ドラマ「その女、ジルバ」全10話のあらすじ&感想|ありがとう「その女、ジルバ」ありがとうジャックアンドローズ
有間しのぶ原作の同名漫画を映像化し、池脇千鶴が主演を務める「その女、ジルバ」が2021年1月9日よりフジテレビ系で放送開始となる。
夢も仕事も結婚も諦めていた40歳の負け組OLが“熟女バー”で働き始める姿を描く。大手百貨店の倉庫で働く新(池脇)は、リストラで左遷され夢も希望もない毎日を送る。しかし、伝説のママ・ジルバの店と出合ったことをきっかけに、人生が大きく変わっていく。
もくじ
・第1話あらすじ&感想・第2話あらすじ&感想
・第3話あらすじ&感想
・第4話あらすじ&感想
・第5話あらすじ&感想
・第6話あらすじ&感想
・第7話あらすじ&感想
・第8話あらすじ&感想
・第9話あらすじ&感想
・第10話あらすじ&感想
・作品情報へ
第1話あらすじ&感想
第1話あらすじ
笛吹新(池脇千鶴)、40歳。
憧れだったアパレル会社の販売員として働いていたが、結婚直前で婚約者に裏切られ破談となった上、リストラで倉庫勤務に回されてしまい、お先真っ暗。
夢なし、貯金なし、恋人なし…私の人生、こんな感じで終わってくの?
その日は40歳の誕生日。とはいっても誰から祝われることもなく、届くのはネット通販からのメールだけという、いつも通りパッとしない朝。
社員寮から職場に向かう途中、道端でうずくまっていたヨレヨレの老婆(草笛光子)に気づく。都会の片隅で助ける者もなく…まるで40年後の自分を見た気がしてしまい、思わず手を貸してしまう新。
この出会いが、その後の人生を大きく変えることになるとも知らずに…。
その日は、職場でもありがたくない出来事が待っていた。
“出向仲間”である村木みか(真飛聖)と朝礼に出ていると、倉庫部門のチームリーダー・浜田スミレ(江口のりこ)から新任の課長が紹介された。
「ゲッ。ウソ…」新課長は、なんと婚約を破棄した男・前園真琴(山崎樹範)だったのだ。よりによって、なんでこの世で一番会いたくない男と…。
「俺たちやっぱり、赤い糸で結ばれているのかな。こうやって再び出会ってしまうなんて」と能天気にのたまう前園に絶句する新。最悪だ…。
ストレスまみれの帰り道、新は偶然、一軒のレトロなバー『OLD JACK&ROSE』の張り紙を見つける。
“ホステス求む!時給2000円 未経験者歓迎 年齢40歳以上”
40歳…以上?以上!?
「絶対ウソだ。ワナに決まってる。時給2000円?無理、ホステスなんて。でも家に帰ってゆっくり考えたら絶対あきらめる…今ここで新しい何かをしないと…私は、私の人生を、嫌いになってしまう!」
新は思い切って、店の扉を開ける…!!
がけっぷちアラフォー女性が飛び込んだ超高齢熟女バーの世界で繰り広げられる、笑いと涙の超絶エンターテインメント、開幕!!
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第1話の感想
「今ここで何かをしないと、私は私の人生を嫌いになっちゃう」「朝起きたらもう40になっちゃってて、もう何もかもうまくいかなくて、私の人生もうこれでおしまいかなって」
アラフォー女性の話だけど、もがいた経験がある人は年齢関係なく共感できるんじゃないだろうか。切羽詰まった主人公・新のセリフがしみるしみる。
でもこれは、つらい状況のまま終わる話ではないのだ。超高齢熟女バーで華やかな衣装や照明に包まれ、ママやホステス仲間、お客さんに優しい言葉をかけられて夢のようなひとときを過ごすシーンは別世界のよう。だがさらに印象的だったのは新が、冴えないはずの現実に戻った後も夢見る少女のような顔つきに変わっていたことだ。それこそ20年以上昔にテレビで観たあどけない池脇千鶴のようだった。
怖いのは、現実がうまくいかないことではなく、その結果夢も希望も持てなくなることなのかもしれない。希望を捨てなければ、もっといいところへいけるのかもしれない。そう思わせてくれる初回だった。
社会の状況も加わってより夢が見づらくなっている今の時代だからこそ、多くの人に観てほしい作品だ。
なんと言っても池脇千鶴がよかった。個人的な話だがいちばん好きなドラマは「リップスティック」(1999)映画は「ジョゼと虎と魚たち」(2003)な筆者、リップスティックで彼女が演じる井川真白が真っ白なシーツを持って廃墟に行って……というシーンは今見ても綺麗で悲しくて胸がいっぱいになってしまう。というわけで久しぶりの連ドラ出演を心待ちにしていた。
事前の番宣でバラエティー番組に出た彼女の姿を見て「劣化した」「いや役作りだろう」などという議論がSNSで挙がっていたが、そんなことはどっちだっていい。池脇千鶴が昔も今も変わらず、その役柄のリアルをとことん見せてくれる役者だとあらためて実感できた喜びに比べたら些末なことだ。
そして草笛光子がかっこいい。衣装もアクセサリーもグレイヘアも言葉も決まっていて、こんな80代だったらなりたい! マスターの幸吉(品川徹)と二人で会話するシーン、昔の白黒映画を観ているようだ。「今の四十って、昔でいう二十歳みたいなもんね」というセリフがやたらリアルだな~。
脇を固める役者陣も信頼できる人たちだし、職場のシーンもバーのシーンもテンポ良い会話が続いてあっという間に時間が過ぎてしまう。
次回はどんな風に勇気づけてくれるのか、今から楽しみで一週間待てない。
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