映画コラム

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2019年12月06日

『アイリッシュマン』、スコセッシ監督作品の5つの傾向と対策

『アイリッシュマン』、スコセッシ監督作品の5つの傾向と対策



レオナルド・ディカプリオとの
21世紀型コンビネーション


21世紀に入ってマーティン・スコセッシ監督作品に新風を吹き込んだのがレオナルド・ディカプリオです。

初めて両者がコンビを組んだのは『ギャング・オブ・ニューヨーク』(02)ですが、これはスコセッシにとって念願の企画で19世紀後半NYマンハッタンのギャング同士の抗争を150億円の巨費を投じて描いたもので、当時若手スターとして筆頭だったディカプリオの人気あればこそ出資可能となった製作費だったのかもしれません。

ギャング・オブ・ニューヨーク(字幕版)



実際、この作品でディカプリオも従来のさわやかな青春スターから個性的アクターとしての面を大いに引き出されており、彼はアメリカの大富豪ハワード・ヒューズの生涯を描いた『アビエイター』(04)を自身のプロダクションで製作するとともに、スコセッシを監督として起用。結果、ディカプリオはゴールデングローブ賞(ドラマ部門)主演男優賞を受賞しました。

続くコンビ作『ディパーテッド』(06)は香港映画『インファナル・アフェア』(02)のアメリカ・リメイクですが、これでアカデミー賞作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞を受賞。

この後も『シャッター・アイランド』(10)『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13)とコンビ作は続いていきますが、いつのまにかディカプリオは往年のジェームズ・キャグニーのような個性派スターとしての貫禄を備えてきている感もあります。

スコセッシも彼とコンビを組むことで初々しさを取り戻したかのように、世界中に旋風を巻き起こしていくのでした。

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