『劇場版シティーハンター』押さえておきたい「16」のポイント!
14:名曲「Get Wild」に大興奮!
20年ぶりにアニメ『シティーハンター』が帰ってくると特報が報じられた際、BGMとして流れたのがおなじみTM NETWORKの「Get Wild」だ。この特報が発表され「Get Wild」が流れた瞬間の興奮はいまも覚えているし、SNSが一気に盛り上がったあの高揚感も忘れられるものではない。なんなら筆者は情報を得た瞬間にガッツポーズをしたし、そこから「Get Wild」の脳内無限ループがはじまったのだ。
話を元に戻して、なぜ「Get Wild」がそれほど評価されアニメ『シティーハンター』になくてはならない楽曲となったのか?「Get Wild」は1987年から1年間放送された第1期(無印『シティーハンター』)のエンディング曲として使われたのだが、画期的だったのは本編ラストに挿入される形でイントロがはじまり、キメカットともにAメロに突入する構成だったことだ。冴羽がバシッと落としどころをつけたところで流れ出す「Get Wild」は『シティーハンター』の世界観そのものにマッチしていて、作曲を手掛けた小室哲哉らしいシンセポップス感とボーカル・宇都宮隆の張りのあるトーンが終幕を飾るに相応しい情感を醸し出した。もちろん『プライベート・アイズ』でもラストは従来通りの演出が施されているので、「Get Wild」インサートの瞬間もひとつの楽しみとして受け止めてほしい。
15:20年経っても変化しないもの
ここまで書いてみれば改めなくても、いかに『プライベート・アイズ』がアニメシリーズに敬意を払っているかが分かるのではないだろうか。20年ぶりの新作、オリジナルキャストの再結集、歴代主題曲の使用…。全ての要素がファンに向けたものであり、同時に新しく『シティーハンター』という世界に触れる人たちにとっての“新たなエンターテインメント”としても仕上がっている。この20年の間に溜め込まれてきたファンの感情が作品に影響していることは明らかで、いうなれば制作陣からファンに向けたプレゼントのようにも思えてくる。
ファンにとって20年ぶりであると同時に、冴羽を筆頭にアニメ『シティーハンター』のキャラクターたちにとっても20年ぶりに日の目が当たったことになる。だからこそ冴羽が言う「待たせたな」という言葉は登場キャラだけでなく、その向こう側、スクリーンと対面した観客にも向けられているのは間違いないだろう。そんな冴羽が激闘の果てにラストシーンで放つセリフは、20年待ち続けたファンにとっても「その一言が聞きたかった!」と手を叩きたくなる輝きを放っていた。
(C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会
16:エンドロールも必見!
ネタバレというよりは、せっかくの趣向を削いでしまうので詳細はあえて省くとして、エンドロールについてもじっくりと追ってほしい。それは往年のファンに向けた心ばかりのサービスであるだろうし、エンドクレジットに記されたスペシャルサンクスの内容からも本作が集大成になっていることが分かる。これはあくまで長年の『シティーハンター』ファンである筆者から見た視点だが、本作は20年ぶりの新作であると同時に、ようやくつけられたひとつの“区切り”だったように思えるから不思議だ。
まとめ
『プライベート・アイズ』における興奮は、言ってみれば“20年ぶりの新作”だったところによる部分が大きい。懐かしいキャラクターにBGMは長い長い沈黙期間があったからこそ、一気に胸に迫ってきた感はある。もちろん作品としての面白さも十二分に備えているが、やはり次に同じ感動が得られるかといえば相当ハードルの上がるところだろう。それでもあえて最後に声を大にして言いたい。劇場版『シティーハンター』をぜひこのままシリーズ化してほしい、というのがファンの一致した見解なのではないだろうか。
(文:葦見川和哉)
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