魔で、まわりからも迷惑がられます。そのうえ、ドサクサに紛れて物盗りもいて……。

朝ドラでは震災のほか、関東大震災が描かれてきました。

朝ドラ辞典2.0 【関東大震災:かんとうだいしんさい】
大正時代を舞台にした作品では外せない出来事。主人公やとりまく人たちの大切な人が亡くなる悲しみが描かれることが多いが、喪失を乗り越えて立ち上がっていく転換点にもなる。
忠実な奉公人を失う「おしん」、夫が行方不明になる「あぐり」、妹にプロポーズした人物が亡くなる「花子とアン」、実家の安否を心配したり、恩師が亡くなったりする「ごちそうさん」、大阪から救援物資をもって行ったことをきっかけに主要キャラの生き別れの母との再会が展開する「わろてんか」など。

関連語:喪失感 戦争 震災

その頃、千歳の夫・虎鉄(濵田龍臣)は神田の大畑印刷所にいました。大畑(奥田瑛二)は元火消しの矜持として、火事を食い止めようと奮起します。

ここで、大畑がかつて火消しであった設定が生きてきます。

実際に当時、神田和泉町と神田佐久間町の一角だけが焼け残ったそうです。

NHK首都圏ナビの2023年5月30日の記事によると、こうあります。
言い伝えや専門家の分析では、周囲に耐火性のある建物があったことなど複数の好条件が重なったことに加え、このポンプ所などの水利施設を使って住民たちが必死の消火活動を行ったことが要因とされています。

「らんまん」では、この歴史のなかの人たちの魂を、江戸の心意気と技能・火消しの生き残りである大畑に託して描きたかったのではないでしょうか。
万太郎が61歳ですから大畑はそうとうの年齢でしょう。大丈夫なのかな。でも実話があるからたぶん大丈夫。

※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

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(C)NHK

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